時刻表から眺めるAirIndia

Air India Time Table / November 1, 1959 / by TimeTableImage.com
 世の中には切手やコイン収集など様ざまなコレクターがいるものだが、なんと航空会社の時刻表を収集している人たちもいて、世界各国の航空会社の古い時刻表等のイメージがアップされているウェブサイト「TimeTableImage.com」まである。
 もちろん、長い歴史を持つエア・インディアの時刻表も載っている。
 英領時代にスタートしたタタ・エアラインス(エア・インディアの前身)。1938年の飛行ルートは、本拠地であるボンベイを中心に西北と南に偏っている。まだ東部へのサービスは始まっておらず、カルカッタへは「就航予定」。ボンベイ―カルカッタ間(ナーグプル経由)のフライトがはじまるのは、さらに7年後の1945年である。
 当時の空路は、デリー、マドラス、コロンボといった英領の大都市とともに、グワリヤル、ボーパール、ハイデラバードといった有力な藩王国、ポルトガル領のゴアなどをむすんでいる。ボンベイからアーメダバード経由でカラチに行く途中で、ほかの寄港地と比べ商業的に重要とは思えないブジ(ここも旧藩王国)にストップするのはちょっと興味深い。
 独立直前の1947年6月のタイムテーブルでは、ボンベイーカラチ便の経由地からブジが抜け落ちている。ふた月後には別の国になってしまう両都市を、乗客たちはどんな想いで行き来したのだろうか。
 おなじみターバンを巻いたおじさんのマスコットは、ユーモラスだけど、やたらと古臭い感じがするな…と思っていたが、1948年のエア・インディア・インターナショナル(現在のエア・インディア)の時刻表で、すでに使われているのだから、やっぱり相当年季が入っていることになる。
 ここには2000年のものまで、時代を追って時刻表の表紙が掲載されているが、どれもカラフルでインドらしい図柄が使用されていて面白い。
 時刻表のカバーひとつとっても、インディアン・エアラインスのほうはどうも素っ気ない。同じインドの政府系企業でもずいぶんカラーが違うものだ。
 創業間もないころ、インドの空の旅の機内はどんな様子だったのだろうか。「むかし利用したことがある」という方があれば、ぜひお話をうかがいたい。

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