コロニアルな辞書

新聞や雑誌はもちろん、インドの書籍などを読んでいて、慣れないうちは『?』と思うような語彙に出会うことはないだろうか。アメリカやイギリスの出版社から出ている辞書における一般的な語彙にないボキャブラリーは、インドの英語を特徴づけるひとつの要素である。
毎日普通に使われているものの中に数詞のlackh, crore等、ストを示すhartaar, bandhといったボキャブラリなどはごく一般的だが特に植民地期に記された文章、その時代について書かれたものなどには、インド独特のコトバが頻出していい味を醸し出している。インド起源ながらも英語語彙として定着したものも多い。bungalow, verandah, jungle, cummer band, khakiなどといったボキャブラリーがそうであることは広く知られている。
そうした英領時代のインド英語語彙を集めた図書がある。
Sahibs, Nabobs and Boxwallahsという本で、A DICTIONARY OF THE WORDS OF ANGLO-INDIAなるサブタイトルが付いている。コトバの意味のみならず、しばしばその起源、派生語、関連語などについても触れられていて興味深い。
Sahibs, Nabobs and Boxwallahs
インドの英語でよく使われる語彙をよく確認してみるたり、英語に定着したローカルな語彙を見つけてみるのもよいし、すでにほとんど使われなくなった古いボキャブラリーを眺めてみるのもまた愉しい。インド英語の歴史がぎっしりと詰まったクラシカルな一冊。そう頻繁に使うことはないにしても、ときどきページを開いてコロニアルな言葉の世界に遊んでみるのはいかが?
書名:Sahibs, Nabobs and Boxwallah
出版社:Oxford Univ Press
ISBN-10: 0195642236
ISBN-13: 978-0195642230

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