「バジャージ」に強力なライバル出現!?

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 以前、日本上陸したバジャージ社のオート三輪について書いたが、非常に強力なライバルが存在した。メタリックでカラフルなボディ、耳に心地よいくらいシャープに吹け上がるエンジンを持つ、タイの「トゥクトゥク」だ。
 バジャージのオート三輪は、発売元のタケオカ自動車工芸で、「ジュータ」と名づけられた。この会社では、後部が荷台となっている三輪ピックアップしか販売していないが、トゥクトゥクを扱う株式会社ニューズでは、通常の後部客席付きモデルに加え、トラックタイプ、アルミバン、保冷車にダンプ(ちゃんと荷台が持ち上がる)等々、実にバリエーションが豊か。しかも車両の前後左右につけるクロームメッキのロールバーや特別塗装などのオプションもある。
 バジャージの174ccという非力なエンジンに対して、トゥクトゥクは659ccのダイハツ製エンジンを搭載。圧倒的なパワーの差がある。足回りだって後者のほうがはるかに近代的だし、洒落ていてカッコいい。
 さらには「4ドア・エアコン付き」なんていう豪華版まであるのには驚かされ、購買意欲をいやがうえにも刺激されてしまう。これは欲しい!
 業者いわく「車両法上は二輪車扱いなので車庫証明不要」とのこと。しかし「高速道路でもヘルメット不要で、シートベルトを着用する義務もありません」とメリットだかリスクだかわからないことも自慢していた。
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 価格を比較すると、バジャージが62万5千円であるのに対して、トゥクトゥクはスタンダードモデルで120万円、フルオプションモデルだと140万円もする。加えてこちらは車検も必要になり、異なる価格帯であることから直接競合することはないのかも。
 外国製のこんな車両を専門に扱う業者がいるところを見ると、いまの日本でオート三輪の需要は、ニッチながらも意外とあるように思える。


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 また、この業者は、「バンコクタクシーキット」という、日産自動車のワゴンをバンコク市内を走るタクシーそのままに仕上げてしまうセット一式も販売している。その中にはちゃんと作動する「初乗り35バーツ」のメーターも含まれ、ドアへのタイ語スプレー文字入れにも対応しているというから泣かされる。バンコク市バスで車掌さんがカタカタ鳴らしながら集金にやってくる金属製の茶筒みたいなものを「バスのシャカシャカ」として販売しているほどマニアックな会社である。
 これは困った。どうもバジャージにとって分が悪すぎる。ここはひとつ奮起して、黄色とグリーンのツートンカラーに塗り分けられた首都デリー版オートリクシャーのデザインに、CNGのマークでも入れて、運転席には神像と簡単な祭壇を装備できるオプションを付けるか。あるいは黄色と黒のボディに無骨で巨大な金属メーターのクラシックモデル、ゴアなどの多雨地域で使われている後部座席にドアが付いているモデルを投入するしかない。
 ……大興奮して「どれを買おうか?」とマジメに検討してみたが、ふと我にかえってみるとバジャージ発売の知らせを目にしたときと同様、クルマどころかスクーターさえも持たずに特に不便を感じていない私が、よりによって「外国製オート三輪を購入」ということはまず無いようにも思える。
 カタログを手にして腕組み、いろいろ想像して楽しんでいるだけなのに「また何か余計なものを買おうとしているな!」と妻から大目玉を食ってしまった。

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