ダース投手の関西高校 早稲田実業相手に延長15回の熱戦

 選抜高校野球大会第7日本日の第三試合は、インド系球児ダース投手の関西高校と久々に出場の古豪、早稲田実業の対戦となった。先に関西高校の一回戦での勝利について書いた際、二回戦を『3月31日』と誤って記したことをこの場を借りて訂正したい。
 今大会初の延長戦へと進み、15回までで7対7の同点。大会規定により引き分け再試合となった。三試合のみが予定されていた翌日30日の第4試合にこの関西高校と早稲田実業高校のゲームが組まれることとなった。
 ともに大量得点を挙げる打撃戦となったこの試合で先制したのは関西。三回裏にライトへの犠牲フライで三塁走者がホームインした。だが5回表の早実の攻撃で、ランナーを二塁においてのツーラン・ホームランで逆転。同回裏に関西は一死満塁の場面で左中間へ高く上がった犠牲フライで同点に追いつくという、手に汗握る展開となった。
 しかし続く6回表、一・三塁にランナーを置いた早稲田実業は、レフト前タイムリーヒットで一点追加して勝ち越し、さらには7回にタイムリー・ツーベースで二点奪取、そして犠牲フライでなおも一点加え、追いすがる関西を突き放したかに見えた。
 だがドラマはまだまだ続く。7回裏に一死走者一塁の場面でツーラン・ホームランが飛び出し、関西は選手たちのダグアウト、応援スタンドともに追い上げムードに沸く。
 それでも9回表の、早稲田実業がライトオーバーのスリーベースによる一点追加により、ついに勝負あったかと誰もが思ったことだろう。だがそれでも関西高校ナインはあきらめなかった。ノーアウト満塁のまたとないチャンスを作りあげ、右中間に走者一掃のスリーベース・ヒットで同点に追いついたのだ!
 延長戦に入ってからは両校ともに相手の得点を許さず15回を迎える。規定上、延長戦の最終イニングとなる同回裏はアウトカウントひとつ、走者二塁という場面でダースの左翼頭上を越えるかと思われる長打性の当たりでそのままサヨナラ勝利か、という決定的な瞬間。 これを早実のレフトを守る選手がギリギリのところで捕らえてセカンドに送球、離塁していた走者は懸命に戻るが間に合わずタッチアウト。素晴らしいファインプレーであった。
 実を言うと私自身、特に野球というスポーツに関心がないので、春・夏に展開される甲子園でのこうした試合を見ることはほとんどなかった。
 しかし昨年、今年と珍しいインド系のダース選手が出ていることから、関西高校の試合ということでなんとなく見ていたのだが、やはり情熱のすべてを野球に注ぎこむ青春真っただ中の球児たちのひたむきさ、負けたら後がないという一発勝負の厳しさを目のあたりにして、ググッと引き込まれてしまった。ともに実力の高い両校のドラマチックな試合展開に興奮し、選手たちの素晴らしいプレーと熱いハートには実に心動かされるものがあった。
 勝負は仕切りなおしとなったが、明日は本日同様、いやそれ以上に大きな感動が待っているような気がする。
センバツ 試合動画・詳細 (毎日放送)

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