これまで選挙のキャンペーンなどで表舞台に立つくらいであったが、ようやく「専業」の政治家となるプリヤンカー・ガーンディー。退潮の悩む国民会議派にとって、最後の切り札が、ついに登場することとなった。
国民会議派のリーダーシップを母親ソニア・ガーンディーから引き継ぐには、いまひとつ指導力と魅力に欠けるラーフルは、彼女の兄。
プリヤンカーは、メディアへの対応も落ち着いて、年齢の割にはずいぶん貫禄がある。物腰、スピーチ、風貌どれを取っても、大物の片鱗を感じさせるとともに、祖母のインディラー・ガーンディー元首相のイメージとダブるものがある。古くからの国民会議派支持者たちの間でも、もうだいぶ前からプリヤンカーの政界進出は大いに期待されていた。
今後の彼女は、国民会議派の選挙の指揮を執ることになる。かつて「ネルー王朝」と揶揄された国民会議派を一手に取り仕切るようになるのは、ラーフルではなく、妹のプリヤンカーかもしれない。曽祖父ネルー、祖母インディラー、父親ラジーヴに続いて、彼女が将来インドの首相の座につく日が来るかもしれない。
BJP政権で一気に右傾化したインド中央政界だが、今後「インディラーの再来」プリヤンカーで、巻き返しなるか?まずは来年前半に予定されているU.P.州の州議会選挙に注力することになるが、地方政界で最も重要な州のひとつであるだけに、ここでつまづくと、国民会議派における彼女のキャリアが出だしで大きく傷がつくことになる。
彼女にとっては「家業」の国民会議派。政治手腕は未知数ながらも、プリヤンカー・ガーンディー自身に弱点があるとすれば、夫でビジネスマンのロバート・ワドラーの巨額の不正取引疑惑と個人的な不人気。知的で清廉なイメージのある彼女とは正反対の評判の配偶者をめぐる動向は、「政治家プリヤンカー」にとって大きなリスクとなる。
〈ペヘルガムへ 2は後日掲載します。〉