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カテゴリー: disaster

  • インド発の新型コロナ治療薬

    インド国内で開発された新型コロナ治療薬がインド当局の認可を得て、いよいよ実用化されるとのこと。面白いのは「新型コロナ感染症治療薬」として開発されたことだけではなく、開発元が政府系の「防衛研究開発機構」であることだ。

    どの程度効果のある医薬品なのかは明らかではないが、今後医療機関での利用が進んでいく中で、効果の高いものであること、さらに改良を加えて大量に市中に出回るものとなることに期待したい。インド以外でも新型コロナ治療薬について研究は進んでいるのであろうけれども、ワクチンと違って、その進み具合がどうなのかについては、私たちはあまり知らされていないが、目の前にちょっぴり光明が射してきたような気がしなくもない。

    DRDO’s 2DG medicine to treat Covid-19: Availability, dosage, price (Hindustan Times)

  • インドのコロナの状況

    インドのコロナの状況

    今週のインディア・トゥデイの特集は現在のコロナの状況。表紙は火葬場に防護服姿の人たちが新たな遺体を運び込む様子で胸が痛む。インドで、一時は「これで収束に向かうか?」というムードであったころ(今年1月から2月)があったにもかかわらず、現在の状況に至ってしまった背景の分析がなされている。

    日本で取り沙汰される変異株だけではなく、祝祭等(宗教行事や結婚式等)が派手に繰り広げられるなど、安堵感の中での緩みがあったこと、一気に第2波(インドにおける第一波とは全国的なロッグダウン明けからの急拡大から昨年末あたりまで)が広がる中で、ワクチン接種のペースが追いつかなかったこと、医薬品の流通に阻害要因があったことなど、社会的背景などにも切り込んでいる。今後の成り行きがとても気になる。

    デリーのコロナ関係の動静について、インド各メディアが市内の大病院、「Ganga Ram Hospital」からの情報を掲載することが多い。この病院名を入れてニュースの検索をすると、たいへん緊迫した状況を伝える記事でいっぱいだ。現在90%の患者はコロナ感染者。大きな総合病院なのだが、心臓外科等を一時的に取りやめて、ほぼコロナ対応専門のようになっているそうだ。

  • 新型コロナ感染者が再急増のインド

    1月から2月にかけては、新型コロナウイルス感染症流行の沈静化が見られていたインドだが、再び急激に増加して、1日の発生が10万人越え。これまでで最悪の数字となっている。一時期は2万人台くらいまで下がっていたのだが。

    単純に言えば、日本の10倍の人口規模のインドなので、1日の新規罹患者数が2万数千人というのは、同じく2千人台の日本とちょうど同じくらいと言えた。これが10万人となると、日本で言えば1日の罹患者数が1万人となった場合と同等。

    ワクチン接種も粛々と進んでいるインドとはいえ、13億超という膨大な人口の前では、ウイルスと太刀打ちするのはなかなか難しいのかもしれない。

    India’s Covid-19 outbreak at its worst (Hindustan Times)

  • 新型コロナウイルス感染症 インドでは集団免疫達成も近し?

    このところインドで新規感染者数が激減。昨日は1万1千人超という数字であった。

    Latest News Highlights: 11,039 New Coronavirus Cases Take India’s Tally To Over 1.07 Crore (ndtv.com)

    昨年8月から9月にかけては毎日10万人に迫る規模であったのが嘘のようだ。

    この日の日本では2500人。インドは日本の10倍の人口を擁することから人口あたりの新規感染者という視点から見ると、インドはなんと日本の44%にしか過ぎないことになる。

    これは何故か?

    その答えはこちらの記事にあるのかもしれない。

    首都圏住民の半数以上が感染、血清調査で判明 (CNN.co.jp)

    首都圏人口の56%がこれまでに感染して抗体を持つ可能性があるとか、集団免疫達成には人口の60〜70%が免疫を持つ必要があるとか、いくつかの都市ではすでに集団免疫を獲得している可能性があるとも書かれている。

    いくつかの都市といえば、とりわけ、昨年初夏からひどくやられていたマハーラーシュトラ州内の街がいくつか頭の中に浮かぶ。ケーララ州、タミルナードゥ州にもそういう街があるかもしれない。

    そこにきてワクチン接種も始まっているのだから、案外コロナ禍からの脱出と立ち直りは早いかもしれない。感染者数の割には死亡者がやけに少ない(総数では大きなものだが、感染者数、人口に比すると欧米のひどい国の比ではない)のは、若年層に厚い人口構成が幸いしたのかもしれない。無症状や軽症で済んだ若者たちも多かったことだろう。

    実施された大規模な血清検査の結果、デリー首都圏では56%超の住民が新型コロナウイルスに感染して抗体が出来ているとのことだ。集団免疫達成には住民の6割から7割が免疫を持っている必要があるとされることから、どうやらこれが達成される日は遠くないようだ。

    ただしこの「集団免疫」について、よくわからないのは、新型コロナについては罹患したことがあっても免疫の効果は数か月しか持たないという話を聞くことだ。ワクチンについても接種完了したからといって、ずっと有効なわけではなく、こちらも数か月という。

    そのような状態なので、今後エンドレスで免疫が切れる頃にワクチンの接種を繰り返す生活を送らなくてはならないのだろうか。またそのようなことがインドをはじめとする途上国はもちろんのこと、先進国でも可能なのだろうか。

  • インドの5年ヴィザ

    観光目的でのe-Visaで「5年間有効」というものが導入されたのは昨年の夏の終わりから秋口にかけてであった。

    1回の滞在が180日以内、入国回数はマルチプルで取得日から5年間は、航空券さえ買えばインドに出入自由となることから、ずいぶん助かると思っていた。

    e-Visaによる入国は、インドにおける28の空港(アーメダーバード、アムリトサル、バグドグラ、ベンガルール、ブバーネシュワル、カリカット、チャンディーガル、チェンナイ、コーチン、コインバトール、デリー、ガヤー、ゴア、グワーハーティー、ハイテラーバード、ジャイプル、コルカタ、ラクナウ、マドゥライ、マンガロール、ムンバイー、ナーグプル、ポートブレアー、プネー、ティルチラッパリ、トリバンドラム、ヴァラーナースィー、ヴィシャカパトナム)及び海港(チェンナイ、コーチン、ゴア、マンガロール、ムンバイー)のみ可能となっており、陸路での入国は不可とされるらしいが、出国においては外国人が通過できるチェックポストならばどこでも可能なようだ。

    つまりインドから隣国のネパールに出てからインドに戻るという場合、例えば陸路でゴーラクプルからネパールに入り、カトマンズから空路でデリーに入るというような具合になるのだろう。

    これまでのヴィザの場合、いちいち申請する手間はもちろんのこと、パスボートにシール状のものが貼られるため、回数を重ねると冊子が厚くなってしまうのも難点であった。

    それまでのe-Visaは事前に出発前に申請した後、インドの空港に到着してから取得ということになっていたし、事前準備なしで空港で申請できるアライバルヴィザについては、担当官の対応がスローでとても時間がかかったりすることがあった。到着が深夜など変な時間の便だと疲労困憊することに加えて、事前に取得しておかないと、インドのことだから何かあるかもしれないという不安感からも、このところは事前に大使館で申請・取得することにしていたのだ。

    今回のe-Visaは、申請してからPDFで発行される。インドに行く際には、印刷したものを持参し、出国するまでこれを持参しておくというもので、これが5年間使えるというのは大変ありがたいものであった。このe-Visa取得に先立ち、10年旅券を申請した私である。

    同じパスボートで幾度もインドヴィザを繰り返し申請していると、大使館で「何の目的か?」と尋ねられて担当官との面接まで実施させられたこともあったし、あまり良いことはないため、これまでは有効期間5年間の旅券を繰り返し取得していた。

    そんなこんなで、5年間有効のe-Visaを取得したのは今年の1月のこと。これで安心していつでも時間と航空券を工面すればインドに行くことかできる、そして長い期間有効なインドヴィザを持っているので、途中で何回かパキスタンを訪問することについても懸念はないと安心しきっていると、新型コロナウイルス感染症の流行に足元をすくわれたのが今年の2月の終わりあたり。インド政府がイタリア、日本などの国籍の者に対して「発行したヴィザの効力を停止する。既に入国して滞在している者についてはこの限りにあらず(しかし出国すると再入国不可)」ということを発表したからだ。

    新型コロナウイルス感染症については、これまでで一番ひどいときには9月12日の97,570人、9月17日の97,894人をはじめとする10万人超の大台に迫ろうかという勢いであったが、10月6日には8月25日以来の61,267人という数字にまで下がっている。(それでも1日で6万人超というのは大変な規模だが・・・。)

    新型コロナ感染症の広がりが、ピークを過ぎようとしているのか、これから秋・冬と季節が移ろう中で、再度拡大していくのかについては、まったく予断を許さない状況にある。人口規模が大きいだけに、拡大していくとすればその伸びしろも大変大きなものとなってしまう。

    10月6日現在で新型コロナ感染者が世界で最も多いアメリカで7,679,908人、次いで2位のインドが6,685,082人という数字になっている。インドにおいて幸いなのは、日々の新規感染者数に近い規模の人数が毎日回復していると報じられていることだが、人口構成が若年層に厚いためだろう。。

    当分の間、インドに入国することはできなくなってしまっているが、人口大国のインドにおいてなんとか終息の方向へと進み、人々の暮らしや経済活動が再び軌道に乗って進んでいってくれることを切に願わずにはいられない。

     

  • コロナ禍の世界をインドが救うか

    パンデミック下の世界に対してインドが大きな貢献をすることになるかもしれない。

    いわゆる「クロロキン」として知られているマラリアの治療・予防薬が、新型コロナウイルス感染症の治療にも応用できるかもしれないからだ。

    なぜそこで「インドが」であるのかと言えば、毎年1,500万人もの人々が罹患する「マラリア大国」であるのだが、同時に世界有数の工業国でもあるインドは製薬の分野でも大きな存在感がある。おそらくクロロキンの生産、備蓄ともに世界一である。

    しかしながら、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い、自国消費が急拡大することが予想されるため、この薬品の輸出を一時的に禁止していた。

    そのため今月初めにアメリカのトランプ大統領がイントにクロロキンを大量に提供するようにと、半ば脅しも含めた依頼をしており、これに対してインドはアメリカに貸しを作る形で了承している。

    すると当然ながら他国からも同様のリクエストが相次ぐわけで、突如としてインドの「クロロキン外交」が始まったと言える。インドはこれまでの方針から方向転換して、国外へのクロロキン輸出を許可することを明らかにしている。国内の製材各社に対して、インド政府は大増産の発注をしている。

    果たして、本当にクロロキンが新型コロナウイルス感染症治療に対して顕著な効果を示すことができるのかはまた未知数だが、既存の医薬品が高い効果を示し、まさに「インドが世界を救う」ことを期待したい。

    Hydroxychloroquine: India agrees to release drug after Trump retaliation threat (BBC NEWS)

    Why the world is hungry for a coronavirus drug made in India (DW)

    India ready to help its friends in crisis: Modi (the pioneer)

  • インドの現状

    甚だ残念なことであるが、インドを含めた全世界が大変な状況にある。もちろん日本も大変危険な具合になっていて、今後がまったく予測すらできなくなっている。

    ここひと月半くらいに起きたことについて、旅行に関連する事柄を中心に簡単にまとめみると、以下のような具合になる。

    2月5日以前に中国で発行されたヴィザは無効となり、1月15日以降に中国への渡航歴がある人の入国が禁止されることになったのは2月20日過ぎ。

    2月26日になると、インド保健・家庭福祉省は,韓国,イラン,イタリアからのインドへの渡航者及び2月10日以降に韓国,イラン,イタリアへの渡航歴がある人は,インド到着後に14日間にわたり停留措置の対象となる可能性があることが伝えられた。

    2月27日には、日本国籍者による新規のe-Visaの申請受付が停止された。3月3日,インド国外にいるイタリア,イラン,韓国,日本の国籍者に対して3月3日以前に発給された全てのヴィザは無効となった。

    3月5日になると、スィッキム州が外国人の入域許可発行を停止した。同州住民を除き、インド人さえも入ることができなくなり、その後アルナーチャル・プラデーシュ州、連邦直轄地ラダックもこれに続いた。

    そして3月9日前後になると、デリーやバンガロールなどを始めとして、学校が休校となるところが出てきて、他地域もこれに追従する。

    3月10日にマニプルとミャンマーの国境が閉鎖となった。

    3月11日には、インド国外にいるフランス,ドイツ,スペイン国籍者に対して,3月11日以前に発給した全てのヴィザが無効となった。すでにこの時点でインドと世界各地を結ぶ国際線は大幅に減便となっている。

    3月12日には、外交,公用,国際連合及び国際機関,就労,プロジェクト査証を除く全ての査証の効力を4月15日まで停止との発表。ヴィザの種類を問わず、新規の発行は史実上停止されているため、新たに入国することは大変困難なものとなった

    インドに在住・滞在中の者については、引き続きヴィザは有効で、出国した時点で無効となる。そのため在住者たちは、急な用事があってもインドを出ることができない状態にある。新たなヴィザ取得も現在のところ望み薄なので、インドに進出している企業は、大きな人事異動の時期なのに、交代が実施できない状態に。

    3月19日,国際民間旅客航空便のインドへの着陸を3月22日から一週間停止すると発表した。(その後4月15日まで延長することが決定) 同日、モーディー首相は新型コロナウイルスに関して国民向けの演説を行い,その中で今後数週間の決意と自制を呼びかけるとともに,3月22日の午前7時から午後9時まで外出を禁止するJanata curfewを発表。

    3月22日のJanata curfewの解除に引き続き、23日に日付が切り替わる深夜から、インドにおける主要な商業地域を含む各地で3月末までのロックダウンを発表。

    3月24日,モーディー首相は新型コロナウイルスに関する演説を行い,25日0時から21日間,インド全土においてロックダウンを行うことを発表し,インドに居る全ての人々に対し,自宅又は滞在先に留まるよう呼びかけた。

    国鉄は貨物列車を除く全ての列車の運行を停止。長距離バスも同様。市内交通もバス、メトロ等も操業を停止。

    そうした状況下で、地方から都市部に出てきた出稼ぎの人たちは仕事がなくなり、かといって故郷に帰る手段もなくなった。住処を追い出された人もあり、食事を手に入れる現金もない人たちも。

    そんな状況下で、都市部の行政、NGO、宗教団体による炊き出し等が実施されるとともに、閉鎖中の学校施設をナイトシェルターとして彼らを収容する動きも。難民化した労働者たちの扱いに手を焼いたデリー政府は、特別バスを仕立てて、彼らをUP州やビハール州などの故郷に送還しようとするが、そうした動きの中でのクラスター発生と自州での感染拡大を恐れる地元政府の反発も。

    このような具合であるため、私自身は現在インドに滞在しているわけではないし、旅行しているわけでもない。目下、インドは旅行できる環境にはなく、「ロックダウンがどんな具合か」と興味本位で訪問するべきではないし、インドに居住してなすべき業務、そこで守るべき家庭があるのでなければ、逗留すべきでもない。

    よって、今後しばらくは、私がこのindo.toで取り上げるインドは、新型コロナウイルス感染症が広まる前のものであり、今の状況のインドへの訪問や滞在を勧めるものではない。

    あくまでも平常時のインドの魅力、興味深さ、楽しさなどを伝えたいがゆえの内容である。

    インドの人たちにとっても、私たちインドの外の人たちも、今は未知の新型ウイルスという共通の相手と闘っている。

    しばらく時間がかかるだろう。どのくらいの期間が必要とされるのか、想像もつかない。だがみんなが心を合わせて感染拡大に努めていれば、きっと私たち人間がウイルスを克服することができるだろう。そう信じたい。

    そしてすっかり事態が終息して、世界中で人々の往来がまた自由になったとき、まず最初にインドを訪問して旧交を温め、美味しいものをたくさん食べて、存分にインドを愉しみたいものだと思う。その時は必ずやってくる。夜の闇がどんなに暗くとも、朝は必ずやってくるのだから。

  • デリーの暴動

    新型コロナ騒動に影に隠れて、あまり国際的に報じられていないが、1985年以来、デリーにおける最大規模と言われる暴動が起きた。先月下旬のことである。

    1985年の暴動とは、言うまでもないが当時のインディラー・ガーンディーが自宅でスィク教徒の護衛に射殺された事件への反応として発生した大規模な反スィク教徒暴動のこと。犠牲者を沢山出したスィクコミュニティの中で、この事件をきっかけとして「信仰はスィクだが散髪し、ひげも剃る」という人たちが増えたとも言う。

    デリー北東部、主にヤムナー河の東側にあるカジューリー・カース、ゴーグルプリー、マウジプル、ジョーティ・ナガル、カルダムプリーといったあたりが、その暴力の吹きすさぶ地となった。暴徒により、居住しているムスリムの人々への大がかりな攻撃が行われた。
    CAA(改定市民法)、NRC(国民登録簿)の問題と反対運動は、当初ヒンドゥー至上主義的な政策vs世俗主義の対立であったが、いつの間にかヒンドゥーvsムスリムというコミュナルな対立にすり替えられてしまったかのようだ。

    この暴動の際、先のデリー準州議会選挙勝利により、2期続いて政権を担うことになった庶民党(AAP)のイスラーム教徒の活動家が、ムスリム側の暴徒の一味として、自宅にたくさんの武器を隠匿していたとして逮捕された。

    これに対して党主のアルヴィンド・ケージリーワル他の指導部は関与を否定するとともに対応に追われたが、この「活動家」とは、比較的最近になってから庶民党に加わったらしく、対立する陣営から送り込まれた工作活動家では?という疑惑がある。

    こうした暴動の際、「事前にターゲットとなるムスリム所有の建物に目印が記されていた」とか「暴徒を率いるリーダーらしき者に地元の協力者が『この店はムスリム』、『こちらの店はヒンドゥー』」と案内していたとかいう話がまことしやかに流れるが、真偽のほどはよくわからない。

    個々の民家の場合は掲げられている標札の名前で居住者の信仰は判るし、地域的な属性さえも明らか(主にUPからパンジャーブにかけてのジャート、ベンガーリーのムスリム、ヒマーチャルのブラーフマン等々)なことが少なくないが、ビルや商店となると必ずしもそうではない。

    そのため、明らかに特定のコミュニティがターゲットとするため事前工作や協力者による誘導があったとすれば、そうした選別は可能となるだろう。

    リンク先記事中の一番下に掲載されている写真を見ていただきたい。
    卍の印がついたヒンドゥーの家は無事であるらしいことを示しているのは、報道者の意図だろう。おそらくこの現場では、明白な選別が行われていたことを伝えたいのだと推測できる。

    こうした暴動の最中にも、襲撃されそうになっていたムスリムの人たちを大勢、安全なエリアに避難させたというスィクの若者、近隣のムスリム家族を自宅にかくまったというヒンドゥー紳士などの話もテレビニュースで伝えられていたのは幸いではあった。

    今回の暴動について、政治の関与についても言われているが、思い出すのはちょうど18年前の同じ時期に起きたグジャラート州での暴動。当時、同州のトップとその右腕は今の中央政府のそれとまったく同じコンビであった。これは単なる偶然か、それとも・・・。

    Delhi’s shame (INDIA TODAY)

  • 発行済のヴィザ効力停止

    従前より、中国の人々に発行されたインドヴィザの効力停止は伝えられていたが、日本人に対しては、ここ数日間でヴィザ・オン・アライヴァルの停止、e-visa申請受付停止ときて、「遠からず私たちも・・・」と思っていたら、やはり昨日3月3日に「発行済のヴィザの効力停止」ときた。

    下に貼り付けた英文記事は、この件に関するインド政府の報道発表。ご参照いただきたい。

    インドや日本などのメディアによっては、ヴィザについて「キャンセルした」「破棄した」等々の表現が見られるのだが、政府の公式発表を見る限りでは、「suspended」とあるので、「(一時的に)効力停止」であるように思うのだが、日本の外務省の出先機関である在インドの大使館、領事館等からのニュースレターでは、「日本人に対して3月3日以前に発給されていたあらゆるビザ(通常ビザ及びe-Visa)は無効となる旨発表」とある。これだと「現時点で」「一時的に」という含みは感じられないように思えるのだが、どうなのだろう。

    またこの「無効」となるヴィザについて、対象者は「日本居住者」ではなく、「日本国籍」となっているため、たとえこれまで新型コロナウイルス感染者がひとりも出ていない国に居住し、何年間も日本に帰国すらしていない人であっても、この措置から逃れることはできないことにも留意が必要だ。

    また「who have not yet entered India」という下りについては、「マルチプルのヴィザで、今は日本にいるけれども、インドにはこのヴィザで1度入国しているから大丈夫」というものではなく、「報道発表時点でインドに滞在・居住しているかどうか」とのことだ。

    今年の正月明けくらいまでは、保健衛生上の理由から日本からの入国を拒否する国々が続々と出てくるようなシナリオは「清潔な国、日本」を自負する私たちには、まったく想像すら出来なかったが、「まさか!」の事態が音を立てて進行中である。

     

    Ministry of Health and Family Welfare

    Update on COVID-19: revised travel advisory

    Posted On: 03 MAR 2020 1:31PM by PIB Delhi

    In view of the emerging global scenarios regarding COVID19, in supersession of all earlier advisories, the following advisories are issued for immediate implementation:

    All regular (sticker) Visas/e-Visa (including VoA for Japan and South Korea) granted to nationals of Italy, Iran, South Korea, Japan and issued on or before 03.03.2020 and who have not yet entered India, stand suspended with immediate effect. Those requiring to travel to India due to compelling reasons, may seek fresh visa from nearest Indian Embassy/Consulate.

    Regular (sticker) visa / e-Visa granted to nationals of Peoples Republic of China, issued on or before 05.02.2020 were suspended earlier. It shall remain in force. Those needing to travel to India under compelling circumstances may apply for fresh visa to nearest Indian Embassy/Consulate.

    Regular (sticker) visas/e-Visas granted to all foreign nationals who have travelled to Peoples Republic of China, Iran, Italy, South Korea and Japan on or after 01.02.2020, and who have not yet entered India stand suspended with immediate effect. Those requiring to travel to India under compelling circumstances may apply for fresh visa to nearest Indian Embassy/Consulate.

    Diplomats, officials of UN and other International bodies, OCI cardholders and Aircrew from above countries are exempted from such restriction on entry. However, their medical screening is compulsory.

    Passengers of all international flights entering into India from any port are required to furnish duly filled self declaration form (including personal particulars i.e. phone no. and address in India) and travel history, to Health Officials and Immigration officials at all ports.

    Passengers (foreign and Indian) other than those restricted, arriving directly or indirectly from China, South Korea, Japan, Iran, Italy, Hong Kong, Macau, Vietnam, Malaysia, Indonesia, Nepal, Thailand, Singapore and Taiwan must undergo medical screening at port of entry.

    Indian citizens are advised to refrain from travel to China, Iran, Republic of Korea, Italy and Japan advised to avoid non-essential travel to other COVID-19 affected countries.

    MV

    (Release ID: 1604942) Visitor Counter : 6683

    Update on COVID-19: revised travel advisory (Press Information Bureau, Government of India)

  • “Chinatown Days” by Rita Choudhury

    “Chinatown Days” by Rita Choudhury

    アッサムの女性作家、リーター・チョードリーによる大作。
    清朝支配下の19世紀、南中国の寒村から奴隷として町の商人のところに売られていき、そこで奴隷ながらも主の信用を得て、それなりの金銭的充足と自由を得ることとなった少年。だが、彼はさらにここから別の人身売買シンジケートにより、カルカッタへ運ばれ、そこから開業間もないアッサムの茶園に行くこととなる。

    時代は下り、その茶園近くのマークームの町や周辺で事業を起こした中国移民の子孫たち。
    アッサムのすっかり根付き、「中国系アッサム人」として地域社会の中の一部として定着していた。

    中印戦争開戦。最初は特に影響を受けることのなかった華人コミュニティだが、インドの敗色濃くなっていくにつれて、反中国感情の高まりとともに、中国系住民への感情も急速に悪化していく。

    中国との敵対関係がエスカレートしていくとともに、国内政治でも共産主義勢力を「親中かつ反インド」であるとして攻撃するだけではなく、民族的なルーツを中国に持つ人々への風当たりも強くなってくる。

    やがて中国系市民の拘束の命令が中央政府から発せられ、華人が集住していたカルカッタはもちろんのこと、ところどころに華人コミュニティが散在していたアッサム(当時は現在のメガーラヤもアッサムの一部)においても一斉に彼らを逮捕して地域内の刑務所へ収容してしまう。驚いたことに、チベットからダライラマとともに亡命してきたチベット難民の中にも、このあおりで逮捕・拘束された人たちが少なくなかったらしい。

    その後、華人たちは、まとめてラージャスターン州のデーオーリーキャンプへと列車で移送される。(デーオーリーキャンプは、奇しくも第二次大戦期にマラヤ半島などに住んでいた日本人たちが敵性外国人として植民地当局に検挙されて移送された先でもある。)

    インド政府は、世代を継いでアッサムに暮らし、インドを祖国とする中国系市民を敵視するいっぽう、引き揚げ船を仕立てて彼らを迎えるというオファーをする中国に対して、これ幸いと彼らの身柄を引き渡してしまう。インド生まれの華人たちにとって中国は未知の国。おりしも時は文革の渦中で、引き揚げてきた彼らはインドによるスパイという嫌疑もかけられて大変な苦難を重ねることとなる。

    中国に送られることなく、アッサムに帰還することができた華人たちにとっても、日々は決して楽なものではなかった。苦労して得た工場、店、家屋などは、「敵性資産」として、競売にかけられており、彼らの父祖がそうであったように、再び裸一貫でスタートしなくてはならなかったからだ。

    文革の嵐が収まりかけたあたりから、中国に送られたアッサム華人たちの中で、当時英領だった香港を目指すのがひとつの流れとなっていった。

    そして現在、結婚したばかりの華人妻と生き別れになったアッサム人男性が、かつてマークームに暮らした華人住民たちの小さな集まりが開かれる香港を訪問して49年振りに再開。

    雄大な時間軸の中で展開していくスケールの大きなドラマ。こうしたインド系の人々の歴史を交えた長編作品を得意とする大作家アミターブ・ゴーシュの作品を彷彿させる。

    もともとマークーム(মাকুম)と題して2010年にアッサム語で発表された当作品だが、好評を得て英語版も出版されることとなったが、翻訳版という形ではなく、新たな記述等を加えて最初から書き下ろすことになったため、英語版の出版まで何年もかかったと聞いている。

    タイトル:Chinatown Days
    著者:Rita Choudhury
    出版社:Amazon Services International, Inc.
    ASIN: B0786T8XKX
    ※紙媒体ではなく、アマゾンのKindle版を入手。

  • ドキュメンタリー映画「Final Solution」が描くモーディーとBJP

    2002年にグジャラート州で発生した大暴動を取り上げたドキュメンタリー映画。
    重たい内容だ。以前はこの関係の書籍等も沢山出回っていたのだが、最近見かけなくなっている。事件はもはや風化してしまったかのように思われる。
    この暴動とそれによる殺戮について、背後で当時州首相であったナレーンドラ・モーディーが深く関与していた(らしい)ことも言われていた。この関係でグジャラート州首相時代、米国入国禁止になっていたことはよく知られている。
    だが2014年にインド首相就任すると、アメリカは黙って禁を解いてしまった。
    モーディー自身は、経済に明るいこと、お金についてはクリーンなことで人気で、州首相としても国の総理大臣としても実績を上げてきたが、思想的には危険な人物であることを忘れてはならない。

    Final Solution (2004)

  • ムンバイのユダヤレストラン

    ムンバイのユダヤレストラン

    コラバにあるユダヤ教施設ナリーマンハウスの中にはコーシャル・ムンバイというレストランがあることを知った。だだしその日は土曜日、つまりサバース(ユダヤ教の安息日)であるため、どうかと思い電話してみたが誰も出ない。まあ近いので行ってみることにした。

    ムスリム地区にあるこのユダヤ教施設。昔からユダヤ人が多かったコラバだが同じくユダヤ人コミュニティの存在で知られたフォート地区、バイクラー地区と異なり、ここにシナゴーグが建てられたことはない。別名チャダードハウスとしても知られるこの施設には、世界各地から来るユダヤ系の人たちのための宿泊施設も有している。

    だいぶ前に前を通りかかったときの記憶とは、佇まいがずいぶん違っているのは、2011年のムンバイ同時多発テロが背景にある。VT駅、レオポルドカフェ、トライデントホテル、タージマハルホテルなどとともに、あの事件の舞台となったひとつの施設だ。テロリストたちがナリーマンハウスに立てこもり、ここを取り仕切るユダヤ教司祭家族、宿泊者等多数が殺害されている。タージマハルホテル同様、ナリーマンハウスにも、デリーから出動した特殊部隊が突入し、事件発生50数時間後に制圧された。

    そんないわくつきの施設となってしまったが上に、今も非常に厳しいセキュリティ体制が敷かれている。ここに入っている「コーシャル・ムンバイ」は、日曜から金曜までの午前9時半から午後9時まで(金曜日のみ午後1時半まで)の営業であることはわかった。

    Kosher Mumbai (CHADAD OF INDIA)