特別展「インドサリーの世界」(2005年)

だいぶ前にインドで購入して読んだ本で、Emma Tarlo著の「Clothing India : Dress and Identity in India」という、インドの服飾文化について書かれた本があった。

インドの伝統的な社会において、身につけるあらゆるモノに意味があり、装いはその人となり、出自や職業、立場や経済力を如実に表現するものであり、コミュニティーの内外をきちんと区別するものであったということが書かれており、マスプロダクション時代におけるマーケティング戦略のもとで、工場で大量生産して、マーケットで販売される現代の服飾においては、もはやサーリーもシャルワール・カミーズも洋服と同じような西洋化グローバル化された産物に過ぎないというようなことが書かれており、かなり衝撃的であるとともに、伝統的なコミュニティごとの服飾の棲み分けの事例などを読むと、なるほどと納得することばかりでもあった。

さて、こちらの書籍は複数の著者写真によるインドにおけるサーリーの変遷、同国の民族衣装のトレンドなどについて綴られており、これまた興味深い。発行年がすでに16年前のものなので、ファッションに関する内容は古くなっている部分はあるようだが。大阪の国立民族学博物館で2005年に開催された特別展「インドサリーの世界」の展覧会図録。同博物館のオンラインショップで購入することができる。

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