プリー 4   ラグラージプルへ

 プリーからブバネーシュワル方面に向かって15キロくらいのところにあるラグラージプルという村へ。元々手工芸が盛んであったところだが、Dedicated to PeopleというNGOが活動を始めてからはその度合いがさらに高くなっているらしい。 

アジトという30代の男性の運営による村の女性たちの地位と経済力向上を目指す団体である。彼自身はこの村の出身でプリーで大学を出た後、しばらくデリーで会計士の仕事をしていたのだという。 彼にとって都会での生活も悪くなかったが、思うところあって里帰りして2004年から開始したのがこのNGOである。

この団体が運営するワークショップで地元の女性たちに手工芸製作技術を教えるとともに、彼女たちが生産したものを買い取っているという。運営資金の大半は、女性たちから購入した手工芸品を大口の契約先へ納入することによって得ているという。 

同時にエコツーリズム振興のための構想も練っており、文化遺産等とはまた違った村の人々の生活を理解するためのスタディーツアーのようなもの、また環境と両立するツーリズムの創出を構想しているところだと語っていた。 

しかしながらそうしてみると、結局普通のビジネスとしての手工芸生産と観光業といったものと何が違うのかよくわからないのだが。このラグラージプルでは似たような形で手工芸品を生産して各地に卸している業者はいくつもあるようで、実際のところ同じようなことをしているようだ。 

ともあれ村にとっても、そこで生きる女性たちにしてみても、就労機会と現金収入の手段が増えるのは喜ばしいことであることは間違いないだろう。 

ただしこうした「手工芸生産」基地はこの地域にとても多い。もともとそんなに良い収入になるものではなかろうし、それらの生産が増えたところで需要がそれに比例して増えていくとも思えないため、これでもって村おこしというのならば、今後かなり軌道修正が求められるのではないかと思う。

<完>

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