パッケージツアー「ナガランド」

 世の中には、さまざまな旅行代理店が企画したいろいろなパッケージツアーがあるものだが、日本のそうした旅行会社から「ナガランド」行きのものも出ているとは知らなかった。
 なんでも「州都コヒマからトフェマ、モコクチュン、モンへと北上し、ナガ丘陵に暮らす様々な部族の村を訪れる」とあり、このツアーは「年に一度のアンガミ族の祭り・セクレニ祭」のタイミングに合わせたものであるとも、広告のウェブサイトに記載されている。来年2月下旬から3月始めにかけてのツアーで、いくつもの村々を訪れて風物を楽しむのだという。
 立ち入りが制限されており、入域許可を得るにも条件等のため、なかなか訪れることができない地域であるし、ましてや時間のない人にはそれらの手続きや交通の便の関係からもハードルが高くなる。そのためこうしたものを利用するのも悪くないと思う。
 しかし参加料金は約40万円と高額であるため、利用できる人は非常に限られてしまうのは残念である。私自身、とても手が届かない。
 行程一覧を眺めてみると、ちょうどタイあたりの山岳少数民族の村々を訪れるツアーのイメージと重なるものがある。やがて地域の情勢が今よりもさらに安定に向かい、この地域が広く外国人旅行者に開放される日もそう遠くないのかもしれない。そうなれば、官民挙げて発展を目指すのはやはり観光であろうことから、この地域行く末が見渡せるような気がしないでもない。
 ある人はそれを地域振興と呼び、またある人はそれを観光公害と表現するのかもしれない。地域のありかたは、基本的にはそこに暮らす人々が決めることとはいえ、外部からの投資家やデベロッパーのような人たちに牛耳られてしまうなんてことも往々にしてあるのだろう。これについて私自身は何とも言えないが、派手に観光化する前に訪れてみたい気もするし、そうした地域の変遷を何年おきかで定点観測してみるのも、なかなか興味深いことではないだろうかと考えている。
 期間限定の一度限り、そして人数12人までと記載されているため、とっくに募集は終わっているのかもしれない。しかしこのツアーに興味を引かれて参加するのはどういう方々なのか、という点でもちょっと関心のあるところだ。

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