『ミッドナイト・チルドレン』銀幕へ

ムンバイー出身の英国籍インド人作家、サルマーン・ルシュデイーの代表作のひとつである『ミッドナイト・チルドレン』がディーパ・メヘター監督により映画化されることが決まった。ナンディター・ダースとシャーバナー・アーズミーの出演が決まっているようだ。
サルマーン・ルシュディーといえば、自身の著作『悪魔の詩』内の描写や表現等がイスラーム教を侮辱しているとして、1989年に当時イランの最高指導者であったホメイニー師のファトワーにより、死刑宣告がなされた。その後彼はイギリスの警察による庇護を受けることになる。またこの作品の翻訳者たちが各国で重傷を受けたり、殺害されたりという事件が続いた。日本でも和訳を出した筑波大学の教授が何者かの襲撃により命を落としている。
今回映画化されるミッドナイト・チルドレンにしてみても、当時ネルー=ガーンディー王朝と揶揄されていた政権に対する強烈な批判が含まれているとされ、インド国内においてはなかなかムズカシイところもあったようだ。
とかく敵の多いこの作家。作品の映画化について、思わぬところから横ヤリが入ったり、撮影や出来上がった作品の上映を暴力的な手法で阻止しようという動きが起きたりすることもあるのではないか、とボンヤリ思う。
しかし映画そのものの良し悪し以外についても、批判・脅迫含めて周囲でいろんな動きが展開していくとすれば、サルマーン・ルシュディーらしくもあり、ディーパ・メヘターらしくもあるなぁ、と無責任な野次馬は考えるのである。
ともあれ、良い作品に仕上がることを期待したい。
Midnight’s Children to be a film (BBC NEWS South Asia)

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