舌がキレイすっきり

舌こき
 日本人の間で舌こき、つまり舌を掃除する習慣は一般的ではない(・・・と思う)が、ここ数年の間にドラッグストアその他で『タング・スクレーパー』なる商品名でプラスチック製のものが目に付くようになってきた。欧米メーカーの製品が多く数百円程度で購入できるのだが、どれも使い勝手はあまり良くない。このタング・スクレーパー、由来をネットで検索するとインドのアーユルヴェーダに結びつけた記事がよく目に付くのだが、実際のところどうなのだろうか?
 中世ヨーロッパで使われていたベッコウ製の舌こき、中国の清朝時代の銀製のものなどが現在もどこかに保管されているようなので、インドの専売特許というわけではないのかもしれない。
 近ごろは口臭予防や虫歯を防ぐといったことだけではなく、舌の上に蓄積される『舌苔』は有害な細菌類やウィルスが繁殖する温床となりやすいため、まめに除去することが勧められている。これを実践するだけでインフルエンザにかかりにくくなる、なんていう話さえあるくらいだ。
 私も4、5年前から毎日朝夕に実行するようになっている。気をつけていても虫歯ができやすく、どうにかならないものかと思い試してみたのだ。・・・といっても歯磨きをしてデンタルフロスで歯の間をきれいにしてからササッと舌を擦って掃除するだけなのだが。 
 ところが不思議なことにその後新たな虫歯は発生していない。おまけにカゼもほとんどひかなくなった。この間、身体を鍛えたわけではないし、病気に対する抵抗力が付く理由もないのだが。だからといってこれを舌掃除の効果と結び付けてしまうのは早計ではあるものの、一度習慣になってしまうと外泊の際に舌掃除の道具をうっかり持参していないとなんだか落ち着かなくなるものだ。
 目下愛用しているのはインド製のステンレスのタング・スクレーパー。舌掃除の本場(?)インドで、多くの人々が日々これを実践しているのかどうかは知らない。でもバザールで簡単に入手できて、価格も数ルピー程度と安価であるにもかかわらず使用感はすこぶる良い。先述の中世ヨーロッパや中国で使われていたものと形状はほとんど同じだ。人々の生活の中ですっかり完成されたカタチなのかもしれない。インドの生活用品の中で、これはスグレモノのひとつである。

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