日の丸サポーター インドへ

カルカッタ ソルトレイク・スタジアム
 成田からコルカタへ直行便で行く一泊三日(機内一泊)の旅。これはちょっと尋常ではない。長いこと飛行機の中に閉じ込められて、インドの大地にタッチしてあっという間にトンボ返り。インド好きにとっては首を傾げたくなるスケジュールだが、こんな大急ぎの旅にはワケがある。コルカタで9月8日に開かれるワールドカップのアジア地区一次予選のインド対日本の試合を観戦するための「日本サッカー協会オフィシャルツアー」なのだ。
 宿泊するホテルによるが、料金は9万9800円から11万9000円。現地に夕刻到着して一泊。翌日は試合を観戦してからそのまま空港へ行き、帰国便に乗るという相当ハードなものである。
 主催は大手旅行代理店H.I.S。飛行機はバンコク乗り換えではなく、このツアーのためにコルカタへの直行便が運行するということだ。キャリアは国営エア・インディアだが、この日は日本からの試合観戦者たちのために頑張ってくれる。
 インドの滞在は正味33時間。到着後ホテルで8時間ほど眠るとすると、ちゃんと意識があるのは25時間、おまけに歯磨きにひげそり、風呂や食事の時間も取らなくてはいけない。女性の場合、化粧という作業が加わるのだからさらに大変だ。自由になる時間は滞在時間の半分もない…という人だって出てくるかもしれない。
 このようなごく限られた時間内で、サッカー観戦をするのだ。ツアー参加の日本人サポーターたちにとって最大の敵は、日本代表を地元で一泡吹かせてやろうと試合に臨むインドのチームではなく、自分たちにふりかかる時間不足と疲労かもしれない。
 試合当日は会場ソルトレイク・スタジアムへ行く時間までは自由行動。希望者には市内半日観光もオプションで用意されている。
 半日観光の中身は、ジャイナ教寺院(入場)、カーリー寺院(下車)、ヴィクトリア記念堂(下車)、インド博物館(入場)、ガンジス河(下車)など。”下車”とは、車から降りて外観をボンヤリ眺めるということらしい。ちなみに参加料金は60ドルもかかるそうだ。


 試合終了後、そのまま飛行機で日本帰国…というのは少々残念である。本来ならばスタジアムで大いに盛り上がった後、宿に戻ってみんなで祝杯を上げ、ガンガン飲みまくり、前後不覚で爆睡…というのが応援団たるものの王道のはず。それこそ、ツアーという特殊な環境下、初対面同士の人たちが打ち解けあう、唯一にして最良の方法ではないか。
 しかし試合当日に飛行機を飛ばした場合、飛行機が遅れて試合に間に合わないという最悪の事態を招きかねない。前日に飛び、半日の余裕を持たせておくというのは、不本意ながらも賢明な策であることは間違いない。
 だが、万事安心してはいけない。なにかしら思いもかけないことが起きて、いつも私たちを「慢心」から解き放ってくれるのがインドだ。飛行機のトラブルで出発が遅れてしまい、日付が変わってからインドに到着、「結局、機中二泊のツアーだった」なんて、ありえないとはいいきれない。
 試合の内容については、あまり緊迫したものにはならないと思うが、インドにとってはホームゲームだけに、かなり良い場面も見られるのではないかと期待している。
 今年6月に埼玉で行われた試合の際、インド代表のスターティングメンバーのほぼ半分がコルカタを本拠地とするインドのトップクラブ「イーストベンガル」のメンバーであった。
 インド代表のエースストライカーにして同クラブのスタープレーヤー、ブーティヤー選手も地元ファンたちの前で張り切ってプレーしてくれることだろう。
 私はテレビ観戦することにしているが、このツアーに参加される方々、地元在住で試合を観戦される在留邦人の方々があれば、ぜひお話をうかがいたいものだ。

「日の丸サポーター インドへ」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください