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カテゴリー: economy

  • バーングラーデーシュの2タカ硬貨は日本製

    すでに1年ほど前の話になるが、日本の独立行政法人造幣局がバーングラーデーシュの2タカ硬貨を製造することとなっている。

    バングラデシュ中央銀行から2タカ貨幣の製造を受注(独立行政法人造幣局)

    バングラデシュ2タカ貨幣製造受注に関する契約調印式(独立行政法人造幣局)

    他にもニュージーランド、スリランカ、カンボジアブルネイミャンマーオマーンなどの記念硬貨の製造を受注している。また、独立行政法人印刷局はインドネシア政府証券印刷造幣公社との間で技術協力等に関する覚書を交わしている。

    独立行政法人国立印刷局とインドネシア政府証券印刷造幣公社との間で技術協力等に関する覚書を締結 (独立行政法人国立印刷局)

    日本の紙幣の印刷に使われているのは株式会社小森コーポレーションの印刷機だが、インド中央銀行に紙幣製造一貫プラントを1996年に納入開始している。

    日本の貨幣製造技術が国外でも高く評価されているがゆえのことであり、人々が日々手にするお金に日本の「技」が生きているということは喜ばしく思う。

  • Uberタクシー運転手によるレイプ事件

    インドでも無線タクシーのサービスが定着して久しい。Meru、Mega Cabs、Easy Cabsなど利用してみるたびに、従来型のタクシーとはドライバーの態度、運転の安全性、明朗な会計等々、ずいぶん違うものだと感じ、価格差以上のお得感があると思っているのは私だけではないだろう。

    そうした新手の無線タクシー各社と比較してさえも、Uber社のタクシーは他とは一線を画したビジネスモデルを展開し、利便性、目新しさと安心感などから消費者たちからは好意的に迎えられていたはずであった。このユニークなサービスに関する解説を加えるメディアは、世界で急速に事業を展開して高い評価を受けつつも、各国で既存の業界等との軋轢をうむUber社については、多少の疑義は抱きつつも、概ね好意的に捉えていたはずであった。

    世界中に旋風を巻き起こすUber社とは?(INDIA GO)

    最低料金は30ルピー、Uberがインドで低価格タクシー「UberGo」を開始(gaika.net)

    10 little-known facts about Uber (The Times of India)

    とりわけ同社による低価格タクシー、Uber Goというサービスの導入には大きな期待が持たれていたはずだ。

    Uber Go launched in India, claims to be cheaper than an autorickshaw (indiatoday Tech)

    ところが、すでに各メディアで報じられているが、12月5日にあってはならない事件が発生したことにより、こうした評価が地に堕ちることとなった。

    Delhi Woman Raped, Allegedly by Uber Cab Driver (NDTV)

    すでに現在、犯人のシヴクマール・ヤーダヴは逮捕されているが、彼は数年前に同様の性犯罪を起こして逮捕・服役した経歴があることが明るみに出ている。昨日のインドのテレビのニュース番組では、「2時間ほどのインタビューで誰でも運転手になることができる」などという話も出ており、同社に対する社会の信用が失墜することは免れないだろう。この事件を受けて、同社のデリーにおける営業は停止処分を受けている。

    It’s the end of the road for Uber in Delhi (rediff NEWS)

    とりわけ人が主体となるサービス業において、まさにそこで働く人こそが最大の人的資源であり、やはり「人材」というものが大切である。

    しかしながら従来からのタクシーにおける一般的な運転手やサービスの質は残念ながら相当低いものであるため、このような事件があっても、やはり長期的にはUberの優位は揺るがないのではなかろうかと思われるのは皮肉なことである。

    先述のインドのテレビニュースでは、このUberのドライバーによる事件に関して国会で取り上げられた議論の様子も放送されていた。しかしながら従来型のタクシーがUberのサービスよりも安心なのかといえば、まったくもっとそうではないのがインドのタクシー業界の現状だ。

    人口大国であり、数々の優秀な人材を抱える国ではあるものの、必要とされるレベルの人材が社会のすべての分野に広く揃っているわけではないところが、この国の大きな課題のひとつどあるともいえるだろう。

  • 東洋経済ONLENEのインド特集

    日本の経済誌にインド関係の記事が頻繁に掲載されるようになって久しいが、東洋経済のウェブ版にこのような特集記事が組まれている。

    帝羽ニルマラ純子のモディ政権で始まるインドの夜明け (東洋経済ONLINE)

    インドのニュース雑誌を読んでいる人にとっては特に目新しいものではないのだが、普段インドという国との接点があまりない人たちに、こうした現況に解説を加えて伝えることに意味がある。

    また、こうした記事の中にはインド以外の国々でもヒントになる知恵が散見されるものでもある。例えば、インドでよく見かけるデュアルSIMを搭載可能なスマートフォンを含めた携帯電話もそのひとつだろう。

    インド発スマホベンチャーが爆発的な成長 (東洋経済ONLINE)

    いわゆるガラケー時代からインド市場でこのような製品はあったが、スマートフォン端末でデュアルSIMを採用したのはマイクロマックスが初めてであったとのこと。

    1台の携帯電話に2枚のSIMを挿入して2回線で運用可能とするものであり、日本ではこうしたモデルは耳にしたことがないが、仕事用とプライベート用とで2台持ちしている人たちの潜在的な需要は非常に大きなものがあるはずだ。

    単に伸びしろの大きな途上国市場という捉えかただけではなく、世界第2位の人口を抱える大国であるだけに、そこで蓄積された機智やノウハウには、大いに学ぶべきものがあるだろう。

  • National Geographic 11月号

    Facebookである方が書き込まれたことから知ったのだが、National Geographic11月号の特集はSorrow on the Mountainと題して、今年4月にエベレストで発生した大規模な雪崩による「エベレスト史上最悪の日」とされる歴史的な事故が取り上げられている。

    地元ネパールで登山に関わる人たちの仕事と暮らし、事故の顛末と遭難した人々やその周囲の動き、山をめぐる経済効果や労働問題、事故の後に持ち上がった政治的な動き等々が各種メディアを通じて報じられてきたが、それらを俯瞰する形で読んでみると、この事故が起きる前から、その背後にあった社会問題が浮き彫りにされているように思う。もちろん、それらは現地で登山関係の仕事に従事している人々にとっては、周知の事実に過ぎないのかものであったとしても。

    そこに登山の仕事がある限り、そこでの稼ぎを求めて行かなくてはならない男たちがいる。名峰を征服する登山隊の華々しい活躍は彼らの支えがあってこそのものであり、登山活動がそこにある限り、こうした男たちやその周辺の産業で働く人々にも恩恵が及ぶことになる。また、登山料等の収入は、国家に対しても貴重な財源となり、300万ドルもの収入を与えることになるなど、経済的な効果は計り知れない。

    それほど重要な産業なのだが、これを支える最前線の現場、つまり登山の仕事でほとんどの補償もない状態で、命の危険を冒して働く人々に依存している現状。だが、その仕事による収入を必要としている男たちや彼らが養う家族があり、登山者たちもそうした彼らを必要としているというジレンマ。労働条件の改善は必要であるとはいえ、そこにマオイストたちがツケ入る隙間も大きなものであるわけで、これが政治絡みの騒動へと繋がる。とりわけこの国の「基幹産業」のひとつともなれば、なおさらのことだ。

    上記に示したリンク先でも記事内容のあらましは判るとはいえ、ぜひ印刷された今月号を手に取っていただければ幸いだ。記事内にいくつも散りばめられて、文章同様に、あるいはそれ以上に多くを語りかけてくる写真とその解説を読みながら、この問題についていろいろ考えさせられるものがある。

  • U-mobile

    今回は直接インドやインド世界と関係のない話題で恐縮である。先日購入したGalaxy S4 Zoomを使用するために、いわゆる格安SIMと呼ばれるものをいくつか検討していたが、その結果U-mobileと契約してみた。通話とデータ通信を合わせたプランは以下のようになっている。

    U-mobile 通話プラス

    通話回線はDocomoのネットワークを利用することになるので、カバーするエリア等について心配は要らないだろう。

    現在までのところ、日本の既存大手の携帯電話会社では、回線契約と携帯電話端末の販売がセットになっていて、通話・データ通信ともに高い料金であるところに、電話機の販売代金を月々割り引くという形で、あたかも料金が割安になったり、電話機が無料や破格の安値で手にできたりするかのような見せかたをしている。

    通常、契約は2年単位であるため、契約+電話機購入で付いてくる月々の割引料金の期間、つまり契約期間が終了すると、その割引がなくなってしまうので、毎月の支払いが急に高くなる。それを避けるためには、新たに携帯電話機を買い直すことになる。

    契約更新月が経過して、古い携帯電話機をそのまま使っていても、電話機を新たに買い直して再契約しても、携帯電話会社から届く請求書の金額が同じような具合であれば、普通は後者を選択することになるだろう。まったくもって、売る側の都合だけで操られているのがこれまでの日本の携帯電話市場の世界だ。

    また、そうした携帯電話会社によそで購入したSIMロックのかかっていない携帯電話端末を持ち込んで使用するとなると、その会社で携帯電話機を購入する場合と違い、月々の割引を得ることができないため、毎月の請求金額がこれまたずいぶん高いものになってしまう。

    要は、回線契約の際に当然のこととして、携帯電話機を購入させられてしまい、2年毎に買い直しさせられ、しかもその電話機はSIMロックがかかっているため他社では使用できないという不条理さがまかり通っているのはいかがなものかと思う。SIMロック解除に応じる携帯電話会社もあるが、解除手数料が3,000円(税別)というのは実に高い。(行政側の指導により、来年5月あたりには、各社が無料でSIMロック解除に応じるようにという動きはあるようだが・・・)

    そんなわけで、携帯電話機の抱き合わせ販売なしで、通話+データ通信のみで契約できるところを探してみると、いくつかあるのだがデータ通信速度、MNP利用で即日開通という条件で考えると、今のところ敷居が低いのはU-mobileということになった次第である。

    この「MNP利用で即日開通」という部分だが、同社のウェブサイトで紹介されている一般的な加入方法においては、実際に使用できるまで数日間のブランクが生じてしまいそうなのだが、幸いにして同社の直営店舗で手続きすると、1~2時間程度で使えるようになることが判った。

    U-mobileのリアル店舗が南青山にオープン (INTERNET Watch)

    日本国外、インドその他で、機能的にとても魅力的であったり、破格の安値で目を引くような携帯電話機などを購入して、それを日本で使うとなるとあまり容易ではなかったりする時代もあったが、それはすでに過去のこととなった。購入したAndroid端末に日本語環境が入っていなくても、それをインストールするのは簡単だし、SIM側のハードルであった通信速度(がやけに遅かったり)や厳しい通信容量制限(これを越えると超ナローバンドになってしまう)という部分が解消されつつあるためだ。

    インド等で販売されているような、デュアルSIMの携帯電話を利用したいという需要もあるのではないかと思う。これまでケータイを2台持ちしている人が、1台にまとめることができるわけで、そんな需要についても、SIMフリー携帯+端末と抱き合わせ販売ではないSIMという状況が一般化すると、ユーザー各々が自分の事情に合わせた携帯電話端末購入と回線契約が出来て良いと思う。

  • ミャンマーからインドへの陸路越えが可能に

    ある方のFacebook書き込みで知ったのだが、なんとミャンマーからインドへの陸路による国境越えが可能になっているようだ。ミャンマー側でのパーミット取得が必要なようである。

    その陸路による出国・入国地点は、ミャンマーのサガイン管区のMorehからインドのマニプル州のTamuである。この情報は、こちらをご参照願いたい。

    Myanmar / India Land Border Crossing at Tamu/Moreh Open (Lonely Planet THORN TREE FORUM)

    Crossing the Indo-Burmese Border on Motorcycle (THE IRRAWADI)

    どちらの地域も現在では自由に旅行できるようになっている。しかしながらどちらの地域にも長く抗争を続けてきた反政府武装勢力が存在し、現在は停戦状態にあること、ときおり治安に関する問題が生じていることは頭に入れておきたい。

    Trade resumes at India-Burma border (DVB)

    もしかすると、数年後にはポピュラーな国境越え地点となっている可能性もある。数年前にパーミット無しでの入域が可能となったものの、さほど注目を浴びることなく、期待されていたほど観光の振興に繋がっていないインド北東部が、ちょっとしたブームとなる可能性もあるかもしれない。

    しかしながら、外国人の出入境も可能となっていることから、物流ルートとしてもそれなりの機能を果たすようになっているものと思われることから、両国側ともこの出入国地点のエリアがもはや辺境ではなく、ダイナミックな通商のルートとなりつつあることが、容易に想像できるだろう。

  • すごいインド

    すごいインド

    著者のサンジーヴ・スィンハさんとはずいぶん前に何度かお会いしたことがあるが、非常に快活、そして才気煥発という印象を受けた。そのサンジーヴさんが今年の9月に出したのがこの本である。これまで経済界の人たちによる数多くのインド論が書籍や経済誌等で世に出てきたが、この人の書いたものはやはり他とずいぶん違う。

    インドからグローバルに活躍する人材が輩出する理由、理系人材が豊富なワケ、インドがIT大国となった背景にある初等教育の拡充等々について、彼自身の視点と体験から綴っていく。しかしながら一方的なインド賛辞となっているわけではなく、そうした部分での自国のネガティヴな側面、日本が大きくリードしている部分などについても大いに言及しており、何もわざわざ日本に来なくても、欧米などでも活躍できたであろう彼自身が、なぜ日本に惹かれて、日本を本拠地として活動している理由へと繋がっていく。

    日本在住のインド人であり、インドでの財閥系メーカー勤務、日本ではIT、外資や日本の証券業界複数社で働き、その傍らでIIT同窓会日本支部の立ち上げ、その同窓会主催による「日印パートナーシップ」を謳う国際会議の開催、はてまたAAP (Aam Aadmi Party)を率いるアルヴィンド・ケージリーワル氏がIRS (Indian Revenue Service ※税務関係の中央政府公務員の上級職)を辞して政治活動に進出するきっかけを作った腐敗糾弾の署名活動の発起人であるなど、精力的に日々を過ごしてきただけではなく、そうした多忙な日々の中で日本での社会生活に埋没してしまうことなく、インドとの繋がり、しかも個人の交友レベルではなく、財界や政界との縁をも切り拓いてしまう才覚と行動力があるのが頼もしい。

    すでに会社員生活を辞めて、2008年にサンアンドサンズグループというコンサルタント会社を起業して、日印経済の架け橋として活躍中。もちろん彼自身も「インド発のバリバリやり手の人材」であるわけで、これからインドに進出を考えている企業の方などは、この本を読んで「ぜひこの人物に相談してみたい」と思うことだろう。日本在住歴の長いサンジーヴさんらしく、非常に謙虚な表現で書いてあるにもかかわらず、読者に対し自身を強く印象付ける経歴書でもあるところがまたすごい。

    日本を活動の本拠地として、業務で日印間を足繁く通うサンジーヴさんは、日本で活躍するインドの人であるとともに、インドに日本を伝える「日本のグローバル人材」だ。今後のさらなる活躍がいろいろと伝えられることだろう。

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    書名:すごいインド: なぜグローバル人材が輩出するのか(新潮新書)

    出版社:新潮社

    著者:サンジーヴ・シンハ

    ISBN-10: 4106105853

    ISBN-13: 978-4106105852

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  • Tune Hotels

    Tune Hotels

    Tune Hotelsというホテルグループがある。エアアジア系列で、航空会社のほうと同じく「ノンフリル」を標榜している。本拠地はマレーシアだが、現在同国を含めて8か国45か所で操業している。

    Tune Hotels (日本語サイト)

    市街地の便利な立地で高級ホテル並みの客室を安価に提供というのがコンセプトのようだが、削減できるサービスは大きくカットして宿泊客を受け入れるというビジネスモデルのようだが、同ホテルグループのウェブサイトのオプションのページをご参照願いたい。

    エアコン、テレビ、タオル、洗面具、インターネット接続、ドライヤー、清掃や客室金庫も有料となる。暑い国や暑い時期のエアコンはともかく、これらの多くはなくてもさほど支障はないかと思うが、かなり目新しいやりかたである。

    ただし、LCCの航空会社の場合は、既存の航空会社に対して強い価格競争力を持つだけではなく、鉄道やバスではなく飛行機を選択するというケースは多くあっても、宿泊施設の場合は、他のホテルからお客を収奪することはあっても、さほどの存在感を示すことができるかどうかはよくわからない。

    それでも、こうした新興勢力が伸長してくると、既存の宿泊施設の中でも価格面で渡り合えるようにするために、同じようなノーフリルの路線を採るところも出てくることだろう。今に「シャワーは有料」というホテルを見かける日が来るかもしれない。Tune Hotelsではもちろん無料だが。

    日本ではまだ沖縄県の那覇市に1軒あるのみだが、今後は他の地域にも進出してくることを当然画策しているであろうし、もちろん東京や大阪といったコアとなる都市へすでに進出を決めているのかもしれない。

    Tune Hotels Ahmedabad

    インドにもグジャラート州のアーメダーバードにあり、適当な日付を入れて検索してみると、以下のような料金が表示される。

    Standard Single  Single Room (1 Single Size Bed) INR 1,500

    Executive Single  Double Room (1 Double Bed) INR 2,200

    Executive Double  Executive Double (1 double bed + 1 single bed) INR 2,900

    Family Room  Family Room (2 Queen Beds) INR 3,800

    おそらく同じような価格帯のホテルに比較すると高いヴァリュー感のある客室が用意されているのではないかと思う。このチェーンのホテルはまだ利用したことがないのだが、機会があれば宿泊してみて、感想を述べてみたいと思う。

  • ラダック たかがSIM、されどSIM

    夏の旅行シーズン中のラダック地方の中心地、レーの町の旅行代理店の店先にはこのような貼り紙がある。

    「××月××日から7日間のマルカ渓谷のトレッキング参加者募集」

    「××月××日から2泊3日でヌブラ渓谷へのジープ旅行参加者募る」

    「××月××日出発、4日間でストック・カングリー峰登頂、参加希望者はぜひ!」

    旅行者本人が当該の旅行代理店に費用の相談をした際に提示された料金(同業者組合の関係で、複数の代理店で尋ねても同じような料金を提示されることが多い)を見て、「誰かシェアする人がいれば・・・」という希望を受けて、このような貼り紙がなされるようである。そのため、協力関係にある代理店では同様のリクエストのある顧客を融通しあうケースは多々あるようで、ポピュラーな目的地等についてはいくつかの代理店を回るとちょうど都合の良い個人なりグループなりとマッチングする可能性は高い。

    逆に、協定料金を設定している同業者組合関係の事業者同士が主体となって、このようなツアーを催行しているところがあるかといえばそうではないようで、実際に店頭に相談するために現れた顧客があってのことになる。相談に現れて、シェアする相手を募集するポスティングを希望したお客にしたところで、その店以外でも同様の相談や依頼をしている可能性は高い。

    携帯がないから個々に連絡つかない。本人が現れないとわからない。言いだしっぺの本人が雲隠れしたままで、集まった人々でツアー成立ということもある。とりわけとても沢山の人々が訪れるマルカー渓谷トレッキングであったり、シェアジープで行くパンゴンツォなどの場合はその典型だろう。だが訪れる人の数がより少ない場所への場合は、その企画自体が流れてしまうことも多いようだ。

    多くの場合、コミュニケーションがお客から代理店への一方通行になりがちである。つまりお客本人がその代理店に「その後どうなった?」「人は集まった?」と幾度か通うようでないと、うまく連絡がつかないものである。代理店のほうではいくばくかの前金を預かるようにしたり、宿泊先の電話番号を聞くようにしていることも多いようだが、それでもまだ正式に申し込んだわけではないため前金の支払いを渋るお客が少なくないのはわかる。また、宿泊先の電話番号といったところで、お客が宿泊先の室内にずっと閉じこもっているはずはないし、宿が気に入らず変わることだってある。そんな具合で、代理店のほうからお客に連絡を取りにくいのがどうも弱いところである。

    インドの他の地域であれば、携帯SIMの安価なプリペイドのプランがあるので、airtelなりvodafoneなり、地元インドの携帯番号を持っている旅行者が多いのだが、ラダックが位置するJ&K州の場合、他州で契約したプリペイドプランは利用できない(電波そのものが入らない)し、かといってJ&K州の地元のプリペイドSIM(これは反対にJ&K州の外では利用できない)を入手しようにも、購入の際にいろいろ条件があり、非居住者の外国人にとってはハードルが高い。そんなわけで、インドの他州ではいつも地元のプリペイドSIMで携帯電話の通話やインターネット等を利用している外国人旅行者たちは自前の通信手段を持たないことになる。(ポストペイドのプランは利用可能なので、外国人であっても居住者でこれを持っている人は利用しているキャリアの電波の届く範囲では通話可能)

    J&K州でこのような措置がなされている背景には、カシミール地方の政情に関する問題、また州そのものが隣国であるパーキスターン、中国との係争地と背中合わせであること、軍事的に重要な地域であること等々の要素がある。プリペイドSIMは、その有効期間中においては、購入時の所有者から第三者に転売・譲渡してしまうことも事実上可能であることから、実際の利用者が誰であるのか判らないSIMが地域に氾濫してしまうのは、治安対策上好ましくないことなのである。

    だが、この「プリペイドSIM問題」がなければ、レーの旅行代理店業を営む人たちはずいぶん助かることであろうし、それらを利用する立場の旅行者たちにとっても利するところは大きいはずでもあるのだが、こればかりは当分変わることはないだろう。

  • レー 24時間給電体制で変わるもの

    レー 24時間給電体制で変わるもの

    24時間の給電とともに「変わりゆくレー」を象徴しているかのようなメインマーケット界隈の再開発計画。現在工事進行中なり。

    昨年からレーやその周辺部の給電は基本的に24時間体制となっている。しばしば停電はあるものの、以前は午後7時から午後11時までしか電気が来なかったのと較べようもなく便利になった。

    私たちのように旅行で訪れる者にとっては、デジカメやパソコンの充電できる時間が1日のうちのわずか4時間に限られていたことから解放されるくらいのものでしかないかもしれないが、ここで働いている人たち、生活している人たちにとっては大きなインパクトがあることは容易に想像できるだろう。

    昼間に給電がなされることにより、仕事のIT化が可能となる。事務作業の効率アップや他の地域とネットで安定的に常時接続できることにより、これまでは出来なかった業務やサービスも可能となってくるため、収益の向上や雇用機会の拡大といった効果も期待できる・・・かどうかについては、ロケーションや季節性という点から難しいように思える。

    また、仕事場や家庭でその他の家電製品が普及する余地も生じてくる。夏季でも冷房が不要な地域なのでクーラーの需要はないにしても、冬季にヒーターを使う家庭も大幅に増えることだろう。またこれまでほとんど手作業であった洗濯についても、家庭等に洗濯機が急速に浸透しつつあるとのことだ。

    もっとも、生活用水・農業用水需要が逼迫している乾燥地であるため、地元の人たちはそう頻繁に衣類を洗濯したり、シャワーを毎日浴びたりもしないものだが、観光で訪れる人たちの洗濯やシャワー等による需要により、レー周辺での水が足りなくなり、地下水を汲み上げて農業用水として利用するところにまで来ていることは肝に銘じておかなくてはならないだろう。

    午後11時には電気の供給が停止してしまう日々においては、人々はそれまでの時間に家事や家族との団欒を済ませ、しばしば「定刻」よりも早く電気が止まってしまうこともあるので、多少の余裕を見て早めに寝る体制に入ってしまう必要があった。

    だが夜通し電気が来るようになると、そのような必要もなくなる。すると夜更かしする人が増えるという「効果」が出てくる。またテレビ番組も一日中見ることができるようになるため、観たい番組が始まる時間を待っていたり、なんとなくバラエティ番組を眺めながら時間を無為に過ごしてしまったりということがよくあったりするのはどこの国も同じことだろう。

    テレビを視聴可能な時間帯が増えてくると、そうした番組に露出される機会が増えるがゆえに、とりわけ子供たちや若者たちの物の考え方や価値観等にも影響を与えるものが少なからずあることと思われる。

    午後7時から午後11時までの給電という生活上の縛りがなくなることにより、従来はほぼ存在しなかったであろうナイトライフ(・・・といってもラダック中心地のレーでさえもごく小さな町にしかすぎないため、何か華やかなものが存在する余地はないのだが)が生まれてくる可能性もないとはいえない。

    それはともかく、「いつでも電気が来ている」状態となったことにより、若者たちやお父さんたちの帰宅がずいぶん遅くなることが多くなった、という変化は生じていることと思う。そうした需要を満たすための飲み屋その他の場所も増えていることが想像できる。

    電気の利便性の向上により、この地域で今後いろいろ変わっていくもの、その変化により副次的な影響を受けて変容していくものなど、いろいろあることと思う。5年、10年くらいのスパンで比較してみると大変興味深いものがあるかもしれない。

  • 日本への短期滞在の数次査証

    日本とインドの間では査証の相互免除協定がないため、両国の国民が相手国を訪問する際には事前に査証を取得することが必要となる。

    相互免除の取決めがない場合においても、例えばタイにおいては日本国籍を持つ人物が空路入国の場合は30日間以内、中国の場合は15日以内の場合は査証無しでの滞在を認めるという措置がなされていることも少なくない。

    そうした措置がなされているのは日本国籍に限ったことではないが、相手国からの訪問者が自国で超過滞在、不法就労、法秩序等に係る問題を生じさせる事例が少なく、事前に在外公館の査証発行に関わる事務手続き等の負担を軽減させることや観光促進等の目的などでこのようなことがなされることが多い。

    また、いかなる滞在期間、目的であっても査証の取得は必須ということになっていても、カンボジアのように、観光目的であれば入国時に滞在可能期間30日の査証が取得できるような国もある。入国前の事前審査という部分が形骸化しており、事実上の入国税的なものとなっていると捉えることもできるかと思う。

    インドにおいても、Tourist Visa on Arrivalという制度により、カンボジア、フィンランド、インドネシア、日本、ラオス、ルクセンブルク、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、ベトナム国籍の人々が観光目的で訪印する場合について、バンガロール、チェンナイ、デリー、ハイデラーバード、コーチン、コールカーター、ムンバイー、トリバンドラムの空港から入国する場合においては、その場で30日以内の滞在が可能となる査証が発行されることになっており、私たち日本人にとっては、インドを旅行するにあたり査証取得についてのひとつの選択肢となっている。

    さて、日本においては査証相互免除協定を結んでいる相手国以外において、本来は観光目的というわけではないが、国によっては数次有効の短期滞在査証の制度の対象としている。

    数次有効の短期滞在ビザ(外務省)

    今年の7月からは、この制度がインド国籍の人々にも適用されることとなった。観光目的での取得も可能としていること、インド国籍の人が第三国でも申請可能としている点(申請人が居住している国以外では申請不可)において、他国籍の人々に対するものよりも多少弾力的に運用されるものであるように思われる。査証の有効期限は1年間または3年間、滞在期限は1回あたり15日以内である。

    ンド国民に対する短期滞在数次ビザの発給開始について (在インド日本国大使館)

    インド国民に対する数次有効の短期滞在ビザ申請手続きの概要 (外務省外国人課)

    日印間での人々の往来が以前よりも活発になってきている昨今、日本でITその他の分野で働くインドの人々自身以外にも、その親、配偶者、子供といった関係にある人々による日本への短期訪問も相当増えているうえに、日本に居住する親族訪問以外ではなく観光目的でやってくるケースも決して珍しいものではなくなってきている。

    同様に、インドでも日本人に対して有効期限5年間くらいで、1回の滞在可能期間が30日以内・・・といった具合の数次査証を発行してくれるようになるといいのだが、などと虫の良いことを夢想してみたりしてしまう。

  • ユニクロがインドへ

    だいぶ前からユニクロがインド進出を検討している話はニュースになっていたが、このところ更に具体的な内容が伝えられてきており、もはや進出するのかどうか?ではなく、進出はいつになるのか?という段階まで来ている。

    6月のものになるが以下のような記事を目にした人は多いだろう。

    ユニクロの柳井氏がインド首相と会談、市場参入実現へ布石(THE WALL STREET JOURNAL)

    これまで隣国のバーングラーデーシュでの操業で培ったノウハウは、インドでも応用できるものも少なくないことであろうし、それ自体が将来インドに進出するための布石であったという部分もあるに違いない。同社が日本その他の国で展開している路線とは少々異なるものも柔軟に受け入れる必要があることを学んだはずだ。

    そう遠くない未来に、インド各地のモールや商業地の一等地に店舗を構えているのを目にするようになることを容易に想像できるし、おそらくインドならではのアイテムも製造・販売することになるのではないだろうか。

    また、インドは同社にとっての大きな市場であるとともに、加工基地としての狙いも大きいため、インドで独自の素材を利用したアイテムを製造して、それらを日本その他の国々で販売するということも想定しているはず。

    「どこに行ってもみんな同じ格好している」ことについて、また「ブラック企業という批判」等々、同社をめぐっていろいろな評判はあるものの、「全国どこに行っても悪くないものが手軽な価格でいつでも手に入り供給も豊富」であるということを欲している人々は非常に多いため、少なくともそうした多数の消費者の利益に適っていることは誰も否定できない。

    とりわけインドのように、若年層の人口が厚く、大都市部とそれ以外の地域で市場に供給される衣料品の質の格差が大きい国では、とりわけ同社の店舗が大都市圏の外にも拡大していけば、大変歓迎されることと思う。ユニクロが成功しない理由を見つけるほうが難しいのではないだろうか。