西ベンガル州のカルナーで、かねてより訪れてみたいと考えていただけに感慨深い。けっして大きくはないのだが、想像していた以上に宇宙的ともいえる広がりを感じさせるレイアウトだ。
この寺院はカイラス山を象徴しており、108の小部屋にそれぞれシヴァのリンガムが安置されている。外周部の小部屋には白黒のリンガムが互い違いに配置されているが、内円部は白だけとなっている。
寺院内の108すべてのリンガムに対して時計回りにパリクラマー、つまり順繰りに回る形で参拝することにより、カイラス山を一周したのと同じ意味を持つことになるのだという。
建立は19世紀。とかく古いものが多いインドでは、歴史の浅い寺院ということにはなるのだが。
この寺院のすぐ北側には、プラタペーシュワル、バドリーナラヤン、クリシュナチャンドラ、ラールジー、ギリー・ゴーワルダン、ルーペーシュワル・シヴア、ヴィジャイ・ヴェーディャナータン、パンチャラトナといった寺院群があり、いずれも美しいテラコッタ細工があしらわれており、大変見応えのあるものだ。
※内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。