ヒンドゥーの神様をあしらった下着やトイレの便座カバーを欧米のデザイナーが制作。その一部がインドでも発売、ヒンドゥー宗教団体による抗議活動が起きているという。こんな商品が、自分たちの市場に出回るとなると、インドの一般的な人びとは決して快く思わないことだろう。
外国人にとってはエキゾチックで、ときにクールな「デザイン」に見えても、それを信仰する人たちにとっては冒涜以外の何ものでもない。表現の自由はあっても、さまざまな文化や人種からなるこの世の中。自分たちとは違った価値観を尊重することは大切だ。
多くの国ぐにで、人びとの信仰と倫理・価値観は切り離すことができない。「無宗教だ」と言う人も、長年受け継がれてきた文化や思想背景からなる道徳、生活習慣や年中行事から無縁でいることはできないのだから、やはり神は存在するということになるのかもしれない。
宗教の名のもとに、一律の価値観を人々に押し付けたり、行動が制限したりするべきではないが、同時に個々の信仰を否定あるいは侮辱するようなこともあってはならない。
インドに限ったことではないが、宗教にはしばしば政治の影が色濃く見え隠れする。聖と世俗の境はあってないようなものなのかも。この世は実にややこしい。
▼下着に神様 VHP(世界ヒンドゥー協会)が抗議
▼ビキニのなかで微笑むヴィシュヌ!?
▼Vishva Hindu Parishad公式サイト