天まで届け!FREE TIBET !!

FREE TIBET !!
『Free Tibet !』
『中国はチベットから出て行け!』
『Stop killing in Tibet !』
『チベットに人権を!』
シュプレヒコールとともに長い長い行列が進んでいく。GW連休最終日の5月6日、中国の胡錦濤国家主席の来日に合わせて、東京都内で午後2時半からチベット問題に関する抗議デモが実行された。
今日の朝、突然『こういうのがあるよ』と友人に声をかけられた私は、いったいどういうグループが主催するものかもよくわかなかったが、ふたつ返事で参加することにした。集合場所はJR千駄ヶ谷駅近くにある日本青年館。チベット旗やプラカードなどを手にした大集団に合流。デモ隊はほぼ定刻どおりに出発した。まずは地下鉄外苑前方向に進んでいく。内外のさまざまなメディアの腕章をしたカメラマンたちがシャッターを切りまくっている。
チベットの旗が集結
私は隊列の先頭近くにいた。大声を上げて進んでくる行列を目にした人々の表情がなかなか面白い。『なんだ?』ときょとんとした顔あり、『がんばって!』と声援を送ってくれる人あり、物珍しそうに携帯電話を取り出して写真を撮る者あり。私自身は大集団の中のゴマ粒にしか過ぎないのだが、それでもなんだか気持ちいい。大勢の人々に見守られながら、隊列を先導するチベット人女性の野太い声に続いて、『FREE TIBET !』『チベットに自由を!』などといった単調なメッセージを大きく連呼していると、気分が高揚してくるようだ。
FREE TIBET !


昔、労働組合の動員でデモに参加したことはあったがこれとは全然違った。私を含めて『ああ、嫌だなあ、面倒くさいなあ・・・』と不承不承来ている人たちがほとんどなので、スピーカーを持った先導者が『労働者の××を守れー!』『政府は××の責任を果たせー!』と叫ぶ中、クルマの音に消え入るようなか細い声で『・・・マモレー』『・・・ハタセー』とつぶやいたり、口パクで声を上げてるふりをしていたりという具合だった。
だけど今日は、ネットで見つけた人、口コミで知った人たち等々、みんな自分の時間を割いて自発的に来ているだけあり、非常に騒々しくてよろしい。なるほど、これがデモなんだ。一緒に来た友人を除けば、周囲の人たちはみな見ず知らずの人たちだ。それでも声をひとつにして『中国はチベットから出て行けー!』と叫ぶのはとても気持ちがいい。
FREE TIBET !
国道246号にぶつかったところで右折。どこまで列が続いているのか振り返ってみると、実に果てしなく続く人、人、人の列。さきほど日本青年館を出るときよりも増えているような気がする。
『FREE TIBET !』
『チベットに自由を!』
果てしなく長い隊列は表参道に入った。
大きな並木が続く通りで、買い物をする若い女性たち、とおりすがりのカップルなどが足を止めてしばらく見入っている。
『中国は真実を隠すなぁー!』
『WE WANT JUSTICE !』
明治神宮を右手に見ながら、数千人規模のデモ隊は代々木公園へと行進していく。
『FREE TIBET !』
『フリイィー・ティベェェット!』
先導するチベット人女性の声もかすれそうになってくるが、それでも更にボリュームを上げてシュプレヒコールの連呼を続ける。私たちも負けじと大声を張り上げる。
道路反対側の車線から右翼の街宣車の隊列がやってきた。やっていることや目的は違うが、『共通の敵』を持つ味方?と思ってか、『チベット独立ぅ、ガンバレぇ』などというダミ声が常識外れな音量でこちらへ飛んでくる。
『チベットで聖火リレーをするなー!』
『STOP KILLING IN TIBET!』
隊列の先頭は代々木公園のステージがある広場に入ってきた。後続の人々を待ちながら『FREE TIBET !』『FREE TIBET !』とシュプレヒコールが続く。さきほども書いたが、集団でこの単調な叫びを続けることには、一種の覚醒効果のようなものがあるように感じられる。頭の中を空っぽにして、ただひたすら叫び続けるのが快感だ。
『FREE TIBET !』
『FREE TIBET !』
チベットに自由を!
隊列の最後尾が到着するまで1時間近くかかったように思う。ステージに上がった主催者側の発表によると、本日のデモの参加者は4千人を越えていたとのこと。最初から参加する目的で出発地点に集合した人々以外にも、沿道から隊列に加わる人たちもかなりあったとのことである。今の時代の日本で、こんな大規模なデモなんて珍しい。ちなみにこの日の抗議活動のために、チベット亡命政府議会のカルマ・チョペル・タグルンツァン議長もインドのダラムサラからはるばるやってきたとのことである。
『FREE TIBET !』
『FREE TIBET !』
今日のデモには、在日チベット人やチベット支持者たちやその賛同者たち以外にも、北朝鮮の民主化を求める団体、内モンゴルやウイグルの独立運動勢力なども参加しているそうで、ところどころにモンゴルの民族旗、中国に呑み込まれて消滅した幻の東トルキスタンの旗なども翻っている。
民族旗を手にする内モンゴルの女性
東トルキスタン旗
ウイグル代表の壮年男性
本日のデモ参加者たち全員が代々木公園に顔をそろえたところで集会が開始された。主催者や関係者等がそれぞれの立場でいろいろ発言している内容から、このデモがさまざまな異なる立場の人たちの連帯により組織されたことがわかってきた。上記の中国内の他の少数民族支持者や団体との共闘という部分もあるが、日本側にはチベット支持以前に、かなり強く『反共』を意識した右翼的思想を持つグループや個人が介在しているように見受けられた。実際、ステージでもそのような類の発言がなされるのを耳にして非常に違和感を抱かずにはいられない。もちん立場が違う人たちが手をたずさえることは必要なのだろうが、チベット問題が何か本来あるべきものとは別のところで利用されることがないよう願いたい。
ともあれ、日本でもこのところチベットをめぐる問題が人々の関心を集めるようになってきたことは喜ばしい。インドのダラムサラをはじめ、世界中に散らばるチベット人たちの思いが天まで届きますように!
『FREE TIBET !!』
チベットに自由を!
CNN Video 東京でチベット支持デモ
緊急アクションサイト チベット人の命を救え!! (SAVE TIBET NETWORK)
「チベット救え」都内で集会・デモ 胡主席来日 (asahi.com)
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