起源はひとつ カタチはいろいろ

華麗なるインド系文字|
華麗なるインド系文字(編著:町田和彦、出版:白水社)という本がある。
この本の冒頭に『現在、南アジアと東南アジアで使用されているほとんどの文字は、歴史的にはたった一つの文字に起源をたどれる同系統の文字です。この根源の文字はインドで生まれたブラーフミー文字で、紀元前3世紀にまで遡ることができます』とある。こうした文字が伝播した地域のひろがりに、インドの圧倒的な大きさと影響力を感じずにはいられないだろう。
対応する母音字、子音字、数字のひとつひとつが、ブラーフミー、デーヴァナーガリー、グルムキー、グジャラーティー、ベンガーリー、オリヤー、シンハラ、チベット、ビルマ、ラーオ、タイ、クメール、テルグ、カンナダ、マラヤーラム、タミルの各文字にて、発音記号と書き順を並べてあり、カタチをいろいろ見比べてみると面白い。
またインド諸語の文字それぞれの音について、ざっと一覧できるのもまた便利かつ楽しく、せめて文字だけでも、これら全てを覚えることができたらどうだろうか?なんてあまり役に立ちそうにないことを夢想してみたりする。各言語を専門家による、それぞれの文字の概説なども巻末に書かれておりこちらもまた興味深い。
起源はひとつといえども、さまざまなコトバを使う人々がそれぞれ伝達手段として、それぞれ独自に発展されていった『文字』の豊かな背景に思いを馳せると、本を手にしたまま時が経つのを忘れてしまいそうだ。文字マニアならずとも、ぜひオススメしたい一冊である。
『華麗なるインド系文字』
町田和彦編著
白水社
ISBN-13: 978-4560005552

「起源はひとつ カタチはいろいろ」への1件のフィードバック

  1. この本、持ってます!
    ヒンディー語関係の本を見ていたら、
    欲しくなってしまって衝動買いしました。
    変化していく文字を見ているだけで楽しいですね。
    (ヒンディー語の上達には至っていません。とほほ。)

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