航空性中耳炎

中耳炎になった。小学生だったころ以来である。当時は風邪を引いては耳もおかしくなっていたものだが、今回は飛行機に乗ったことが原因である。

航空性中耳炎について耳にしたことはあり、航空機の乗務員の間でしばしば発生する職業病のようなものということは知っていた。機内の気圧の変化により、耳の中が痛くなることがあるが、その際にあくびや唾を飲み込むなどしてうまく耳抜きができないままになっていると生じる不具合である。

気圧の変化といっても、上昇時つまり耳の中の気圧が周囲よりも高くなる際よりも、下降時に鼓膜の内側の気圧が、その外側よりも低くなるときに起きやすいという。

飛行機が着陸態勢に入るというアナウンスの後、飛行機がどんどん高度を下げていく中、耳の中がツーンと突っ張った感じになった。いつものようにあくびをしたり唾を大きく飲み込んでみたりする。普段ならば耳の中が「バリバリッ」と音を立てて元に戻るところだが、今回はカゼを引いていて鼻がひどく詰まっているためか、左側の耳にはまったく効果がなかった。

飛行機が滑走路に着陸してターミナルまでゆっくりと動いている最中もその状態は変わらず、市内に出て宿に荷物を置いてもまだ同じ状態が続き、数日経っても回復しなかった。

プールや海で泳いでいて耳の中に水が入ったときの様子に似ている。おかげで左耳の聞こえかたが悪くなっている。障子一枚隔てた向こうからの聞いているような感じだ。

これではいけない、と耳鼻科医に診てもらっているところだが、なかなか治らない。診察の際に左の鼻から、耳に繋がる耳管に空気を通してもらうと、かなり痛みを伴うがなんとか通気できるようになる。

するとしばらくの間はすっきりと聞こえるようになるのだが、またすぐに塞がってしまうような感じになる。塞がっているといえば、鼻腔から耳にかけて空気がスムースに通るようになっていなければならないとのこと。そこが塞がってしまうから気圧の調整がうまくいかず、耳の中の気圧が外気よりも低くなったままになってしまう。

すると鼓膜の内側に水が溜まってきてしまい、いわゆる滲出性中耳炎を発症する。これがいわゆる航空性中耳炎が起きてしまうメカニズムであるとのことだ。

やれやれ・・・。

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