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カテゴリー: economy

  • SIMフリーのiPhone発売

    SIMフリーのiPhone発売

    先日、日本のアップルストアでSIMフリーのiPhone (5Sならびに5C)の販売を開始した。

    これにより、日本で購入・使用しているiPhoneがジェイルブレイク等することなしに、アップルのサポートの範囲内で、SIMを差し換えて利用できるようになる。

    日本国内の新日本通信その他の格安SIMはもちろんのこと、海外のインドその他の国々で現地SIMを購入したうえで、日本国内で使っているのと基本的に同じ環境でそのまま使用できることのメリットは大きい。

    その他のスマートフォンにおいては、docomoの場合は自社で販売しているモデルについてSIM解除手数料3,150(消費税込)を支払えば、SIMフリー化してもらえる措置はあったものの決して安い出費ではない。そうして解除してみても、docomo以外のSIMを挿入するとテザリングは利用できない仕様になっていたりする制限があった。

    しかしながら先述の格安SIMはインターネットの通信速度が非常にスローであるし、かといって携帯電話各社は、基本的に通信回線契約とハンドセットの販売は抱き合わせになっているという不便がある。

    つまり新しいハンドセットを購入する際に「月々割」その他の名称で、毎月の通信料金から一定の金額を差し引くことにより、「実質ゼロ円で購入できます」などという形で消費者に対して回線契約あるいは更新時に新しい機種を購入するように「強要」しているからだ。

    もともと日本の携帯電話の通信料金はかなり割高に設定されており、そこからわざわざ本体価格を割り引いたように見せる姑息な手段ではあるものの、そうした月々の割引とやらが適用さそるのは、あくまでもハンドセットを回線契約ないしは更新と同時に購入した場合のみであり、自前のものを持ち込むと毎月の通信料金がずいぶん割高になってしまう。

    同様に契約期間満了時に、それまで使ってきたハンドセットをそのまま継続して使用するつもりであっても、その時点で購入時に与えられた月々の割引が終了してしまうため、再度ハンドセットを購入することにより、新しい契約期間内の月々の割引を適用してもらうようにしないと、これまた毎月の出費が大きくなってしまう。

    業界全体がそういう商習慣になっているため、アップルストアでSIMフリーのiPhoneが発売されたからといって、それが爆発的に売れるようになるとは思えない。従前からSIMフリー端末を海外で購入する人たちは多かったし、日本国内のユーザーに対して、香港などの現地価格とあまり変わらない価格で海外からSIMフリーのスマートフォンを手配する通信販売業者はあった。

    現状では、多くの場合、特定の機種を利用したいという場合、それがiPhoneであれ、ギャラクシーノートであれ、それらを販売している通信会社と契約しなくてはならない。こうした日本と同様の販売方法をとっている国は他にもあるとはいえ、多くは通信契約とハンドセットの購入は別々となるのが基本である。

    つまり自分が利用したい携帯電話機を購入したうえで、自分の都合に合った契約を通信会社と交わす。従来からの固定電話と同じことだ。

    インドのように、ポストペイド契約主体に頼るだけでは顧客を獲得することが困難な市場環境の国で普及している、基本料設定がなくて維持費が格安のプリペイド方式が日本にもあったならば(日本のキャリアにもプリペイドのプランはあることはあるが、あまり気軽に利用できるような内容ではない)、個人でも複数台所有することが容易になる。

    日本の携帯電話事情は、大手の携帯電話事業者自身とそれらと癒着した各メーカーの都合で動いており、ユーザーの利便性は置き去りにされている印象が強い。

    そういう意味では、中古携帯のマーケットが充実していて、中国その他の国々で製造された格安ハンドセットが普及しており、月々の基本料金なしで格安の維持費(通信料も世界最安級)で利用できるインドの携帯電話事情(中古ガラケー利用を前提とすると破格の安値)は、日本に比べてはるかに「ユーザーフレンドリー」度が高く、羨ましく思えてしまう。

  • NIKKEI ASIAN REVIEW創刊

    NIKKEI ASIAN REVIEW創刊

    今年9月からPre – Launch Issueとして出ていた週刊NIKKEI ASIAN REVIEWが、11月21日号をもってついに正式に「創刊」となった。PCで閲覧はもちろんのこと、iPad、iPhoneやAndroidで専用のアプリをインストールして読むこともできる。創刊号の目玉はミャンマー関係の記事で、やはり今のアジアではミャンマーが最も注目されるのは当然のことであるのは言うまでもない。

    ひょっとすると日本初の国際的に影響力のある週刊経済誌となるかと、少々期待したのであるが、残念ながら少なくとも今のところはそのようなレベルではない。あまりに表面をなぞったような短い記事が並んでおり、取り上げられている事象の背景の詳細な分析もないため、経済誌の見出しだけ読んでいるような気がする。これではあまりに貧弱すぎる。

    今後の発展に期待することにしたい。

  • 紅茶レジェンド

    紅茶レジェンド

    慌ただしい朝に少々時間を気にしながらも楽しむ一杯の紅茶、昼下がりに読書をしながら楽しむ紅茶、午後に友と語らいながら楽しむ一杯の紅茶、夕方になって傾く陽を眺めながら楽しむ一杯の紅茶。どれもとっても素敵な時間を与えてくれるものだ。

    紅茶というものが世の中になかったとしても、同じように時間が経過していき、同じように日々が過ぎていくのだろうけれども、この一杯の安らぎのない生活というものは考えられない。コーヒー好きの人にとってのコーヒーと同じことだが、この一杯あってこその充足感、気分の切り替え、解放感がある。

    味わいをゆっくりと楽しみ、気持ちがすっきりするけれども、酔わないのがいい。だから朝から晩まで、時間帯を問わず、場所を問わずに楽しむことができる。お茶を淹れることができる設備がないような場所では、もちろんペットボトルに入った紅茶だって立派な紅茶に違いない。カップで熱い紅茶を啜るのとはかなり気分は違うけれども、やっぱり気持ちを解放してくれる。

    私は紅茶が大好きだ。けれども産地やブランドへのこだわりは正直なところまったくない。色合い香りともに派手なセイロンティー、上品で風格のあるダージリンティー、地元原種の茶の木がルーツのアッサムティー等々、それぞれの個性がどれも楽しい。

    はてまた、イギリス式のティーでもインド式のチャーイでも私にとってはどちらも紅茶。どんなお茶でも自分で淹れるし、淹れていただけるならばどんな紅茶でも美味しくいただく。

    あればいつでも嬉しい紅茶だが、長年茶商として営んできて、紅茶エッセイストとしても知られる著者によるイギリスと紅茶の歴史の本がある。

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    書名:紅茶レジェンド

    著者:磯淵猛

    出版社:土屋書店 (2009/01)

    ISBN-10:4806910155

    ISBN-13:978-4806910152

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    紅茶と血を分けた兄弟である中国茶の数々、中国沿岸部から雲南までを経てミャンマーへと広がる茶の栽培地域。そのさらに先にインドのアッサム、ダージリンといった紅茶の産地へと足を運び、それぞれの地域での特色ある喫茶習慣はてまた食べ物としてのお茶を紹介。

    トワイニングとリプトンという、紅茶業の二大巨頭の事業の変遷、イギリスや世界各地での喫茶習慣の普及と大衆化についての流れが語られていく。

    そしてともにスコットランド出身、それぞれアッサムとスリランカで茶の栽培の先駆者として歴史に名を刻んだチャールズ・アレクサンダー・ブルースとジェイムス・テイラーの生涯についても紹介されている。後世に生きて紅茶を楽しむ私たちにとって、どちらもありがたい恩人たちだ。

    茶園で働く人々によって手摘みされる茶葉、製茶場での加工の過程、その後の流通やパッケージング等々に想像を働かせつつ、現在の紅茶世界の背後にある歴史に思いを馳せると、カップの中で湯気を立てて揺れている紅茶がますます愛おしくなる。

    人類の長い歴史の中で、紅茶出現後、しかも紅茶の大衆化以降に生きることを大変嬉しく思う・・・などと書いては大げさ過ぎるだろうか。

    蛇足ながら、近年刊行された紅茶関係の本としては、こちらもお勧めだ。

    紅茶スパイ(indo.to)

    とにかく私は紅茶が大好きである。

  • バーングラーデーシュ市場に販路を目論むユニクロ

    中国一辺倒であった生産拠点を他国への分散を図るユニクロがバーングラーデーシュでの製造に力を入れ始めるとともに、マイクロ・クレジットの成功で知られるグラーミーン銀行との提携で、現地会社グラーミーン・ユニクロを設立したのは2010年のこと。

    ユニクロのソーシャル・ビジネスという位置づけにて、地場産業から調達できる素材による現地請負業者が生産した製品を、現地の委託請負販売者が顧客に対面販売をするという形での取り組みがなされていたことは以前取り上げてみたとおり。

    Grameen UNIQLO (indo.to)

    おそらくこうした試みの中で、このビジネスがモノになるという確信を得たのであろう。ユニクロは同国で今後1年間に30店舗のオープンという目標を掲げるに至った。カジュアル衣料販売で世界第4位の同社が、ZARA、H&Mといったライバルを追い抜いて世界トップに躍り出ることを画策する同社の狙いは、これまで競合する他社が手を付けていない最貧国市場での大きなシェアの獲得である。

    11月17日(日)午後9時からNHKで「成長か、死か ~ユニクロ 40億人市場への賭け~」という番組が放送されていた。

    内容は近年の業界の勢力図とライバル各社の動向、そしてこれまでターゲットとしていなかった最貧国市場への進出と現地でのスタッフたちが格闘する日々、そして現地を代表するアパレル企業トップからユニクロへのアドバイス他といった具合だ。

    その中で、ユニクロが展開するカジュアル衣料は現地の女性たちにあまり受け入れられず、今年7月にオープンした第1号店ではあまりに女性客への売れ行きが芳しくないので、急遽地元のバーザールからシャルワール・カミーズを調達して店舗で販売するといった一幕、女性スタッフが現地の女性たちのお宅を訪問してクローゼットの中を見せてもらったら、誰もがほとんどサーリーやシャルワール・カミーズ以外の服をほとんど持っていないことに驚くなどといった場面があったが、いくら何でもこのあたりの事情については事前のリサーチで判っているはずの基本的な事柄なので、何らかの作為のあるヤラセのストーリーなのではないかと思った。

    いずれにしても、今回の路線転換により、「ソーシャル・ビジネスです」と、トーンを抑えていた同国での市場展開が、「ビジネスそのものが目的です」という本音を剥き出しにした市場獲得へのダッシュとなったことは注目に値する。最貧国市場への浸透といってもこれが意味するところの地域は世界中各地に広がっているが、バーングラーデーシュは、人口は1億6千万人に迫ろうかという巨大な規模であるにもかかわらず、国土の面積は北海道の2倍弱という地理的なコンパクトにまとまっているという魅力があり、今後同業他社や異業種の企業等の進出も期待されている中、ユニクロの進出が呼び水となり、同国のマーケットとしての魅力がこれまでよりも大きく取り沙汰されるようになるのだろう。

    こうした番組について、以前であれば「再放送されることを期待しよう」などとするしかなかったのだが、最近のNHKはウェブでのオンデマンド放送も実施しているので、興味関心のある方は視聴されることをお勧めしたい。本来は有料だが、まだアクセスしたことがなければ無料でお試し視聴もできるようになっているようだ。

    成長か、死か ~ユニクロ 40億人市場への賭け~ (NHKオンデマンド)

  • 異なる世界の狭間 ミャンマー

    3回連続でのミャンマー関係の話題で恐縮である。

    しかしながらインドの隣国であること、英領期にはインドと合邦していた時期もあること、ムガル最後の皇帝バハードゥル・シャー・ザファルの流刑地であったこと、20世紀初頭のヤンゴンは事実上「インドの街」であったことなどから、インド繋がりで関心のあるミャンマーということでご容赦願いたい。

    Travel Visionのサイトを閲覧していると、今年の7月から8月にかけての古い記事になるが以下のようなものがあった。

    ミャンマー国際航空、9月にチャーター4本、JTB九州単独で (Travel Vision)

    首都圏や大阪エリア以外でもミャンマーへの航空需要の観測気球が上げられているようだ。今年のGWには成田と関空以外からも、福岡と沖縄からミャンマー国際航空(MAI)のチャーター便が飛んでいたとは知らなかった。

    またこんな記事もある。

    全日空、ミャンマーの新興航空会社に投資、株49%取得 (Travel Vision)

    「現在は国内線のみを展開しているが今年10月には国際線の就航を予定」とあるものの、今年11月現在までのところ、国際線への進出は果たしていない。しかしながら今後は全日空とのコードシェア便等の導入がなされることがあれば、大いに利用価値のあるものとなるかもしれない。

    一度就航して、間もなく運休していた直線距離にして100km程度ながらも、タイ南部からが再就航した、こんなルートもある。

    ミャンマー、タイ、ノックエアー「モーラミャイン~メーソート」間の直行便再開(9月~)(Travel Vision)

    ミャンマーのモーラミャインとタイのメーソートの間にあるミャワディ/メーサウ国境は、今年8月末ごろから、ミャンマーとタイの他の3つの地点(タチレイ/メーサイ、ティーキー/プナユン、コタウン/ヤナウン)とともに、往来がタイ・ミャンマー以外の第三国の人々に対しても自由化(これまでは制限付きでこれらの地点を越えることができた)されることとなった。人の流れとともに、物流も盛んになることだろう。

    Four border checkpoints to be opened to all this week (The Nation)

    もとより、タイひいては東南アジア地域とインドを結ぶ動脈としての展開が期待されているミャンマーだけに、国境の東側、つまりタイ側と較べて半世紀ほど時代を遡ったようにみえる現在のミャンマーのこの地域においても、その時差をダッシュで取り戻そうとしているかのような変化が訪れることになるであろう。

    タイ側は経済活動が活発なので、いろいろな動きが伝えられてくるが、反対側の国境つまりインド側は経済面でも政治面でも後背地であるため、華やかなニュースに欠ける。しかしながら、ナガランドからミャンマーへの鉄道接続計画、北東インドの街からミャンマーの街への国際バスルート開設の構想なども聞こえてくる。

    当然のことながら、同じく国境を接している中国とミャンマーの間の行き来も非常に活発で、雲南省と隣り合わせのミャンマー北東部のラーショーなどのように、商売のため越境してくる中国人のプレゼンスが大変目立っていたり、このエリアで走り回る乗用車、トラック、バイクなども日本車ではなく、中国からの輸入車両が多かったりといった具合に、中国の存在感が大きい。

    何よりも、ミャンマーが欧米先進国等による経済制裁下にあった時代、大手を振って進出してきて広く浸透したのが中国資本であり、市場を席巻する中国製品である。

    中国と東南アジアの狭間であり、南アジアと東南アジアを繋ぐ地勢でもあり、また中国とインドをリンクする地域でもある。

    経済発展により、多民族国家の生活様式や文化の多様さは失われていく運命にあるのかもしれないが、周囲との行き来が活発になることにより、ミャンマーを取り囲む、文化・伝統が異なり、政治体制も経済も何もかもが異なる「世界」からの影響を受けて、どのように変化・発展を遂げていくのか非常に興味のあるところだ。

  • ミャンマーの空が近くなる

    今年のGWにミャンマー国際航空(MAI)がミャンマーと日本の間のチャーター便を飛ばしたことは以前お伝えしたとおり。

    MAI (Myanmar Airways International) ミャンマーから日本への直行便就航 (indo.to)

    ※2013年のGWのみ

    このときには成田からマンダレー、ヤンゴンから成田、そして関空からマンダレー、ヤンゴンから成田のフライトであったが、来年2月には茨城からマンダレー、ヤンゴンから茨城というルートで5本のチャーターフライトが運行する予定だ。

    ミャンマー国際航空、2月に茨城チャーター、計5本 (Travel Vision)

    すでに全日空が成田からヤンゴンへの直行便が毎日就航しているところだが、ミャンマー側の航空会社も定期便を飛ばすようになると直行便の選択肢が増えてありがたい。

    同様に、以下のような動きもある。これまで隣国のタイと較べて、実質の距離以上の隔たりが感じられたミャンマーの空が、少しでも近くなってくれるとありがたい。

    ミャンマーと航空当局間協議、オープンスカイ視野に (Travel Vision)

    ミャンマー、成田路線が自由化、以遠権も (Travel Vision)

     

     

  • ミャンマーの国内線フライト ネット予約とEチケット発行が可能に

    ミャンマーの国内線フライト ネット予約とEチケット発行が可能に

    クレジットカードによる支払いとEチケット発行ができるようになった!

    このところ、インドのお隣のミャンマーを巡る様々な動きは実に目まぐるしく変化しているが、旅行事情も同様である。

    従前は、基本的にクレジットカードは使用できなかった。ヤンゴンのような大都市の一部の外資系高級ホテルではカードによる支払いは可能であったようだが、実際の決済は国外でなされる形であったため、厳密に言うとミャンマー国内での支払いということにはならなかったようだ。もちろんその分、割高になってしまうのは言うまでもない。

    そんな具合であったので、ミャンマー到着前に国内線のフライトを押さえようという場合、同国内の旅行代理店に依頼して予約を取ってもらう必要があった。代金は現地に到着してから航空券と引き換えであったり、代理店がミャンマー国外に持っている銀行口座に振り込むという具合であったりした。

    筆者が幾度か利用した旅行代理店の場合、ミャンマーに到着してから米ドル現金払いであったが、先方にとっては決して小さくないリスクを負う取引きであったはずだ。

    フライトを依頼した人がちゃんと約束の日時に現れなかったりしたら、そのチケット代金は代理店自身が被ることになってしまう。世の中にはいろんな人がいるので、もともと行く気がないのにいたずらで予約を依頼したり、あるいは突発的な理由により予定直前にミャンマーを訪れることができなくなり、代理店で発券後であるにもかかわらず、放置してしまったりするような人もいるのではないかと思う。

    いっぽう、利用者側にしてみると、旅行代理店に対して搭乗したいフライトについて、電子メールで自分の目的地、日程、希望の時間等々を伝えて、予約が確定するまでの間に、おそらく数往復のメールがあることだろう。その間に数日間はみておかなくてはならないので面倒であるとともに、急に思い立って訪問という場合にはなかなか難しい。加えて現地での航空券の受け取りという手間もある。平日の昼間に到着する便で、受け取りが空港であればいいかもしれないが、夕方以降であったり、週末であったりすると、別料金というケースも少なくないようだ。

    他の多くの国々の場合は搭乗を考えている航空会社のウェブサイトあるいはskyscannerその他の予約サイトで簡単に席が確保できてしまうのと較べるとずいぶんな手間である。

    そんな事情も、ミャンマーでクレジットカードの決済が可能となったことにより、大きく変化した。今のところ国内線航空会社により対応は様々かもしれないが、エア・バガンはカードによる支払いにより、即時Eチケット発行という形になっている。間もなく他社のサイトも同様に整備されることだろう。

    航空券の事前予約と同様に、ミャンマー旅行において不便であったことのひとつのお金の事柄もある。観光地の入域料や宿泊費の支払いが基本的にはドル払いであったことだ。これにより、小額紙幣を含めた米ドル現金をかなり多量に持ち歩く必要があった。

    だが、これについても変化の兆しはあった。「ミャンマーブーム」の今年前半ならびにと昨年同時期の訪問で、場所によっては現地通貨チャット払いの選択もできたことである。それが今では、すべての場所についての適用かどうかよくわからないが、入域料はチャット払いとなっている。

    ミャンマー、各観光地の外国人入域料、現地通貨チャットでの支払いに (Travel Vision)

    外貨による支払いとなっていたのは、同国の外貨事情が逼迫していることによるものであったため、現在のように外国からの投資がブームとなると、当然の帰結として必要度が下がる。また、言うまでもないことだが、現金を扱う出納上でも現地通貨のほうが都合がよいことはもちろんのことだ。

    先述のクレジットカードのことはもとより、トラベラーズチェックも基本的に使用できなかったミャンマーだが、これについては経済制裁により、欧米先進国等との金融ネットワークから遮断されていたことが理由である。制裁を加えていた側との関係改善により、様々な方面での規制が廃止されたり、大幅に緩和されたりしている。

    日本から持参したカードでATMから現地通貨で引き下ろすこともできるようになっているため、従前のようにミャンマーで両替するお金はすべて米ドル現金で持参という不用心なこともしなくてよくなってきている。

    VISAカード、ミャンマーでATM取引開始 (ミャンマービジネスニュース)

    国内の様々な少数民族と政府の間で続いてきた紛争も、このところ和解が進んでいることから、外国人が入域することすらできなかった地域も次第に訪問が可能となってくると、新たな見どころが「発見」されていくことになることが予想される。

    そうした地域は同国の周縁部に多いため、やがては大手を振って陸路で行き来できる地点も出てくるはず。タイやマレーシアはもちろんのこと、インドの北東部とも長い国境を接しているため、東南アジアからインドへ陸路で抜けることが可能になるのもそう遠い未来のことではないだろう。

    経済制裁により孤立していたことにより、ちょっと特殊であったミャンマーの旅行事情だが、今後加速がついてどんどん「普通の国」となっていく方向にある。

    目下、ミャンマーをめぐる様々なニュースから目が離せない。

  • 観光は平和と安定の呼び水

    観光は平和と安定の呼び水

    中華人民共和国国家旅游局のインドにおける出先機関である中国駐新徳里旅游辦事処(China Tourism)をニューデリーのチャナキャプリに構えている。

    インドにおける対中不信感は根強く、しかもそれを風化させないようにと中国側が努めているかのように、ときおりインド領内への中国軍の侵入があったり、その他両国間の領土問題に関する挑発的な発言や行為があったりする。

    そんなこともあってか、中国の公の機関としての活動は控えめなのかもしれない。だが、やはり90年代以降、インドでとどまることなく高まり続ける旅行に対する意欲は、インドから多くの旅行者たちを国内各地はもちろん、国外にも送り出してきている。

    こうした分野で集客を現場で牽引しているのは、インドにあっても中国にあっても民間の力である。インドからの年間に1,400万人ほどの出国者たちの中から、中国を訪問している人たちの規模はすでに60万人を突破している。これに対して、出国者の規模は8,000万人を超えている中国からインドを訪れる人たちは10万人強ということだ。

    これらの数字には観光と業務を区別していないため、このうちどのくらいの人たちが観光目的なのかは判然としない。だが、かつてない規模で人々の行き来がある中、観光先でたまたま出会ったのがきっかけで知己となったり、仕事で協力関係にあったりなどといった具合に個人的な付き合いも増えていることだろう。中国からみたインドという国のイメージはもちろんのこと、インドにおける中国の印象も、個々のレベルではかなり異なったものとなっていくはずだ。

    国家という往々にして傲慢かつ身勝手な組織が、自分たちの側と相手側との間に不信感や緊張感があるからといって、それぞれの国に所属する市民たちが自らの国家に迎合して相手側を適視する必要などない。高い文化や資質を持つ両国の人たちが、平和に共存することは、互いの安全保障上でこのうえなく大切なことであるとともに、その「平和」と「安定」の恩恵は東アジアのさらに東端にある私たちにも与えられることは言うまでもない。

    「観光」の多くは物見遊山に終始することだろう。それでも体験と記憶はそれを経験した人の心の中に長く残るとともに、訪問地への「また訪れてみたいな」憧憬というポジティヴなイメージを形成する。また、観光がきっかけでその国に留学したり、仕事絡みで関わってみたりという形で、その土地への関与を深めていく人たちも少なくない。

    観光とは、単に産業としてのみならず、安定と平和の呼び水という側面にも注目すべきであると私は考えている。

  • ミャンマーのメディアを国外で読む

    近年、経済面からアジア最後のフロンティアとして注目されているミャンマーでは日々、様々な動きがあるものの、まだまだ国外に伝えられる情報には限りがある。

    国内各方面で進む自由化とともに、報道の分野でも緩和が進むことから、民間資本による新聞や雑誌などのメディアも雨後の筍のように増えてきている。紙媒体以外にもネットで積極的に発信するようになってきている。

    だがこうしたメディアの歴史が浅いこともさることながら、インドと同じく旧英領の国でありながらも、現在は「英語の国」ではないため、海外への発信力となるとかなり弱いと言わざるを得ない。

    インドと異なり、独立後のミャンマーでは行政や教育の分野等で、英語の排除とミャンマー語化が進んだため、旧英領とはまったく思えない「英語の通用度」となっている。

    それはさておき、総体としてミャンマー語の印刷物の洪水の中で、数多くないが存在する英語メディアは貴重な存在といえるのだが、これまたこうしたメディアの草創期にあるためか、以下のようなウェブサイトが存在する。

    Myanmar Journal Download

    ミャンマーのニュースから始まり、音楽、スポーツ、テレビ、PC、ショッピング等々、様々な分野の雑誌をPDFで閲覧することができる。

    版元が異なるこれほど沢山の雑誌類を無料で読むことができるというのはなかなか凄いことだ。ミャンマー語が出来ないのが非常に残念になるほどだ。

    こうした形での誌面の公開がいつまで続くのかわからないが、利用できるうちはミャンマーの英語メディアに目を通しておこうと思っている。

    ※「ツォ・モリリへ4」は後日掲載します。

  • ブームのミャンマー ついにこういう本まで!

    ブームのミャンマー ついにこういう本まで!

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    このところ経済界から『旬な国』とされているミャンマーだが、ついにこういった書籍まで発行されるに至っている。

    これでもう迷わない!ミャンマー ビジネス・出張・駐在ガイド(週刊ダイヤモンド別冊)

    コンテンツの一部をチラリと覗くこともできるようになっているが、読み物としてもなかなか面白そうだ。

    私はミャンマーでビジネスを行なう人間ではないが、なかなか面白そうなので、目を通しておくことにする。

     

  • スィーパウの町1

    スィーパウの町1

    味わいのある建物がある。
    なかなか落ち着いた感じの町並み

    スィーパウはミャンマーのシャン州の町だが、周囲に様々な少数民族の集落が多いことから、それらを訪れる目的でやってくる外国人は少なくない。

    洋シャン折衷といった感じの建物も見かける。
    これまたひとつの洋シャン折衷スタイル

    この町自体、ピンウールウィンやカローのような、英領時代を思わせるヒルステーションのような高貴な雰囲気はないのだが、シャン州らしい木造で味わいのある建物を多く目にすることができる。

    シャン州らしい造りの家屋

    マンダレーからラーショーに向かう鉄道路線の中間点であること、この地域は軍の要衝のひとつであることなどもあって、植民地時代に住み着いたインド系・ネパール系の人々の姿もよくある。

    だがここで一番大きなプレゼンスを感じるのは、やはり隣国中国だろう。中国系の人々の姿も少なくないのだが、中国人が多いというわけではなく、数世代に渡ってミャンマーに暮らしている華人たちはよく見かける。それ以上に、中国製品の浸透ぶりには目を見張るものがある。

    マーケットで売られている衣類や日用品といったものばかりだけではない。街道を行き交うトレーラーやトラックといった物資輸送の車両の多くは、もはや日本の中古車ではなく、左ハンドルの真新しい中国製車両だ。人々が乗り回すバイクも、価格が高い日本メーカーのものではなく、安価な中国製二輪車だ。

    町でみかけるバイクのほとんどがこの類のモデル
    これもまた中国製

    だがもちろん一般的な乗用車やバスは日本製の年季が入った中古車がほとんどだ。中・長距離バスとして使用されている日本の観光バスや長距離バスとして使用されてきた比較的新しい車両はもちろんのこと、古いバスの場合は「カーゴバス」と呼ばれる、前半分が乗客の座席で後ろ半分が荷物用となっているものを目にすることが多い。

    カーゴバス 前半分客席で後半分が荷物積載スペース

    パンカム村への一泊二日のミニトレッキングから戻ったばかり。空腹を満たすために出かけたのは華人が経営する食堂。中華系移民の子孫だが、慎ましい田舎町でこれほどの規模の飲食施設を経営できる才覚とは大したものだと思う。上階は結婚式その他のセレモニーに利用するホールとなっている。

    田舎町には似つかぬ規模の華人食堂。ただし価格は庶民的。

    <続く>

  • 隣国とどんどん繋がっていくミャンマー

    タイ航空の子会社、ノック・エアーが今年9月からミャンマーへの乗り入れを計画している。

    LCCではずいぶん前からエア・アジア、バンコク・エアウェイズがバンコクからヤンゴン便を運航させている。さらに前者は昨年10月からバンコクからマンダレーへのフライトを開始しており、後者も今年9月からこのルートに参入する。

    そうした中で、ノック・エアーは、タイの地方とミャンマーの地方を結ぶ、よりニッチな市場に手を伸ばそうとしている。今年9月から、タイのメーソトからミャンマーのマウラミャイン間を結ぶようになる。

    またヤンゴンへは、メーソトからのものと、現在はバンコクの第二空港となっているドンムアンからの乗り入れを年内に計画しているというのも興味深い。チェンマイからマンダレー、バガン行きの案というのも同様に面白い。

    今後、ミャンマーは隣国タイとの繋がりを更に深めていくことになるようだ。国境地域は多くが政治的に不安定であるため、なかなか陸路で周辺国と自由に出入りできるようになるまではまだ時間がかかることだろうが、この先5年、10年のスパンで眺めれば、現状とは大きく異なる未来が目の前に開けてくるように思われる。

    格安航空ノック、9月にミャンマー路線開設 (バンコク週報)