『旅行仕様』の楽しいカメラは 2


 一眼レフ市場に新規参入を予定しているもう一社、ソニーはどういうモデルを準備しているのかこちらも気になるところだ。他社による既存のシステムの中で自社独自の味付けをしたパナソニックの堅実路線とは趣を異にすることになるのではないかと予想している。 
 しかもこちらはカメラ事業から撤退したコニカミノルタ社の同事業部をそっくり継承しており、独自の技術力に加えて常に前向きな社風からして、新規参入の分野ともなれば必ずや『おおっ!』と人目を引くセンセーショナルなモデルを投入すべく、私たちの知らないところで一大プロジェクトが進行中なのだろう。
 加えてもうひとつ、今までのところ注目度はイマイチだが国際的なコラボレーションが進行中。カメラ老舗メーカーのPENTAXが、なんと韓国のSAMSUNGとの共同開発モデルをこの秋に発売する計画があるのだ。後者としては初のデジタル一眼レフカメラだ。韓国本国はもちろん、携帯電話その他の電化製品でそれなりのブランドイメージを築き上げたインドでは、もちろん『SAMSUNG』ネーム最高峰のカメラとして派手に宣伝することになるのではないだろうか。今回開発されるモデルをきっかけに、初めてこのタイプのカメラに手を出すインドのミドルクラスの人々が結構出てくるのかもしれない。
 このところカメラメーカーが家電系メーカーとタイアップする動きの背景には、CCDなどの電子部品の開発や生産の負担がある。デジタルカメラの分野では、銀塩時代に比べて光学部品やアナログ的な機械部分に対する電子系の構造部に依存する割合が高くなってくるにつれて、得意なフィールドを分業しなくては開発が難しくなってきているようだ。
 だがもともとこうした分野にも明るいキヤノンや富士写真フィルムなどは、現在までのところ家電メーカーとの共同開発は行なっていない。資金力も技術力も豊かな前者は、おそらく今後もそうした必要はないのかもしれない。
 キヤノンとニコンでは、35mmの銀塩カメラと同じ大きさの画角を持つ、いわゆる『フルサイズ』CCD搭載カメラが一般ユーザーにも手が届く普及価格で登場することを待ちわびる声が高いものの、依然としてこれらはプロ向けの高級機だ。今までのところ主流はやはりAPS-Cフォーマットのモデル。そうした中で前回取り上げた第三の流れともいうべきフォーサーズ規格はオリンパスの開発によるものだが、今回取り上げたパナソニックを含めて全部で7社が参入を表明しており、今後の成り行き次第では普及価格帯の一眼レフ市場の流れを変えることになる可能性を秘めている。
 私自身は結局何でもいいのだが、一眼レフの操作性とデジタルの利便性が軽量コンパクトにまとまり、ホコリや振動にも強く丈夫でしかも安価・・・といったモデルが出てくるのを楽しみにしている。これぞまさに『旅行仕様』カメラではないだろうか。
 私は写真家ではないので撮ることが目的ではない。けれども写真は好きなので、必要最低限の機材を持って最大限に楽しみたい。旅先へ持参する身の回り品は少なめの私だが、それに比較してカサと重量が張るのはカメラ関係。これらを取り出してみればスカスカでとても身軽なリュックになるのに。
 コンパクトデジカメ一台だけならずいぶん楽だろうとも思う。かといっていつものカメラ一式を放り出して出かけてみると感動的な景色や興味深い風景を目の前にして非常に心残りだったりする。やはりテキトーなところで自己満足させてくれる機械が必要らしい。

This entry was posted in camera, column. Bookmark the permalink.