名車の系譜 2

ミニ
ミニ
兄の子
ところで『ミニ』といえば、世界で最もポピュラーなイギリス車であることに誰も異論はないだろう。1959年から2000年にかけて、40年以上の長きに渡り数々のマイナーチェンジを繰り返しつつ、ヴァン、ピックアップ、モーク(あまり知られていないが軍用のジープのようなタイプ)そしてスポーツカーとしてのミニ・クーパーと様々なバリエーションの車種を世に送り出してきた。
ミニのジープ仕様は主に軍用
このミニに、どこかインドのアンバサダーの面影を感じる人も少なくないと思う。それもそのはず、モーリス社のオックスフォード・シリーズ?のインド版が現在のアンバサダーだが、先述のベイビー・ヒンドゥスターンの本家モーリス版であるマイナーをデザインした<アレクス・イグノスィス(Sir Alexander Arnold Constantine Issigonis)が、同じくモーリス社のミニ・マイナーとして開発したのがこのミニなのだ。そんなわけでアンバサダーことオックスフォード・シリーズ?から見れば、兄の子つまり甥にあたる。
ともに長く親しまれたイギリス発のクルマ
イギリスのモーリスとは、もともと自転車を製造していた創業者が1910年に設立した会社で、イギリスの自動車産業を代表する企業にまで成長した。1952年には長年ライバルであったオースティン・モーターと合併してBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)となる。その後1967年からはBLMC(ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション)の傘下企業となる。そして1994年からはBMW社により買収されて以降、これまで保有してきたブランドをめぐる合従連衡の動きの中、これらの一部が独立したり切り売りされたりといった変遷があったが、もともとモーリスが開発した『ミニ』ブランドは、現在もBMWの手中にある。
オックスフォード・シリーズ?とミニ、どちらもイギリス発の最も長い期間親しまれたクルマとして人々の記憶に残ることだろう。
やはり血は争えない?
現在も生産が続くアンバサダーと、フルモデルチェンジする前のミニに共通する面影があるように、2001年に出たアンバサダーの新型モデルAVIGO(従来のモデルと並行して生産)とフルモデルチェンジ以降のミニのデザインの方向性もずいぶん近いように感じる。ああいうカタチのクルマをモダナイズすると似た感じになってしまうのかどうかわからないのだが、今や相互の行き来や縁もなくなってしまったとはいえ、やはり『近親者』であるがゆえのことかもしれない。
新型アンバサダー AVIGO
フルモデルチェンジ後のミニ
〈完〉

「名車の系譜 2」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。
    私はかつて、神戸でアンバサダーに乗っていました。その後プジョー403へ流れて、また今回縁あってMorrisOxfordMKⅢに乗ることとなりました。アンバサダーに細部がよく似ていてなつかし感満載です。夏頃に納車されるらしいのですが楽しみにしています。モーリスのこといろいろ教えて下さい。
    よろしくお願いいたします。

  2. ホームページ拝見しました。
    やっぱりいろんなトラブルがあるんですね。アンバサダーに乗ると。
    いろんな車種が増えたインドでも、まだアンバサダーはかなり見かけます。
    コールカーターのように。行政当局の指定により、アンバサダーで車種が統一されている
    街もあります。
    今度はMorris Oxford MKⅢですか。納車されたらホームページでご紹介されるのを楽しみにしています。

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