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カテゴリー: column

  • 富士通 Scan Snap iX500購入

    富士通 Scan Snap iX500購入

    先月、富士通 Scan Snap iX500と題して取り上げてみた新型のドキュメント・スキャナーを購入した。

    スキャナー単独で、Wi-Fi接続によりスマートフォンやタブレットへのデータ転送が可能となるという新機能が追加されているが、やはりスキャナーとしての基本性能の向上ぶりには目を見張るものがある。

    他メーカーからもいろいろ出ているドキュメント・スキャナーだが、読み取り画質や速度はともかく、メーカーやモデルにより大きく異なるのは、給紙性能のようだ。

    具体的には、用紙の重なりの検出であったり、読み込みトレイに積んである用紙の山の中から、1枚ごとに正確に引き離して読み込んでいく性能であったりする。

    Scan Snapの前モデルS1500は、その点で評判が良かったのだが、それでも紙質により重なりが続出して大変なことが少なくなかった。とりわけ、黄色がかるくらい古くなった紙、薄手の光沢紙は苦手のようで、数枚読み込むごとにエラーが発生するなど、まだ発展途上の製品という思いがしたものだ。とりわけインドの書籍の場合、やはりこれも紙質の問題なのか、古くなくても、光沢紙でなくてもトラブルが頻発する傾向が高かった。

    そんなわけで、11月末の発売間もなく購入したiX500。使用感は上々だ。読み込み速度は25%向上したとのことだが、体感では倍くらい速くなったかのように感じる。

    理由は、用紙読み込み時のエラーの発生がほとんど起きなくなったことにもよるだろう。前モデルでは不具合が頻発した古くなった紙、薄い光沢紙でも難なく、ただ黙々と読み込んでいく。もちろんインドの書籍も同様で、Scan Snapもようやく「インド対応」になったようだ。

    自宅の書籍をどんどん電子化していく、いわゆる「自炊」作業がどんどんはかどりそうで、大変期待している。

    Scan Snap iX500
  • インド入国の「2ヶ月ルール」廃止へ

    観光ヴィザでの出入国につき、一部の国籍保持者の場合を除き、現行の「2ヶ月ルール」が廃止されることになるという。

    ただしこれが施行されるのがいつからなのか、また入国審査の現場での混乱や官憲による意図的なトラブル(とりわけ陸路国境)も予想されることから、実施されてからもしばらくはその運用については少々注意が必要かもしれない。

    Government eases visa norms for tourists (The Times of India)

    現時点では、メディアを通じて方針が示されただけなので、この件に関する論評は控えることとする。

  • ボリウッドの大スターたちとペーシャーワル

    数々の有名な俳優、女優を輩出してきたカプール一族のルーツは、現在パーキスターンのペーシャーワルにあることは広く知られている。偶然にしてはあまりに偶然すぎることに、ペーシャーワルの街のキッサー・クワーニー地区の半径200mほどのエリアに、ディリープ・クマール、そしてシャー・ルク・カーンの父親の生家があったというから驚く。

    Bollywood’s Shah Rukh Khan, Dilip Kumar and the Peshawar club (BBC NEWS ASIA)

    もともと北西地域の商業・経済の中心地としてだけではなく、文化と芸術の核として栄えてきたペーシャーワルではあるが、やはりそういう土壌があってこそ、映画人の揺籃の地となったのではないだろうか。いまやイスラーム原理主義過激派が跋扈する街というネガティヴなイメージが定着してしまっているが、非常に保守的な地域にありながら、とりわけリベラルな気風で知られた土地であることを忘れてはならない。

    上記リンク先記事にあるように、カプール一族の先祖や伝説的な俳優ディリープ・クマールはともかく、シャー・ルク・カーンは今をときめくボリウッドを代表する映画人だ。彼が10代の頃に幾度か父の故郷を訪れていたこと、いとこのヌール・ジャハーンと息子で同名のシャー・ルク・カーンに関する逸話等々、非常に興味深いものがある。

    シャー・ルク・カーン自身も、やはり父方の親戚はすべて向こうに在住ということもあり、ペーシャーワルについては格別な思い入れがあるのではないかと思われる。それはともかく、言うまでもないがインド北部と現在のパーキスターンは、まさに血の繋がった身内であり、たとえ国が分かれても、その縁はどうにも否定できない。

    マドゥバラー、アムジャド・カーン、ヴィノード・カンナー、そしてアニル・カプールの父親で映画プロデューサーとして活躍したスリンダル・カプールもまた、ペーシャーワルの出身であるとは、この記事を目にするまで知らなかった。

    よく知られた映画スターでさえ、このようにペーシャーワルをルーツとする人たちが多いくらいだから、映画関係の技術職やその他周辺産業に関わる人々の中で、父祖が同地を故郷とする人は相当あるのではなかろうか、と私は想像している。

    記事内にあるように、インドを代表する映画人たちのルーツでありながらも、シャー・ルク・カーンの父親の実家近くにある映画館が二度ほど爆弾テロに遭ったことに象徴されるように、これを非イスラーム的であるとして敵視する過激派の活動により、映画という文化の存在さえ危うくなっている状況について胸が痛む。

    インドとパーキスターンというふたつの国に分かれて65年が経過しているが、その時間の経過とともに、その記憶と伝統は次第に風化していく。それがゆえに、私たちよりももっと前の世代のボリウッド映画ファンにとっては周知の事実であったことが、こうして改めてメディアで取り上げられると「そうだったのか!」とあちこちでツイートされ、Facebookでシェアされ、ブログ等で話題になる。

    1947年、イギリスからの独立の際にインドと分離したパーキスターン。元々は同じインドという地域でありながら、別々の国家として成立した両国は、今後永遠に「ひとつ屋根の下」で暮らす日は来ないだろう。それでも、水よりも濃い血の繋がりを否定することは誰にもできはしない。

  • インドで高速鉄道計画

    2017年までに、インド西部で最高時速200キロの高速鉄道を導入することが計画されている。

    Railways looks to run Delhi-Mumbai trains at 200 kmph (The Times of India)

    これにより、たとえばムンバイー・デリー間の列車移動にかかる時間が相当短縮されることになるらしい。プネー・ムンバイー・アーメダーバード間については、日本の新幹線システムを採用する方向にあるという点にも注目したい。

    インド、日本の新幹線システム採用軸に協議 両首脳合意 (asahi.com)

    現在のインドの「高速鉄道」といえば、ラージダーニー急行、シャターブディー急行といったところだが、どちらも最高速度は時速120キロ程度。ゆえに日本の新幹線システムや他国の高速鉄道技術の導入が計画されているわけだ。

    インドの場合、どの分野にあってもシステムとしては良いものであっても、現場のクオリティ・コントロールが粗雑であるがゆえ、いろいろと問題が生じているケースが多い。鉄道についてはどうだろうか?

    ときに、同じ線路の上を両方から走ってきた列車が正面衝突したり、古い橋梁が崩壊して車両が落下したりといった、信じられない惨事が起きたりするのもインドの鉄道。

    輸送の高速化はもちろんのこと、安全管理についても飛躍的な向上が見られることを願ってやまない。

  • Magzterでインドの雑誌を読む

    Magzterでインドの雑誌を読む

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    昨年からインドの雑誌類の購読がずいぶん楽になった。iPadやアンドロイドOS搭載のタブレットPC等で、販売されているものと同じ誌面を読むことができるMagzter社のサービスが開始されたのは、2011年6月のことだ。同社は、アメリカのニューヨークを拠点とするインド系の企業である。

    目下、私が年間購読しているのは、ニュース雑誌のIndia Today(ヒンディー版)と旅行マガジンのIndia Today travel Plus (英語版)のみだが、他誌で気になる内容のものがある場合には、その都度個別に購入している。とりわけ注目しているのはNortheast Todayという月刊誌。普段、地域外で扱われる機会が少ないインド北東地域のニュース専門誌だ。

    ただし、個別に購入するのに比べて、年間購読のほうがはるかに割安だ。たとえば週刊誌の場合は年間に10回購入、月刊誌の場合も5~6回購入した時点で、年間購読契約をしたほうが安くなる。なるべくそのようにしてもらうよう誘導しているのだろう。

    定期購読していない雑誌の個々の号について、プレビューできるページがいくつかあり、内容について多少の見当を付けることはできる。

    私自身は英語とヒンディーしか分らないが、ベンガーリー、マラーティー、タミルその他の各地方語誌の取り扱いもいろいろある。また、ごく一部近隣国の雑誌も購買・購読することができる。雑誌の分野も、ニュース、ファッション、教育、映画、自動車、写真、音楽、スポーツ、IT等々多岐に渡っている。私には縁がないが女性誌の扱いも多い。

    電子書籍として、利用している端末に自動的にダウンロードされることになるのだが、印刷や輸送の手間がかからないためだろう、前述のIndia Todayの場合、本来の発行日の前々日夕方には手元に届いてしまうため、紙媒体で読んでいる人たちよりも一足早く記事を目にすることができるというメリットもある。

    同じアカウントでログインしていれば、異なる端末(タブレットPCやスマートフォン)でも購入した雑誌を共有できるし、同じくパソコンからの閲覧もできる。紙媒体であれば、まさにそれを手にしていないと読むことができないが、これならばいつでもどこでも記事にアクセスすることが可能。また、一度端末にダウンロードされた誌面はそのまま本体に保存されるため、オフライン状態でも普通に読むことができることは言うまでもない。

    ただ、同社のサービスで少々気になる部分もある。一部ずつ購入する分には問題ないが、定期購読契約をする場合のことだ。支払い手続きはiTunesあるいはGoogleのアカウントからなされるため、とても簡単である反面、解約はMagzterのアプリ上で行なうのだが、やりかたが少々判りにくい。加えて、自分から解約手続きをしないと自動更新になってしまうし、その更新月についても、Magzter社側から連絡が届くわけでもないため、そのあたりについては留意が必要だ。やはり、そのあたりはインドの会社なので(?)気を抜けない。

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  • 製造・販売実績64年! ヴィンテージ・バイク 「ロイヤル・エンフィールド」

    製造・販売実績64年! ヴィンテージ・バイク 「ロイヤル・エンフィールド」

    製造・販売実績64年 !! Royal Enfield Bullet 350

    ひょんなことから、ロイヤル・エンフィールドのバイクが日本でも販売されていることに気がついた。古典的なブリティッシュ・バイクのメーカーで、元々はイギリスのロイヤル・エンフィールド社が生産していた正真正銘の「ブリティッシュ・バイク」であったのだが、1970年にイギリス本国のロイヤル・エンフィールド社が倒産し、国外での生産拠点であったインドの法人は生き残ったため、現在でも生産が続けられている。

    目下生産されているどのモデルもヴィンテージなスタイルが保たれているが、特筆すべきはBullet 350というモデルである。英国での生産は1948年開始(1960年に終了)で、インドにおいては、1955年から現在まで製造されているという超ロングセラーだ。インドにおいて55年間、イギリスでの製造開始時期から数えると64年間も造り続けられているのだから驚きだ。

    現在、道路を走っているバイクの中で最も設計時期が古いクラシック・バイクだが、それでいて「新品で購入できる」という非常に希なモデルということになる。

    インドでは、正直なところ、このバイクは若者たちの間で人気はほとんどない。彼にとって何ら珍しいものではなく、父親かそれより年上の世代の人々が乗っていた古臭い乗り物というイメージしかないのは仕方のないことだろう。

    世界中から引き合いがあるロイヤル・エンフィールドだが、これを目当てに西欧等からインドにやってくる人々もある。「このバイクを乗り回すためにインドに来た。半年くらいツーリング楽しんでから売り払って帰るよ。」という人もいるし、ヒマラヤ地方でロイヤル・エンフィールドに乗ることをウリにするバイク・ツーリングのツアーに参加する人たちもある。中には、インドでこのバイクを購入して、一路西へと走り続ける人もいたりする。

    「パキスタン、イランを経てトルコへ。そこからさらに陸路でチューリッヒまで帰ります」なんて言うスイスから来た男性に会ったことがある。もちろんバイクを購入するだけでなく、まとまった距離(ちょっと気が遠くなるほどだが・・・)を走破してみたかったのだろう。

    このバイクが走行する様子を、Youtubeで閲覧していただきたい。クラシックな装いはもちろんのこと、単気筒エンジンのサウンドも素敵だ。まさに大人のバイク。

    Enfiled Bullet 350 Review (Youtube)

    ロイヤル・エンフィールドは、今年3月の東京モーターサイクルショーに出展しており、日本では年間販売300台を目指すというが、まだまだ超レアなバイクとして注目度満点だ。上記リンク先の記事内で、「インドで若者の間で人気が高く・・」というのは明らかに誤りで、「腹の出た年配者が乗るバイク」「オジサンの乗り物」と記述するのが正しいが、日本市場における営業面での配慮から、こうした表現になったのだろう。

    伝統あるBullet 350は当然魅力的だが、個人的にはミリタリー風に仕立てられたClassic Military 500 EFIに大変惹かれる。まるで、映画「大脱走」でスティーヴ・マックイーンが駆っていたバイク(実はこのバイクもロイヤル・エンフィールド!)を再現したかのようである。

    ロイヤル・エンフィールドを乗りまわす人たちによるロイヤルエンフィールド友の会Royal Enfield Owners Club of Japan、といったサークルもあり、かなりコアなファンや熱烈な愛好家たちの存在がうかがえる。

    最後に、インド最北部のラダック地方の海抜3,000~4,000m級の高地をロイヤル・エンフィールドで駆け回る西欧人たちの映像をご覧いただきたい。

    Ladakh Himalaya Ride by Royal Enfield, India.mpeg (Youtube)

    古い時代のバイクなので、オフロードやコンディションの良くない場所での走行が快適とは思えないが、それでも臆することなく、ワイルドにガンガン乗りこなせてしまうのは、現在でも生産されているのでパーツの供給はふんだんにあること、そして何よりも他のヴィンテージ・バイク(とうの昔に生産が終了しているもの)と違い、車両価格が安い「実用車」ということもある。ロイヤル・エンフィールドの販売価格については、こちらをご参照いただきたい。(価格はインド・ルピー表示。1ルピー=約1.5円)

    しかしながら、日本でのロイヤル・エンフィールドの販売価格は大きく異なることについてはご注意願いたい。

  • 死刑執行 生け捕りされたテロリスト

    本日、2012年11月21日、アジマル・カサーブが処刑された。2008年11月26日に発生した未曾有の大規模テロの実行犯の中で唯一生け捕りにされた人物だ。刑が執行されたマハーラーシュトラ州のプネー市の刑務所敷地内に埋葬されたという。

    仲間10名とともに、乗っ取ったインドの漁船でムンバイーに上陸し、ムンバイーCST駅、タージマハル・ホテル、トライデント・ホテル、ユダヤ教施設のナリーマン・ハウスその他を攻撃した。この事件により、170人を越える死者と240名の負傷者を出すことになった。

    アジマル自身は、仲間1名とともにムンバイーCST駅で銃の乱射して多数の死傷者を出した後に、そこから少し離れたカーマ病院襲撃の後に警官たちによって取り押さえられている。

    事件の全貌が明らかになったのは、当然のことながらアジマルが生きたまま捕らえられたことによるものが大きい。

    26/11 villain Ajmal Kasab hanged, had asked authorities to inform his mother (Hindustan Times)

    カサーブ自身の生い立ちと事件に至るまでの経過については、こういう本(Kasab: The Face of 26/11)がある。パーキスターンのテロ組織によるリクルートや訓練等に関する記述もあり、なかなか読み応えのある一冊なので、この事件について多少なりともご関心があれば、ぜひお勧めしたい。

    個人的には、死刑という制度の存在に賛同できないが、アジマルという人物に限っては、これを執行しなくてはならないだろうと、常々考えていた。本日の処刑に至るまで、様々な政治的な動きが背景にあり、それがゆえにあれほどの大事件を起こしながらも逮捕後4年近く彼は生きていたのだが、まかり間違えば減刑という結果にもなりかねないところであった。決して人の死を喜ぶわけではないが、あれほどの悲劇を生み、少なくとも報道されていた中では反省の色ひとつない人物が生きながらえてよいはずがない。

    だが同時に思うのは、身体的にはまったく健康で、元気な25歳の若者が、なぜ敢えて自らの死に繋がる道を歩むことになったのかということだ。テロ実施に至るまでの時間の中で、中途で引き返す機会は幾度もあったはず。実際、彼と同時期にテロ組織に加わった中での脱落者は少なくなかったようだし、時たま与えられる帰省のための休暇から、組織に戻らなかった者もあったようだ。訓練地に出向く中で逃亡した者もあれば、母国パーキスターンを後にして、戻らぬ旅に出航したカラーチー近郊へ向かう列車で途中下車して姿をくらませた者もあったという。

    カサーブを処刑したからといって世の中が変わるわけでもない。彼を送り出したテロ組織はパーキスターンで、相変わらず活動しているし、そうした若者たちのリクルートが可能で、組織の活動を容認する土壌にも何ら変化がない。

    インドにしてみても、同様のテロ計画があったところで、それを防ぐ手立てがあるとはいえず、この類の攻撃を受ける理由が解消したわけでもない。

    アジマルの処刑は、4年前のあの事件にひとつの区切りを付けるための象徴的な出来事にはなるだろう。だが、同様の事件が、いつどこで起きても不思議ではないということに、大きなジレンマがある。

  • 肉食は危ない ? !

    「肉を食べると嘘つきになり、約束を守らない不正直者となり、窃盗や性犯罪を犯すことになる」などと言われたらビックリするだろう。

    Meat makes you immoral, says textbook (THE HINDU)

    India textbook says meat-eaters lie and commit sex crimes (BBC NEWS INDIA)

    インドの小学校の保健の授業で使用されるテキストにそんな記述があるということで話題になっている。

    どの教科書を採用するかについては、各学校の裁量によるものであるとのことなので、この内容の教科書がすべての小学校で使用されているわけではないようだが、この図書を発行しているS. CHAND社は国内最大級の教科書会社なので、その影響は決して小さくないだろう。

    また「肉食=不道徳で犯罪につながる」という記述は、インド社会に馴染みのない国々では奇異なものに聞こえることから、こんな風に扱われたりすることは想像に難くない。

    Textbook: Meat Eaters Steal, Fight, Commit Sex Crimes (TYT NETWORK)

    確かに今でも保守的なヒンドゥーの年配者には、「酒を飲むようになると、タバコも吸うようになるし、肉を食べてみるようになる。すると女や賭博にも手を出すようになってしまう・・・」などという物言いをする人は少なくないので、厳格なヒンドゥーのモラル上においては、確かにその教科書に書かれているとされる内容は誤りではないということになるだろう。たとえそれが科学的には何の裏付けもないものであるとしても。

    経済や社会のグローバル化とともに、伝統的なモラルや価値観が失われつつある今の時代に警鐘を鳴らしていると好意的に捉えることも可能かもしれないし、中央政界で与党への返り咲きを目論むサフラン勢力の差し金ということもあるかもしれない。

    ただし、こうした記述で問題なのは、科学的な根拠の有無という点よりも、菜食を美徳と尊ぶ文化以外のコミュニティへの配慮がまったく無いことだろう。祝祭時に家畜を屠り、盛大に祝うムスリムその他の肉食文化の全面的な否定であり、多文化・多民族が共生するインドにおいて、コミュニティ間の不協和を増長するだけである。マジョリティの文化の唯我独尊的な美化と子供たちへの刷り込みは、どうもいただけない。

  • シヴ・セーナー創設者 バール・タークレー死去

    シヴ・セーナー創設者 バール・タークレー死去

    バール・タークレー 享年86歳

    マラーティー至上主義を掲げる政党シヴ・セーナーを創設したバール・タークレーが亡くなった。享年86歳。

    南インド系、グジャラーティー、北インド系等々、商都ムンバイーを中心とするマハーラーシュトラ州内の様々な分野で生業を営む人々を攻撃してきたシヴ・セーナーについて、偏狭なナショナリズムと捉える向きも少なくないが、そうした「マハーラーシュトラ州を蚕食する外来の人々」への不満を抱く一定の層の人々の気持ちを代弁してきたとも言える。

    右もあれば左もあり、どちらも単純に右翼、左翼と割り切れるものではなく、中身は様々であるのは、多民族・多文化国家インドが世界最大の民主主義国家であることの証でもある。

    90年代には、シヴ・セーナーがマハーラーシュトラ州政権を担ったこともある。「ボンベイをムンバイーへ」改名したのはこの時期のことだ。もちろん彼らの「仕業」ないしは「業績」である。

    このところバール・タークレーの健康状態がかなり危険な状態にあるとの報道がなされていた。また同党の実権が息子のウッダヴ・タークレーに移譲される際に生じたお家騒動の中で、ウッダヴの従兄弟であり、バール・タークレーの甥でもありながら、シヴ・セーナーを離脱して自身の政党、MNS(マハーラーシュトラ再建党)を組織したラージ・タークレーが足繁く「本家」に足を向けるようになったことについても、バール・タークレーの最期が迫っているのか、あるいは本家との和解が進行中か?といった調子で、様々な憶測がなされていたところだ。

    シヴ・セーナーの実権は、2004年以降、バール・タークレーの息子のウッダヴに任されているとはいえ、先代のカリスマ性には遠く及ばず、年老いた父親による「院政」が続いていたとしては言い過ぎかもしれないが、近年は衰弱したバール・タークレーが政治集会に顔を見せることはほとんどなかったとはいえ、録音したスピーチが流されるのが常であったとのこと。やはりウッダヴの魅力に欠けるものが多いことは否定できない。現在52歳のウッダヴは健康面での問題を抱えており、メディアに登場する彼の姿は憔悴しきっているように見える。

    それとは反対に輝きを放っているのは、古巣を飛び出して組織したMNSを率いるラージ・タークレーだ。シヴ・セーナーとMNSの思想やスタンスに根本的な違いはなく、文字通り本家と分家である。

    メディアによるインタビューへの応対の受け答えもシャープで、才気煥発といった印象を与えるとともに、声色も伯父のバール・タークレーを彷彿させるラージと、年齢50代前半にして衰えたイメージのウッダヴと、どちらにより大きな魅力を感じるかということについては疑問の余地はない。後ろ盾であったバール・タークレーを失ったウッダヴとは裏腹に、ラージにとっては本家のお株を奪う好機到来だ。

    ラージ・タークレーについては、これまで幾度も言及しているが、昨年8月にもラージ・タークレー ヒンディーで答える1ならびにラージ・タークレー ヒンディーで答える2で取り上げている。

    国政を左右する人物ではないが、インドにおける地域主義・民族主義を考えるうえで非常に重要な役割を担う政治家だ。「マラーティー主義」の本流を担うのは、ウッダヴとラージのどちらになるのか、今後目が離せない。

  • 富士通 Scan Snap iX500

    富士通 Scan Snap iX500

    2年以上前に、「ドキュメント・スキャナー」と題して、書類スキャナーのベストセラー、富士通のScan Snap S1500を取り上げてみたことがある。

    このスキャナーのおかげで、自室にかなりスペースを確保することができた。それでもまだまだ書籍類がいろいろあるので、ある程度まとまった時間ができると、これらをS1500でドカドカ読み込んではPDF化する作業を進めている。簡単に言えば、背表紙を切り離した書籍を読み込み台に挿入すれば、自動的に次々読み込んでいってくれる。1分間あたり40ページくらいのスピードなので、単行本一冊を電子化するのはごく簡単だ。

    スキャナーとしては、他社の類似製品をまったく寄せ付けない非常に高い評判を得ているS1500ではあるが、決して弱点がないわけではない。紙が変色するくらい古くなっていたり、表面が粗い感じの手触りがする用紙を使用している場合、数ページ読み込むごとに紙詰まりや用紙の重なりが多発することは珍しくなく、そうした書籍のスキャニングには往生したことがよくある。特にインドで発行された書籍の場合、こういうトラブルが発生する確率は高い。

    重ねた紙を一枚一枚剥離させて吸い込んでいく給紙機構の部分は消耗品なので、一定の枚数(部品によって5万枚だったり、10万枚だったりする)で寿命となるため。これらを交換すれば再び快適に動作するはずなのだが、やはり苦手とするタイプの用紙の際にはいろいろと不具合が起きた。そうでなくとも、普通に調子良く読み込みがなされていく中で、なぜか特定のページだけは、まるでその紙に呪いでもかかっているかのように何度繰り返しても重なってしまうということもときどきあるのはなぜだろう?

    このたび発表されたScan Snapの新モデル、iX500は、読込速度が25%高速化し、しかもパソコン無しでそのままタブレットPCやスマートフォンに転送できる機能も搭載されているとのことだ。デジタル製品の性能はそのように飛躍的に進化するものだが、個人的により注目しているのは、給紙機構が一新されたことだ。これにより、読み込み時の重なりや紙詰まりが低減されていることを期待したい。

    発売は11月末。給紙の正確性が明らかに向上していることが確認でき次第、購入する予定。

    Scan Snap iX500

     

  • PENTAX Q10

    PENTAX Q10

    PENTAX Q10

    やはり物欲には限りがない。目下、とても気になっているカメラがある。昨年夏に発売されたPENTAX Qにはあまり興味が沸かなかったが、その後継機Q10にはちょっとしたトキメキを感じてしまうのだ。

    「世界最軽量クラス」デジタル一眼 (最軽量は前モデルのQであるらしい) を謳っているが、センサーは1/2.3型と、言うまでもなくコンパクトデジカメのサイズであるため、「レンズ交換して遊べる高機能コンパクトデジカメ」と捉えるのが正しいだろう。もちろん私自身が関心を抱いているのも、まさにそれが理由。

    前モデルのQに魅力をあまり感じなかったのは、やたらと大風呂敷に「デジタル一眼」を吹聴していたところ。新モデルは、レンズ交換できる高機能なコンバクトデジカメといった感じだ。フォルムが多少カッコ良くなったことを除き、機能やスペック的には、ただ1年分進化した程度。とりわけ目立って革新された部分があるわけではないようだが、こうした趣味のモノは、まさに「見せ方」が大変重要であることがよくわかる。

    レンズのラインナップはこんな具合だ。単焦点でF1.9標準レンズ(35mm判換算47mm相当)を常用し、必要に応じて標準ズームと望遠ズームを使い分けるというとになるが、「ユニークレンズシリーズ」として、あと3本のレンズも用意されている。魚眼、トイレンズ広角、トイレンズ望遠といった具合だが、従来のコンパクトデジカメで「魚眼」の画角を持つものはないので、まさに唯一無二の魅力となる。

    従前からのペンタックス一眼のユーザーならば、更に使い方には奥行きが加わる。Kマウント用アダプターを介して、こういう荒業も出来てしまうからだ。文字通り、ペンタックス一眼のサブカメラとして使うことが出来るわけで、仮に私がペンタックス一眼のユーザーであったならば、即購入!という流れになったことと思う。

    それはさておき、コンパクトデジカメを常時携帯しているのは、やはり日常の風景を切り取ることの喜びにあるわけだが、「身に着ける」ものであるがゆえに、その外観なり風合いなりに、何がしかのこだわりが生じるのは衣類と同じだ。

    このモデルにはいろいろなカラーリングが用意されているのが楽しい。これだけでつい購入!ということになってしまいそうだ。カメラボディの色合いについては、100通りのパターンが用意されているとのことで、こちらでいろいろと試してみることができる。阪神タイガース仕様みたいなものも可能だが、個人的には、このカラーリングで購入してしまいそうなムード。目下、懐具合が寂しいので、正直なところ大変困っている。

  • ヒマラヤのミステリー 中国の偵察装置かUFOか?

    India  Todayの記事によると、このところJ&K州のラダック地域とアルナーチャル・プラデーシュ州で、UFOが盛んに出現しているとのこと。

    UFO sightings in Ladakh spook soldiers (India Today)

    ラダック地域では、パンゴン湖周辺で、今年8月1日から10月15日までの間に100件以上の「不審光輝物体」を確認したインド・チベット国境警備隊(ITBP)から、同警備隊のデリーの本部と首相官邸に伝えられているとのことで、出元の怪しいものではないようだ。

    これがインド中部のデカン高原あたりであれば、「宇宙からの飛来物か?」といった具合になるのかもしれないが、中印紛争、中国からの援助を受けるパーキスターンとの対立等々もあり、対中不信感が根強いインドにあって、とりわけ係争地域を抱えるラダック、中国が自国領であると主張しているアルナーチャル・プラデーシュに不審な飛行物が出没するとなると、当然「中国の偵察装置か?」という反応となる。

    上記リンク先記事にあるとおり、インド軍は中国の無人偵察機による侵犯を、今年の1月から8月までの間で、ラダック地域では62件、アルナーチャル・プラデーシュでは37件確認している。

    同記事中には、2004年にインド宇宙研究機関(ISRO)のクルカルニ博士率いる地理調査団が、J&K州ラダック地域の南側のヒマーチャル・プラデーシュ州のラーホール・スピティ地域で、ロボットのような未確認物体を撮影したという記述もある。

    私たち日本人の感覚だと中国にそんな高い技術があるのか?ということになるが、インドから見た中国は経済力も軍事力も格上の相手で、これまでも痛い経験をしていることもあって、その潜在力をどうしても過大評価するきらいがある。

    対中不信の原因は中国自身のインドに対する行ないによる歴史的な経緯による部分が多いことはもちろんではあるものの、インド側によるこうした反応、とりわけ大手メディアによるおおげさな報道が、結果的に「反中プロパガンダ」として機能することになる。

    中国とは正反対に、思想や報道の自由が先進国並み確立にされており、自他ともに認める「世界最大の民主主義国」インドにあっても、イギリスからの分離独立以来の不倶戴天の敵パーキスターンとその友好国の中国に対する意識はいつも猜疑心に満ちている。

    その猜疑心を世代を超えて継いでいく片棒を担っているのはマスメディアという側面は否定できない。「知る自由」「報道の自由」があっても、これが報道機関によって商業的に利用されることから、国民が本当に中立公正な情報を得ていることが保障されるとは限らない。

    上記記事中の不審光輝物体やUFOについては、中国との国境地域であることから、こうした懸念が生じるのはやむを得ないものの、インドにおいてとかく中国関連の報道は疑いに満ちたニュアンスで伝えられるものが多く、結果的に長い国境を接する隣国である中国への理解と融和を妨げているように思われてならない。