インドの州選挙キャンペーンで、BJP政権ではない州で、BJPがよく使うフレーズに「ダバル・インジャン(Double Engine)」がある。ダバル、インジャンいずれもインド式の読み方だが、要は中央政権と州政権が同一政党であることのメリットを訴えるものだ。反中央、反サフランの傾向が薄い州では、これが強くアピールする。
しかしながら近年は反中央政府の気風が強かったアッサムが前回選挙で「ダバル・インジャン」の軍門に下る例もあり、西ベンガル州の選挙は本当に先が読めない。
ほぼ同時期にアッサム州でも選挙だが、BJPには賛否あるものの、そのまま再選されそうに思う。CAAやNCRへの批判はあっても、やはり実行力が違うし、行政効率も良くなったということだろう。おそるべし「ダバル・インジャン」。
ただし、州政権が現地政党であれば、州の権限が日本の県とは比較にならないほど大きいインドでは、中央の意志を相当程度遮る防波堤となってくれる。タミルナードゥ州では学校教育で「ヒンディー語」すら導入されていないし、西ベンガルではヒンディー語の授業はあっても、そのスコアは進学の際に参考にすらならないようだ。
そんな具合なので、「ダバル・インジャン」は、選挙民への強いアピールともなるし、「そんなことさせてたまるか」というブレーキにもなり得る。こうした背景があるため、最近のBJPの地方での宣伝はかなり巧妙になっている。
選挙ウォッチングもなかなか面白いインドである。
‘BJP’s double-engine govt will build ‘Sonar Bangla’ in 5 years’: Amit Shah (Hindustan Times)