タイ・プレミアリーグ観戦
バンコクに来たからには、タイ・プレミアリーグを観戦したかった。タイNo.1クラブのブリラーム・ユナイテッドFC、あるいはバンコク郊外のノンタブリーを本拠地とするムアントン・ユナイテッドFCのゲームを観たかった。
どちらもAFCでは、Jから出場するチームに匹敵する結果を出すようになっており、代表レベルでは、日本に大きく水をあけられているものの、クラブチームベースでは、Jリーグのトップとタイ・プレミアリーグのトップの差は無くなってしまっているのが現状だ。
Jリーグで解雇された選手が、タイ・プレミアリーグで再挑戦する例は多いが、逆にタイで活躍した日本人選手が、Jリーグのクラブに呼び戻された例もある。
Jリーグは、試合の放映権のタイにおける販売を広げることを画策しており、そのためにリーグ傘下のクラブにタイの代表クラスの選手の獲得してもらうことを狙っているものの、そのレベルの選手の年俸は急騰しており、各クラブにおいても貴重な外国人枠を使うということもあり、なかなか実現に至っていない。
しかしながら、短い滞在なので、その日に行われているゲームに出かけるしかない。幸いなことに、この日には先述のブリラーム・ユナイテッドFC、ムアントン・ユナイテッドFCと並ぶ、タイの強豪御三家のひとつ、チョンブリーFCのゲームが、バンコクのタイ・アーミー・スポーツ・スタジアムで開催されることが判った。その名の示すとおり、陸軍が所有する競技場らしい。
チョンブリーの相手は、このスタジアムを本拠地とするアーミー・ユナイテッドFC。陸軍サッカー部を前身とするタイ最古の名門クラブだ。
ところで、タイでは「ユナイテッド」という名前が好まれているようで、タイ・プレミアリーグ1st ディヴィジョン18チームのうち、半数近くに「なんとかユナイテッド」という名前が付けられている。
優れたタレントを揃えた強豪御三家の一角、圧倒的なボールポゼッションと多彩な仕掛けで魅せてくれる前者と鋭いカウンターが持ち味の後者という、対照的なクラブの対戦で、なかなか面白かった。結果は2-0でチョンブリーの勝ち。出場しているのは、どれも私の知らない選手であるため、もっとよく楽しむためには、事前の予習が必要であった。
リーグでの成績は中くらいとはいえ、首都のクラブのゲームなので、それなりに観客の入りも良いのではないかと予想していたが、収容人数2万人という小ぶりなスタジアムがガラガラの状態で、いまひとつ盛り上がりには欠けていた。
それでも、タイ・プレミアリーグの雰囲気に触れることが出来たことで、それなりに満足した晩であった。