旅行向け三脚

 三脚といってもいろいろあるが、コンパクトカメラを使用している方ならば手軽に旅行先に持参しているものといえば、通常はいわゆるテーブル三脚、つまり小型の三脚なのではないかと思う。 

こうした類もピンキリだ。見るからに華奢なものから、なかなかしっかり造ってあり、小型の一眼レフと単焦点の標準レンズ程度の重量ならば充分に使えそうなものまでいろいろある。 

ただ置いて撮影するだけでなく、石突三か所を壁に当てて安定させてスローシャッターを切るという応用もできるし、あるとなかなか便利である。 

だがあくまでもテーブル三脚である。高さがまったくないため、地面に置いて使うのは毛現実的ではないし、使いたいところで適当な台があって高さを稼ぐことができるとは限らない。 

どうしてもシャッタースピードが遅くなってしまう場面、とりわけコンパクトデジカメの場合はセンサーが小さく、画面が荒れるので感度を上げたくない。かといってある程度の長さの三脚を持参するとなると、それなりの荷物になるため、わざわざ一眼レフを家に放っておいて、コンパクトデジカメ一台で、荷物に振り回されることなく身軽に出かけるというメリットが削がれてしまう。手軽なカメラを使うのにわざわざ三脚の出し入れやセッティング等をするのも面倒ではある。 

そんなわけでテーブル三脚以外のものを旅行先に持ち歩くという考えはまったくなかったのだが、昨年12月に発売されたVelbonのCUBEという、コンパクトデジカメ専用の三脚はかなり気になっている。 

重量は390g。やや大きめのコンパクトデジカメと同じくらいだが全高は940cm。しかも畳んだ状態は三本の脚と雲台がフラットに並ぶので小さなカバンの中でも邪魔にならない。さらには『世界最速』を謳う脚の出し入れのスピーディーさがスゴイ。 

世界最速セッティング – ミニ三脚「CUBE」(Youtube) 

これならば面倒などと思うことなく気軽に使う気になるだろう。3本の脚がフラットになっている状態で引き出すので杖のような形で持つこともできる。つまり一脚的な利用もできるだろう。常時カバンの中に潜ませておくと、野犬に囲まれたときの威嚇用にも使えそう(?)な気もする。 

もちろんコンパクトかつ軽量というのがウリなので、堅牢さを期待してはいけない。あくまでもコンパクトデジカメ専用ということもあり、脚を最大限に伸ばすと頼りなくグラつく。荷重は400g以内ということになっている。 それでもリコーのGRDやシグマのDP1といった軽量カメラを使う分には申し分ないし、収納性とスピーディーさという点からも唯一無二の存在である。 

日常的に持ち歩くのはもちろんのこと、旅行先に持参するにも非常に具合の良い三脚である。価格は5,000円以下、概ね4,500円前後といったところのようである。

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