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出世する木

ただの木が出世していった典型である。

通りに面したところの木に人々が集まり井戸端会議がなされるようになると、やがて木にはコンクリやレンガで基壇がしつらえられ、人々はそこに腰掛けて語らうようになる。行商人々もそこで商うようになる。

すると基壇に祠が作られて、プージャーリーがときどき面倒を見るようになったり常駐したりするようになる。

そうなると、次第に祠がお寺化していく。もっとも寺院であれ家庭の祭壇であれ「マンディル(お寺)」と呼ばれるのは変わらない。街角の祠であってもたしかにマンディルであることは変わらない。

 

街角の木としては、これは最も成功した部類に入る。きちんと屋根を持ち、神像の据えられたお堂には金属の格子も入り、きちんとカギもかかるようになっている。さらにはお堂の前に門まで出来ており、なんとも立派なものだ。

かように出世する木もあれば、人々がゴミを打ち捨てたり小便をひっかけたりするだけの哀れな木もある。同じ道端に並ぶ同じような木でありながら、どうしてここまで差がつくのか?

それぞれの木にそれぞれの徳性があり、それがやがて大きな差へと繋がっていくような気がしてならない。まあ、そうなるのは木に限ったことではなく、私たち人間も同様なのだが。

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