アカーラー(道場)

インドにはいろいろ見どころがあるが、早起きしたらアカーラー(道場)を見学するのが好きだ。アカーラーというのはインド式レスリング「クシティー」の道場。ペヘルワーン(レスラー)たちも様々で、道場によっては田舎から住み込みでやってきて頑張っている若者たちでいっぱいのガチなところもあれば、通いの青年たちもいる道場もあり、「クシティー」だけでなく、国際式のレスリングも同時にやっているところもある。

また数は多くないが女性を受け入れている道場もある。デリーのチャンダギー・ラーム・アカーラーは、そんな中のひとつで、娘を連れて見学に行ったことがある。当時小学生だった娘は自分と同年代から始まって成人まで、様々な年代の女性たちが黙々と取り組みを行っている様子に目を丸くしていたことを思い出す。

映画「Dangal」ではないが、こういうところから国際式に転向して五輪に出場したり、女子レスリングでも世界を舞台に活躍する選手たちを輩出している「クシティー」の世界。

伝統的なのは、土というか砂地というかのリングで、文字通り泥だらけになって闘う男たち、それを厳しい眼差しで見ている威厳のある親方。リングに対して緩衝地帯やロープなどの安全装置もなく、コンクリートの柱や壁のある升の中での取り組みで、「頭打ったらどうするのか?」とハラハラしながら見学したりする。

日本で言えば「相撲部屋」みたいな風情だが、小学生くらいの子供たちも練習に励んでいるアカーラーもあれば、各種スポンサーを得て「ガチ中のガチ」で、精鋭を集めて切磋琢磨しているアカーラーもある。こういう世界は、日本で今だに根強い「スポ根主義」と親和性が高いと思われるのだが、なぜかここにフォーカスを当てたドキュメンタリーなどは目にしたことがない。「ド根性インディア」とかなんとか題して、こういうところでガチで精進する若者たちのことを取り上げたら、けっこう評判になるのではないかと思うのだが。

ガチのアカーラーの住み込みペヘルワーン(レスラー)たちになると、ゴリラみたいな体格をしているが、彼らの食生活はヴェジ。もちろん乳製品はふんだんに提供されるとともに、エネルギー源としてナッツ類はこれまた大量に与えられるそうだ。

Youth of Varanasi do not like GYM | Kushti | Akhara | Varanasi Kushti (Youtube)

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