モーディー改造内閣

一昨日、インドのモーディー政権の改造内閣が発表された。今回一番大きな目玉はジョーティラディティヤー・スィンディヤーの入閣。

グワリヤル藩王国の最後の王、ジヴァージーラーオ・スィンディヤーの孫で、現在のグワリヤル王家であるスィンディヤー家の当主。

グワリヤル王家は、インドで数多く存在していた藩王国の中で最も高位の王家のひとつ。英領時代の「礼砲数」が最高格の21号砲。同格で並んでいたのは、バローダ、マイソール、カシミール、ハイデラーバードだけだ。まさに文字通りの「大王」の家柄。

見た目は若く見えるが、もう50歳。2019年の総選挙で負けたため国会議員の立場を失っていたが、昨年3月に国民会議派を離党する際に、地元マッディヤ・プラデーシュ州議会で議席を占める取り巻きたちも脱党させたうえで、それらの者たちとともにBJPに加入。これにより同州の国民会議派政権は瓦解して改めて選挙が実施され、現在はBJPが政権を取っている。この一件は「大王の叛乱」としてメディアで大きく取り上げられたのは記憶に新しい。

国民会議派中枢のラーフル・ガーンディー、妹のプリヤンカーとも同世代であり、個人的にも家を行き来する親密な仲であっただけに、2019年の選挙敗北後に彼が国民会議派執行部と疎遠になっていく様子は懸念されていたものであった。彼の父親のマーダヴラーオ・スィンディヤーは国民会議派の重鎮で国会議員だった。父の事故死を受けて、その選挙区を引き継いだのがジョーティラーディティヤーだった。こういう人からも見離されるのだから、今の会議派は大変だ。

今回の内閣改造で、入閣が予想されていたワルン・ガーンディーは外れてしまっている。ワルンの母親はメーナカー・ガーンディー。ラーフルの父親の故ラージーヴ・ガーンデイーの弟、サンジャイの息子だ。つまりラーフルとプリヤンカーのいとこにあたる。インディラーに可愛がられたソーニアーとは裏腹に、サンジャイの死後、メーナカーと義母のインディラーは折り合いが悪く、夫の兄の家とも疎遠になっている。国民会議派の「ポスト・インディラー」と目されたサンジャイの嫁でありながらも、後にBJPに加入、閣僚としても活躍することになったのは、ごく自然な流れだった。その息子がワルンなのだが、遠からず日の目を見る日がくるかもしれない。

List of new Cabinet Ministers of India 2021: Check the updated list with Portfolio (JAGRAN JOSH)

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