空路デリーからレーへ

デリーからレーに向かう飛行機に乗る。

昔々、インドで民間航空会社が出現する以前、インディアン・エアラインス(現在はエアインディアと統合)の専売であった時代から、この路線のフライトは早朝の時間帯に出発することになっている。

気象の関係もあるのかな?と思っていたが、もとより降雨量が極端に少ない地域であり、モンスーン期にも雨雲の影響を受けにくいエリアでもあるため、むしろ「希少なフライトであるがゆえに変な時間帯でも需要は高い。思い切り早い時間帯に飛ばしておけば、機材を他の地域への便に有効活用できる」といった、経済的な要因が大きいのではなかろうか。

2012年にキングフィッシャー・エアラインスの撤退(その後、同社は経営破綻)により、一時期はレーに乗り入れる空の便が減ったようだが、既存の航空会社のフライトが増えたことにより、現在ではそれをカバーしているどころか、かえって増加したようにも思う。

それでもシーズンにおける需要そのものが年々高くなっているため、かなり早めに予約する必要があるのはもちろんのこと、LCCを利用したつもりであっても、レーに乗り入れるフライトのチケットは他の地域の同程度の距離のものに比較するとずいぶん高価なものとなっている。訪問客が激減するオフシーズンはどうかといえば、レーに乗り入れるフライト自体が著しく減ってしまうため、「直前でも安く」というわけにはいかないのが現実のようだ。また、12月から1月にかけては、出発地のデリーの濃霧により、各地へのフライトのキャンセルが多発するので注意が必要だ。

デリーを出てしばらくしてヒマラヤの上空に差し掛かると雲が眼下にたまっているのが見える。南の海のほうから運ばれてくる湿気を含んだ空気が山に当たり、そこに雲が溜まる様子が手に取るようにわかる。

ヒマラヤ山脈のところで雲が溜まっている様子が見える

しばらくすると雲の切れ目はかなり高度がある地域となり、そこには山の上のほうから形成される氷河が見える。そこからしばらく進むと雲がほとんどなくなってきて、ラダック地方に入ったことがわかる。その手前までは雲があんなにたくさんあるのに、それを越えると乾燥した大地となる。自然というのは不思議なものだ。もちろん高度が作用しているとはいえ、高い山並みが雨をもたらす雲を遮っているのである。

眼下に氷河

北上していくと、雲の切れ目から氷河の姿を目にすることができる。今はそうした壮大な地形をGoogle Earthで簡単に見ることができるようになっているとはいえ、空の上からとはいえ実物を眺めることができるのは、まさにこの路線ならではのありがたみである。

乾燥した大地に流れる川
「勇壮な」というコトバがぴったりくるラダックの眺め
大地にも様々な色合い
水のあるところに緑があり、人々の営みもある。

さて、いよいよラダック地方に入ってくると、カラカラに乾いた大地が出現する。まさに宇宙船で違う惑星にやってきたかのような気さえしてくる。機内アナウンスによると、右側にはツォモリリが見えるらしい。私が座っているのは左側なので、それを見ることはできなかった。早朝という時間帯の関係で、レーに向かう便に搭乗する際、機体の左側の窓際席を取るのがベターだ。順光でヒマラヤ山脈の景色を楽しむことができる。更には、翼で視界を遮られることがないように、最前部近くあるいは最後尾近くの座席を指定すると、写真撮影も楽しむことができて、なかなかいいものだ。

ストックの村だろうか
軍事施設の上を旋回してレーの空港にランディング

 

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