Namaste Bollywood #17

namaste bollywood 17
4月18日から日本でも各地でロードショー公開されることが決まっているスラムドッグ・ミリオネアのアカデミー賞8部門受賞の興奮の渦の中、おなじみNamaste Bollywoodの最新号が発行された。
今号の表紙を飾るのはディーピカーだ。2007年後半にオーム・シャーンティ・オームを観たとき、スクリーンの向こうの彼女に一目惚れしてしまった私である。飛び抜けた美貌もさることながら、まだキャリアは浅いものの確かな演技力、そして瞳の力や眼差しの表現力に豊かな将来性を感じるのは私だけではないだろう。この人は何か持って生まれたものが違う気がする・・・と。
そんな彼女が今年の日本で大きくブレイクしそうな予感がする。Namaste Bollywood #17によれば、チャーンドニーチョウク・トゥ・チャイナが、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、スラムドッグ・ミリオネアとともに招待作品部門にて上映されるとのこと。
もちろんそれだけで日本の映画ファンの耳目を集めるはずはないのだが、なんと5月30日から東京新宿のシネマスクエアとうきゅう、舞浜のシネマイクスピアリにてロードショー公開されることが決まったそうだ。配給元はワーナーブラザーズで、日本語による公式サイトもすでに用意されている。
このところハリウッド資本がボリウッドに進出してきており、今後もその傾向はますます強まるものと思われる。果たしてこれが地元の映画産業にとって手放しで喜べるものなのかどうかについて判断するのは時期尚早と思われる。
だが少なくとも肯定的に受け止めることができるのは、米国資本による配給ルートを通じて、これまでインド映画圏外であった地域においても、ごく普通にロードショー公開される作品が増えるのではないかということだ。
『インド映画というモノは云々』と、良くも悪くも特別扱いするのではなく、『ごく普通に』という部分が肝心なのではないかと私は考えている。
観客に余計な先入観を与えることなく、また観る側もそうした雑音に惑わされることなく、ただひたすらスクリーンの上で展開していく美しい映像、楽しいストーリーを満喫すればいいだけのことだ。世の中に星の数ほどある数々の作品の中のひとつに、たまたまインドで作製された、あるいはインドを題材にして制作された映画があり、それがとびきり印象的だった・・・ということでいいのだ。
もちろんチャーンドニーチョウク・トゥ・チャイナは、日本の観客たちにとって、とても新鮮な映像として捉えられるであろうことは間違いないだろう。人によって程度の差こそあれ、私たちは香港発のカンフー映画にそれなりに親しんできて、私たちなりにカンフーに対する既成のイメージを抱いている。
だがこの作品に出てくるのは、それとはずいぶん違った味付けのインドテイストな中国の描写であり、カンフーアクションなのだから。また作品内で異なる二つのキャラクターを演じ切ったディーピカーに、インドからやってきた新たな麗しきヒロイン像として一気に注目が集まること必至と予想される。
なお彼女がボリウッド作品に初めて出演したオーム・シャーンティ・オームが、3月に開催される国際交流基金アジア映画ベストセレクションにおいて上映されるとのことだ。
2009年は日本で公開されるボリウッド作品がいろいろ続きそうな予感。追い風の中、Namaste Bollywood発の新鮮なインド映画界の情報に今後ますます期待しよう!
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※『新加坡的印度空間?』は後日掲載します。

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