OLYMPUS PEN E-P1発表

幅120.5mm、奥行35mm、高さ70mm、本体重量335g。ずいぶん小さいなあ・・・と誰もが思うことだろう。7月3日に発売されることが決まったオリンパスのマイクロ一眼OLYMPUS PEN E-P1である。
OLYMPUS PEN』とは、1959年に同社が発売した小型軽量のハーフサイズカメラ。今では見かけないが35mmのフイルムの各コマを二分割して、通常の撮影枚数の倍のコマ数を撮ることができるものだ。PENはまさにその代表的なモデルで、その後十数年に渡るハーフサイズのブームを巻き起こした。
PEN E-P1は、そのカメラのデジタル版というわけではないが、それを彷彿させるクラシカルなデザインと小振りなボディといった外観だけでも、大いに注目を集めそうな一台だ。
パナソニックのG1, GH1に続き、オリンパスから初めて発売されるマイクロフォーサーズ規格のカメラとなる。
ミラーレス構造(ゆえに『一眼レフ』ではなくなる)という画期的な新機構ながらも、従来のデジタル一眼レフのコンセプトを踏襲した。つまり従来ではあり得なかったコンパクトさと軽さを実現したのがパナソニックG1ならびに姉妹機のGH1だ。いわば『手軽な一眼』といった具合だが、これに対して、コンパクトデジカメでは実現できなかった機能性と画質を、一眼的な手法で実現しようというのがパナソニックのE-P1だ。いわば『レンズ交換式大型撮像素子コンパクトデジカメ』である。そのため同じマイクロフォーサーズのカメラでも、パナソニックのモデルとはずいぶん性格が異なる。
ボディの色は、シルバーとホワイトの2種類。ボディのみ単体での販売に加えて、M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6レンズを同梱した『オリンパス・ペン E-P1 レンズキット』ならびにM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8レンズと光学ビューファインダーVF-1(M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8専用)を同梱した『オリンパス・ペン E-P1 パンケーキキット』さらにはM.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6とM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8のふたつのレンズと光学ビューファインダーVF-1を同梱した「オリンパス・ペン E-P1 ツインレンズキット」が発売される。
もはや新たに発売されるデジタル一眼必須の機能となっているダストリダクションシステムに加えて最大4段分の補正効果をもつボディ内手ブレ補正機構も搭載。
弱みといえば、まだ新しい規格であるがゆえに、レンズのバリエーションが少ないことだ。アダプタを介して従来のフォーサーズのレンズも使用可能とはいえ、機能に制限が出るものもあり、マイクロフォーサーズの持ち味のひとつである小型・軽量というメリットを削ぐことになる。
今後ゆっくりではあるが、いくつかのレンズが順次発売となり、この規格を共有するパナソニックとオリンパス両社の製品を相互に使いまわせるという利点がある。今回、14-42mm F3.5-5.6と17mm F2.8が利用可能なラインナップに加わった。
手放しで喜べない部分もある。前者は手ブレ補正をレンズ側で行なうのに対して、後者はボディ内というスタンスが明らかになった。今後発売されるモデルもこの路線を踏襲するであろうことを残念に思うパナソニックG1、GH1ユーザーは少なくないはず。
オリンパスのボディを持てば、どちらのメーカーのレンズも同じように使えるが、パナソニックのボディを使う人は、オリンパスのレンズは手ブレ補正無しのレンズとして使うことになるからだ。
話はE-P1に戻る。ボディにファインダーが搭載されていない。17mmのレンズ専用の外付ファインダーが利用可能とはいえ、基本的な撮影スタイルは今どきのコンパクトデジカメと同じく、腕を伸ばして液晶画面を見て撮るというものだ。
そのため焦点距離の長いレンズはもちろんのこと、たとえ装着可能であっても従前のフォーサーズ規格による大型のレンズを装着しての撮影にはそぐわない。このカメラでクリケットやテニスの試合の撮影をしようとか、動物保護区で遠くからトラの姿を狙おうなどという人はいないと思うが。
もちろんこれは欠点ではなく、そういうコンセプトで設計されているわけで、常日ごろから上着のポケットやカバンの中に放り込んでおけるお気楽カメラなのだ。
同時に発売される17mm(35mm判換算で34mm相当)の薄いパンケーキレンズ専用で使っても充分楽しめるのではないだろうか。一眼というよりも、『大型センサー搭載でレンズも自在に交換できる高級コンパクトデジカメの真打登場か?』といったところかもしれない。
加えてHD画質の動画撮影も可能なことから、ビデオカメラとしても活用できるため、かなり多用途に使い込めそうだ。
用途が日常であれ、旅行先であれ、『インドでどうだろうか?この1台』ということで今回取り上げてみた。来月の発売日以降、実機に触れてみた方にぜひ感想をお聞きしたいところだ。
OLYMPUS PEN E-P1

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