「一刻を争う」はずなのに…

 マディヤ・プラデーシュ州をバスで移動していたときのことである。車のいない道路を快調に飛ばしていたはずのバスが、突然の徐行運転。「事故かな?」乗客たちは首を伸ばして進行方向を眺めた。
 右斜め前方、不自然な向きで停止している青い小型バスが見えた。左前部が大きくつぶれ、前輪が軸から外れて上を向いている。路面にガラスが散り、おびただしい血糊が路面に流れている。すでに人影はなかったが、重大な事故が起きたことは一目瞭然だ。


 夜、宿でテレビニュースを見ていると、日中遭遇した事故現場の映像が流れていた。「8人死亡、13人が重軽傷」と報道。通りかかったときはバスの様子ばかり気を取られていたが、反対車線の路肩側にはSUMO(TATA社の乗用車)の無残な姿があった。対向車線同士で衝突したらしい。よくある無理な追い越しが原因だろうか?
 事故現場は州都ボパール近郊だったため、テレビクルーの到着は早く、救急車が到着して被害者を運ぶ様子が映っていた。つまり報道陣がやってくるまで救護活動は行なわれていなかったということだ。
 翌日の新聞には「たまたま現場を通りかかった州政府の大臣が、事故を当局に通報した」とあった。最初、大臣は通りかかった州営バスに協力を依頼したが、バスはこれを無視。停止せずにそのまま走り去ったという。大臣の抗議を受け、運転手はその日のうちに停職処分となった。
 しかし、その「大臣の通報」によって即座に出動するはずの救急車が、どこからか事件を嗅ぎつけてやってきた報道陣よりも遅く現場に到着した、ということにお咎めはないのだろうか?
 交通事故の犠牲者が多いといわれるインドだが、運転マナーや道路事情だけではなく、こうした救助活動のお粗末さから、助かる命まで失われるケースは少なくないのではないか。


▼名門ネルー家の神話復活なるか?
http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/434639.cms
曽祖父ジャワーハルラール・ネルー、祖母インディラー・ガーンディー、父親ラジーヴ・ガーンディーと三代続けて首相を輩出し、イタリア生まれのソニア・ガーンディーは現在の国民会議派総裁。かつては「ネルー王朝」とまで揶揄された家系から、 次期総選挙に向けて、曽祖父から数えて四代目の若者たちが出馬するとの推測。

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