TNSA (Tibetan National Sports Association) 2  在印チベット人たちの『天皇杯』GCMGC (Gyalyum Chemo Memorial Gold Cup)

今年9月には2010 GCMGC (Gyalyum Chemo Memorial Gold Cup) というサッカーのトーナメントが開催される予定で、すでにエントリーしたチームが公表されている。大会名に冠したGyalyum Chemoとは、現在のダライラマの母親の名前である。いかにもチベット的な装飾のなされたトロフィーをめぐって出場チームが熱戦を繰り広げるのだ。

1981年に始まったGCMGCは亡命チベット人コミュニティの中で、ちょうど日本の天皇杯に相当するもののようだ。TNSAウェブサイトの『TOUNAMENTS & CUPS』にあるとおり、開催年がところどころ飛んでいるものの、2005年までは在印チベット人社会にとって首都に相当するダラムサラで開催されてきた。

2006年は開催されなかったようだが、翌2007年にはウッタラーカンド州のデヘラードゥーン近くのクレメント・タウンで開かれている。ここチベット難民の定住地のひとつであり、ニンマ派のミンドルリン寺が再建されていることで知られている。

続く2008年の開催地はカルナータカのムンゴード。インドでゲルク派のガンデン寺が再建されたのはこの町であり、ここもまた当然のことながらチベット人たちが多く定住している。

2009年の大会はダラムサラに戻ったが、2010年の開催地はカルナータカ州マイソール近くのバイラクッペである。この町は、チベット仏教のゲルク派の古刹セラ寺ならびにニンマ派のナムドロリン寺が再建された場所だ。

受け入れ側の組織力やインフラも必要になるが、今後おそらくインド国内の他のチベット難民定住地で持ち回りにてこの大会が開催されることになるのだろう。インドにおける定住期間が長くなり、コミュニティが安定かつ成熟してきた証ともいえよう。

今年のGCMGCは9月第2週に開催する予定。その時期にマイソールあたりに行かれる方でご関心があれば、ちょっと足を延ばしてみるといいかもしれない。

詳細な日時やグラウンドの場所等については事前にTNSAまでお問い合わせいただきたい。

<続く>

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