ああ栄冠は君に輝く♪

 インド系高校球児が甲子園に帰ってくる。昨年夏の全国高校野球選手権大会では二回戦で京都外大西高校に逆転負けした岡山県の関西高校が、エースに昇格したダース・ローマシュ・匡投手とともにセンバツ高校野球大会に出場する。
 昨秋の明治神宮野球大会では高校の部決勝まで進み駒大苫小牧高校と対戦したが、残念ながら5対0と完敗だった。190センチの長身から投げ下ろす速球を武器に甲子園での活躍と今後の成長が大いに期待される。インド人の父と日本人の母を持つ日印ハーフの高校球界注目株だ。
 今年のセンバツ高校野球は3月23日(日)に開幕する。
ダース・ローマシュ・匡投手

カリブ海のインド人はどこに行った?

 来年ドイツで開かれるサッカーのW杯に、カリブ海のインド(?)とも呼ばれるトリニダード・トバゴ共和国が初出場することになった。
 この国について、Wikipediaによれば、「インド系住民41%」とある。すると代表チームのメンバーの半分近くがインド系選手ではないのかと期待して、同国のサッカー協会代表選手紹介ページをクリックしてみたのだが、どうやらそうではないようだ。人口の半数近くを占めるはずのインド系出身選手のプレゼンスの薄さは謎である。
 1998年のフランスワールドカップの際、当時の日本代表同様に初出場だったジャマイカがそうであったように、周辺国や欧州等で活躍する有望な選手ながらも代表経験のない者(サッカーで代表経験のある選手は、国籍を変更しても他国で代表入りすることはできない)に国籍を与えるなどにより、出生時の国籍は違う選手がけっこう含まれていることもあるのかもしれない。他に何か理由があるのかもしれないが、それにしても不思議だ。
 本大会出場とはいえ、アジアでは「トリニダード・トバゴ代表」はまったく未知数の存在。果たして「カリブ海のインド人」はドイツW杯のピッチにやってくるのだろうか。

有明コロシアムのサーニャ・ミルザー

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 東京の有明コロシアムで開かれているテニスのAIGオープン6日目は女子準決勝。第2シードのN・バイディソバ(チェコ共和国)と対戦するのが第4シードのM・キリレンコ(ロシア)で、第3シードのT・ゴロバン(フランス)対第8シードのサーニャ・ミルザーという、全員10代の選手たち同士のカードとなった。
 攻撃的で強打を誇るサーニャとクールで落ち着いた試合運びのゴロバンという対照的な組み合わせが注目された。サーニャは自らの持ち味を発揮して、素晴らしい展開を見せてくれた時間帯もあり、なかなかの好ゲームではあったが、結局ストレート負けで敗退となったのは非常に残念である。
明日10月9日(日)に行なわれる決勝戦は、本日の準決勝もうひとつの試合でキリレンコを下したバイディソバがゴロバンと対戦することになる。
 ちょうど土曜日ということもあり、会場には日本在住のインド人ファンたちが多く詰めかけていたようだ。大会が開幕してから東京でもその強さをしっかりアピールしてきた彼女だ。今後は日本人たちの間でもサーニャ・ミルザー人気が急上昇するのは間違いないだろう。
強い。若い。かわいい。女子のスポーツ選手にこの3つが揃っていれば、スポーツマスコミはまず飛びつく(tennis365.net)
AIGオープン女子準決勝 ミルザ敗退。ゴロバンが決勝へ(tennis365.net)

日の丸サポーター インドへ

カルカッタ ソルトレイク・スタジアム
 成田からコルカタへ直行便で行く一泊三日(機内一泊)の旅。これはちょっと尋常ではない。長いこと飛行機の中に閉じ込められて、インドの大地にタッチしてあっという間にトンボ返り。インド好きにとっては首を傾げたくなるスケジュールだが、こんな大急ぎの旅にはワケがある。コルカタで9月8日に開かれるワールドカップのアジア地区一次予選のインド対日本の試合を観戦するための「日本サッカー協会オフィシャルツアー」なのだ。
 宿泊するホテルによるが、料金は9万9800円から11万9000円。現地に夕刻到着して一泊。翌日は試合を観戦してからそのまま空港へ行き、帰国便に乗るという相当ハードなものである。
 主催は大手旅行代理店H.I.S。飛行機はバンコク乗り換えではなく、このツアーのためにコルカタへの直行便が運行するということだ。キャリアは国営エア・インディアだが、この日は日本からの試合観戦者たちのために頑張ってくれる。
 インドの滞在は正味33時間。到着後ホテルで8時間ほど眠るとすると、ちゃんと意識があるのは25時間、おまけに歯磨きにひげそり、風呂や食事の時間も取らなくてはいけない。女性の場合、化粧という作業が加わるのだからさらに大変だ。自由になる時間は滞在時間の半分もない…という人だって出てくるかもしれない。
 このようなごく限られた時間内で、サッカー観戦をするのだ。ツアー参加の日本人サポーターたちにとって最大の敵は、日本代表を地元で一泡吹かせてやろうと試合に臨むインドのチームではなく、自分たちにふりかかる時間不足と疲労かもしれない。
 試合当日は会場ソルトレイク・スタジアムへ行く時間までは自由行動。希望者には市内半日観光もオプションで用意されている。
 半日観光の中身は、ジャイナ教寺院(入場)、カーリー寺院(下車)、ヴィクトリア記念堂(下車)、インド博物館(入場)、ガンジス河(下車)など。”下車”とは、車から降りて外観をボンヤリ眺めるということらしい。ちなみに参加料金は60ドルもかかるそうだ。

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インドがサッカーW杯で活躍する日

 2006年ドイツで開催されるW杯アジア一次予選・対日本戦で大敗してしまったインドだが、すでに水面下では、次の2010年本大会出場を目指して動き始めている。
 もちろん勝利への第一歩は、若手プレーヤーのレベル向上、未来へ希望をつなぐサッカー少年たちの育成だが、世界第2位の人口(若年者人口では世界一?)という圧倒的なスケールメリットを生かすために、競技人口の拡大が期待されるところ。 
 ヨーロッパの人口をみても、フランスは約6000万人、オランダは約1500万人、スウェーデンやデンマークなどは数百万人足らず、なおかつ高齢者の占める割合が高い。そのような国ぐにが、ワールドカップに繰り返し出場しているのだ。
 サッカー発祥の地イギリスの人口はおよそ5900万人だが、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドのサッカー協会はそれぞれ個別でFIFAに加盟している。おのずと「代表チーム」もその数だけ生まれ、力が分散してしまうにもかかわらず、押しも押されもせぬ欧州の強豪の一角を占めている。一体インドの人口はこれら国ぐにの何カ国分にあたるのだろうか。 
 大きな国が強いわけではない。娯楽、大衆文化として、国民にどれほど強く支持されているかが、「サッカー」というスポーツ文化を支える大きな柱となる。
 競技普及の背景には、気候、文化的背景、伝統、そのほか土地固有の要素が作用する部分は大きい。(ジャマイカのボブスレーみたいな例外はあるが)スリランカのような常夏の国でウィンタースポーツ選手を、サウジアラビアで女性競泳選手を見かける機会はまずない。エジプトに柔道選手はいても、相撲の世界に飛び込む人がいるとは思えない。
 インドにおけるサッカーはどうだろうか。クリケットに圧倒され、競技人口も人気も少ない。普及には地域的な偏りが大きく、全国規模の娯楽というにはほど遠いのが現実だ。
 マナーといい、プレースタイルといい、紳士的雰囲気が漂うクリケットと違い、フィールドを息つく間もなく駆け回るなんて上品じゃないというイメージがあるのかもしれないが、サッカー同様にハードな「ホッケー」も、インドの人気スポーツのひとつだ。
 また、酷暑期のこの国でサッカーなんて、想像しただけで目眩がしそうだが、アラビア半島やアフリカなど非常に暑い地域でも人びとはサッカーに興じている。
 マレーシアのプロサッカーリーグ=Mリーグで活躍するインド系選手やレフェリーは多く、インド文化がサッカー普及を阻んでいるということはあまりなさそう。要はキッカケだろうか? 

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