ヒマーチャル・プラデーシュ州のダラムサラ。在印のチベット亡命政府が置かれている。チベット難民たちの臨時首都のようなところだ。
ダラムサラのマクロードガンジからオートに乗ってからまもなく大雨になった。チベット難民孤児の世話や学校の運営等を行なっているチベット人たちの非営利団体TCV(Tibetan Children’s Village)に向かうところであった。
TCVに着くと、さらに雨脚が強くなってきたが、学校がちょうど休み時間に入ったようで、降りしきる雨の中、敷地内では制服を着た生徒たちが闊歩している。雨をものともせずに遊んでいる元気な子供たちの姿もあった。
この日、私がここを訪れた目的はTNSA(Tibetan National Sports Association) を訪問することである。名称からして各種スポーツの振興を図る団体のように聞こえるが、この協会が対象とする種目はサッカーのみ。
上は彼らの「国家代表」から各レベルの学校のサッカーチームまでトータルに統括する組織であることから、事実上のチベットサッカー協会本部ということになる。
・・・とはいえ、狭い事務所で沢山の書類が山と積まれたデスクが四つあるのみ。これが即ち常勤職員の数ということになるらしい。ここでTNSAの事務総長の立場にある50歳前後くらいの精悍な感じのするK氏からチベット人のサッカーにまつわる話をうかがうことができた。
TNSA傘下にTNFA (Tibetan National Football Association) という組織が存在することになっているが、その位置づけは曖昧でTNSAとTNFAは事実上、同一のものであるといえる。
<続く>