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  • 観光は平和と安定の呼び水

    観光は平和と安定の呼び水

    中華人民共和国国家旅游局のインドにおける出先機関である中国駐新徳里旅游辦事処(China Tourism)をニューデリーのチャナキャプリに構えている。

    インドにおける対中不信感は根強く、しかもそれを風化させないようにと中国側が努めているかのように、ときおりインド領内への中国軍の侵入があったり、その他両国間の領土問題に関する挑発的な発言や行為があったりする。

    そんなこともあってか、中国の公の機関としての活動は控えめなのかもしれない。だが、やはり90年代以降、インドでとどまることなく高まり続ける旅行に対する意欲は、インドから多くの旅行者たちを国内各地はもちろん、国外にも送り出してきている。

    こうした分野で集客を現場で牽引しているのは、インドにあっても中国にあっても民間の力である。インドからの年間に1,400万人ほどの出国者たちの中から、中国を訪問している人たちの規模はすでに60万人を突破している。これに対して、出国者の規模は8,000万人を超えている中国からインドを訪れる人たちは10万人強ということだ。

    これらの数字には観光と業務を区別していないため、このうちどのくらいの人たちが観光目的なのかは判然としない。だが、かつてない規模で人々の行き来がある中、観光先でたまたま出会ったのがきっかけで知己となったり、仕事で協力関係にあったりなどといった具合に個人的な付き合いも増えていることだろう。中国からみたインドという国のイメージはもちろんのこと、インドにおける中国の印象も、個々のレベルではかなり異なったものとなっていくはずだ。

    国家という往々にして傲慢かつ身勝手な組織が、自分たちの側と相手側との間に不信感や緊張感があるからといって、それぞれの国に所属する市民たちが自らの国家に迎合して相手側を適視する必要などない。高い文化や資質を持つ両国の人たちが、平和に共存することは、互いの安全保障上でこのうえなく大切なことであるとともに、その「平和」と「安定」の恩恵は東アジアのさらに東端にある私たちにも与えられることは言うまでもない。

    「観光」の多くは物見遊山に終始することだろう。それでも体験と記憶はそれを経験した人の心の中に長く残るとともに、訪問地への「また訪れてみたいな」憧憬というポジティヴなイメージを形成する。また、観光がきっかけでその国に留学したり、仕事絡みで関わってみたりという形で、その土地への関与を深めていく人たちも少なくない。

    観光とは、単に産業としてのみならず、安定と平和の呼び水という側面にも注目すべきであると私は考えている。

  • FRONTLINE インド映画100年記念号

    FRONTLINE インド映画100年記念号

    「前線」という名前どおり、思い切り左傾した隔週刊のニュース雑誌。いつも読み応えのある硬派な内容だが、前号(2013年10月18日号)の特集は「インド映画100年」であった。ここで取り上げるのが少々遅くなってしまって恐縮ながらも、iPadやandroidのアプリmagzterからバックナンバーとして購入できるのでご容赦願いたい。

    深い洞察眼で物事を徹底的に分析する「しつこいニュース雑誌」が全誌面150数ページのほとんどを費やしての総力特集を組んだだけに、とても濃い内容の記事がズラリと並んでいる。

    ノスタルジアや憧れといった感情抜きに、社会学的な見地、言語学的な見地から見た映画事情、昨今の映画検閲の実情について、映画の周辺産業、ボードー語(アッサム州のボードー族の言葉)のようなマイノリティ言語による作品等々、「映画雑誌には出来ない映画特集」で、まさにフロントライン誌でしか読むことのできないものだ。

    インドの映画界に関心を持つ者にとってはマストなアイテムと言って間違いない。うっかり買いそびれることがないように!と呼びかけたいところだが、幸いなことにmagzterならばいつでも購入できる。電子媒体なので在庫切れなどということもない。

    ずいぶん便利な時代になったものだと思う。

  • Namaste Bollywood  Mook Sutra Vol.4  はじめてのボリウッド

    Namaste Bollywood Mook Sutra Vol.4 はじめてのボリウッド

    今年の夏、かつて一緒にヒンディーを勉強したドイツ人の旧友と、デリーで久々に顔を合わせて一緒に飲みに出かけた。彼はジャーナリストとして南アジア関係のニュース等を精力的に書いてきた人だが、現在はロンドンに在住。

    その彼が言うには、「ロンドンはいいところだよ。誰が暮らしても自分がマイノリティであることをあまり意識しないね。いろんな人々がゴチャまぜに暮らしているから。ドイツではこうはいかないな。それに映画館では最新のボリウッド映画が当たり前に鑑賞できるとなれば、来てみたいと思うだろ?」

    彼曰く、観客の大半は南アジア系の人々だそうだが、昔々の宗主国の首都は今でもインドとの間の心理的な距離は近いのかもしれない。ボリウッドをはじめとするインドの大衆娯楽映画の普及の背景には、往々にして文化的・民族的なインフラの下地の存在の有無が大きいということは否定できない。

    ところで、ハリウッドに代表されるアメリカの映画の場合は、普遍性が高く、民族性も薄いものととらえられているのではないだろうか。こうした映画が文化圏を越えて広く鑑賞されるのには、世界に浸透している同国の政治・経済・文化の影響というインフラがあるためとみて間違いないだろう。これがフランス映画、イタリア映画となると、まだグローバル性はあるものの、かなり民族色や地域色が濃くなってくるといえるかもしれない。

    ここからさらに日本映画、韓国映画となるとずいぶん事情が異なってくる。あくまでも日本の映画、韓国の映画ということで、それぞれの国外の人たちにとって、自分たちの世界とは違う異文化世界の物語ということになる。

    ボリウッド映画は、といえばどちらとも少し事情が異なる。隣国パーキスターンのように、あるいはネパールその他の南アジア各国、つまり広義のインド文化圏にある国々の人々にとっては遠い異国の話ではない。加えて世界中に散らばるインド系移民が多くすんでいる地域でも、こうした映画の文化背景は決して遠く離れた世界のことではないだろう。

    東南アジア地域に視点を移すと、タミル系住民の多いマレーシアではタミル映画が各地のシアターで公開されており、反対にマレーシアのタミル系住民の規模とは比較にならないほど人口規模は小さいが、北インド系移民の多いタイやミャンマーで劇場公開されるインド映画はボリウッド作品という事情に鑑みても、現地にそれなりの人口規模で在住するインド系の人々の出自による影響は無視できないものがあるようだ。

    今思えば、90年代の日本で突如沸き起こった「インド映画ブーム」は何だったのだろう。一般的に市井の人たちの間にインドで製作された作品に対する興味や認識があったわけではない。つまりそれを受け容れるインフラも何もないまっさらな下地であった。少々意地悪な解釈をすれば、ある意図を持った仕掛け人たちが自らの描いた路線で、わずかに存在していた愛好家やその道に通じている人たちを都合よく利用してキャンペーンを張った結果の産物であったといえる。

    「自分たちがこれまで親しんできた映画とはずいぶん異なる異次元世界」といったスタンスで、「歌って踊ってハッピーエンド」という紋切り型のワンパターン作品群という前提での取り上げ方であった。そこでは、貧しい庶民が苦しい日常を忘れてつかの間の喜びを見出す場であるなどといういい加減な言質がまかり通り、幾多のメディアによるそうしたスタンスで日本の読者や視聴者たちにそうした印象を与える扱いが相次いでいた。

    それまでインド発の娯楽映画がほとんど未知の世界であった日本の観衆は、そうした仕掛け人たちの意図する方向へと容易に誘導されてしまうこととなったのはご存知のとおり。その結果、ヘンな映画、笑える映画といったキワモノの扱いで、ストーリーは単純でコトバが判らなくても楽しめるなどといった、ひどく安っぽいレッテルが貼られることになってしまった。

    文化的な面を尊重する姿勢は見当たらず、「上から目線」でリスペクトの感情さえ欠如した負のイメージだけが残ることになり、その「ブーム」当然の帰結として一過性のものとなってしまう。当時のブームを知る世代の間では今も「歌と踊りのハッピーエンドのアレね・・・」という認識が根強く残っているようだ。

    インドの娯楽映画に対する理解や普及といった面に限れば、当時刷り込まれた負のイメージの影響が、同国からの映画の日本での普及、とりわけそのインド映画の華といえるボリウッド作品の日本市場への浸透を妨げる要因のひとつとなっていることは否定できず、個人的にはあのような形でのブームはなかったほうが良かったのではないかとさえ思っている。とりわけ現在のボリウッド映画はかつてない幅広いバリエーションの作品群を抱えているだけに非常に残念なことである。

    もっとも、当時のブームでインド発の映画作品に触れる機会を持ったことにより、一部ではインドへの留学や舞踊等の伝統文化の習得を目指して渡航する人たちが増えたり、あるいはビジネスでインドと関わりを持ったりする人々が出てきたというプラス面もあったようだ。

    前置きが長くなってしまったが本題に入ろう。おなじみNamaste BollywoodのMook Sutraシリーズ第4弾の「はじめてのボリウッド」では、巻頭にて「ボリウッド(梵林)の定義とは」と題して、インド映画の中におけるボリウッド映画の位置づけを示したうえで、この偉大なる娯楽映画の世界を包括的に紹介している。

    「梵辞林」という記事では昨今活躍している俳優や女優たちが取り上げられている。こうした企画は他の書籍でもときどきあったが、時代とともに移ろうものなので、ときどきこうして今の時代に旬な出演者たちを確認しておくといい。同様に大切な音楽監督たちやプレイバックシンガーたちついても代表作とともに紹介されており、このあたりをよく把握しておくことで、ボリウッド映画鑑賞の楽しみの奥行きも広がること必至だ。

    その他、サルマーン・カーンのブレスレットのような細かな演出、ボリウッド映画のマーケティング戦略等々、この世界にまつわる様々な事柄について言及されている。これらの知識もボリウッドを理解するために大切なファクターである。

    またボリウッド映画をめぐり、日本で流布する不可思議な都市伝説についての検証もなされており、これで汚名返上となることを期待せずにはいられない。

    今年で2回目となるIFFJ (Indian Film Festival Japan)の開催や時折日本国内でも時折ボリウッドの秀作がロードショー公開されるようになるなどといった、ボリウッドをはじめとするインドの映画を愛する関係者の方々の努力により、これからは上映される作品に対して正当な評価が与えられて普及していくことを願いたい。

    ごく一部の例外を除き、私たちの日常にはインドの文化・民族的なインフラがほとんど存在していないという不利な点はあるものの、それとは反対にボリウッド映画をはじめとするインドの映画の裾野の広さがそれをカバーして、日本の人々が自分たちの日常を忘れて異国の夢の世界に遊ぶ愉しみを見つける手助けをしてくれるのではないかという気もしている。

    豊かなボリウッド映画世界への案内書として、ぜひともこの一冊をお勧めしたいと思う。お求め先については以下をご参照願いたい。

    vol.4「はじめてのボリウッド」好評発売中! (Namaste Bollywood)

  • Namaste Bollywood #37

    Namaste Bollywood #37

    Namaste Bollywood #37

    ナマステ・ボリウッド第37号の特集はIFFJ(Indian Film Festival Japan)。目下開催中のこの映画祭は東京・埼玉・大阪の3会場にて進行中で、会期はそれぞれ10月11日(金)~18日(金)、10月12日(土)~14日(月)、10月19日(土)~25日(金)となっている。見応えのある作品が目白押しで、できることならば会期中ずっと入り浸っていたい。

    チケットは1回券が1500円、3回券が3000円となっているため、会期中に3回単位で鑑賞する、あるいは複数人数で押しかけるとお得となるようになっている。

    今回のIFFJで上映される作品のひとつ、Chalo Dilliでラーラー・ダッターとともに主役を演じるヴィナイ・パータクといえば、もはや名優の域に達している素晴らしい役者だが、この映画祭初日には会場に姿を見せていたようだ。ちなみにこの作品は来年1月14日から日本で正式に公開される予定。ヒーローものでもアクションものでもないが、コミカルな役柄とともに幅広く懐深い彼の演技をひとたび目にしたならば、誰もが魅了されるはず。

    その他、今回のIFFJで上映されるわけではないが、インドのディワーリーのタイミングで公開される大作についても触れられており、Krrish 3やDhoom 3など、いつか日本で公開される日がやってくることをぜひ期待したい。

    その他、特別企画「インド舞踊を語る」、そして「カタックを語る」といった舞踊に関する記事、ボリウッドDVD、ボリウッド映画に関する書籍の情報等々、ファンにとっては欠かすことのできない情報に満ちている。

    ボリウッド映画は、大きな娯楽だが、これを鑑賞していくにつれて、スクリーンの背景にある文化や伝統といったものもチラチラと見え隠れしていることから、語学以外の面からも、インドを学ぶには格好の素材でもある。公開される作品には、製作時のインドの世相も色濃く反映されており、これをフォローしていくには日々発信されるインドのニュース、もちろんインドのメディアが伝える政治経済、映画関係ニュースはもちろんのこと、雑多な三面記事にも日頃からよく目を通しておくと、作品の内容にもよるが製作者の意図やメッセージが鮮明に見えてくることが少なくない。

    楽しい娯楽でありながらも、その背後にあるものの奥行きの深さもまた、このボリウッド世界の豊かな魅力である。

  • 旅先にPC持参不要となるか・・・?

    旅先にPC持参不要となるか・・・?

    AQUOS PAD SH-08E用にBluetoothのキーボードを購入してみた。

    旅行先で日記を書いたり、ネットを利用したりするためにいつもノートPCを持ち歩いているのだが、いくら小型のものであっても、ちゃんと両手で普通に文字を入力できるものとなると、それなりのサイズにはなってしまう。

    旅行先に限らず、日常でも何か気が付いたことを書き留めたり、メモしたりするためにキングジムのポメラの購入を考えたこともあったが、結局購入することはなかった。ネットとの連携ができないとあまり魅力を感じないからである。

    7インチのタブレットPCと無線接続したキーボードを並べてみると、ちょうどそのポメラみたいな感じになる。画面はパソコンよりもかなり小さくはなるものの、日記その他を書いたりする程度ならば充分実用に耐えるだろう。

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    ただしキーボードについては、「かな入力」を前提で考えると、選択できるモデルにかなり制約があることに気が付いた。なぜならば、多くの持ち運び用のコンパクトなキーボードの場合、小型化するためにかな入力の際の「ろ」「む」「-」にあたるキーが省略されているからだ。そうしたモデルの場合、確かにかな打ちはできるのだが、それら三文字がどうしても出てこなくなる。

    売り場の人に尋ねてみると、日本語入力の際にかな打ちよりもローマ字打ちを選好する人のほうが多いため、往々にして「ローマ字入力を前提」としてこのようなコンパクトなキーボードが製造されているとのこと。

    私自身は、英文を作成する場合はローマ字入力であるのは当然としても、日本語の場合は「かな入力」を常用することにしている。なぜならば、ローマ字入力の場合は明らかに打鍵数が倍近くなってしまうため、文章作成速度に差が出てしまうためだ。かな入力であればなんとか「人がしゃべるのと同じ程度」の速度で入力できいても、私のスピードではローマ字入力の場合はとてもそのような具合にはいかない。もちろん打鍵数が多くなるので疲れるということもある。

    折りたたみキーボードは、スペースキーが中央で左右に割れているので多少の慣れが必要であること、私が購入したモデルは一応「ろ」「む」「-」は備えているのだが、スペースの関係で妙な場所にあるため、こちらも同様に最初は少々戸惑いがある。だがしばらくするとすっかり馴染んでしまうので、大した問題ではない。

    だがもっとも気になっていたのはアンドロイド上で利用できるオフィスソフトの出来具合である。これまであまり縁がなかったのでよく知らなかったのだが、ウィンドウズでもある程度普及している中国企業による「KINGSOFTオフィス」はなかなかちゃんとしていて感心した。

    ファイル形式は基本的にMicrosoftのオフィスシリーズと同様の形式なので、双方でファイルを共用できるようになっている。またクラウドとの連携も良好で、通常はローカルで文章等を作成しておき、必要に応じて3G回線ないしはwifiを利用できればクラウドにバックアップを取ることができる。当然、クラウド上に保存した資料等を参照することもできる。便利な時代になったものだ。

    電話とパソコンとガイドブック等がひとまとめに出来て、荷物の軽量化に寄与するところ大であると思う。盗難に気を付けるのはもちろんのことだが、同様にバッテリー切れももう注意だ。給電事情の良くないところではちょっとキビシイこともあるかもしれない。もちろんそれ以上に故障でもしたらまったくお手上げとなる。やはりデータ等はいくつかに分散してバックアップしておくことが肝要だろう。

    さて、スマホ兼タブレット+Bluetoothキーボードで、外出時や旅行先でのノートPCが不要となるか、しばらく様子を見てみようと思う。

  • デカいスマートフォン AQUOS PAD SH-08E

    デカいスマートフォン AQUOS PAD SH-08E

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    「もうすっかり・・・」と言っていいほど、スマートフォンとタブレットPCが普及した。私もiPhoneを使用していた時期があったのだが、手軽なサイズはいいものの、携帯できるPC端末のようなものであることから、電子書籍を読みたくなったり、雑誌を購読したくなってきたり、旅行の際にはガイドブックを入れておきたくなったり、と様々な欲求が出てくると、あの小さな画面では収まりがつかなくなってしまう。

    そんなわけで、昨年の今ごろはMEDIAS TAB UL N-08Dというモデルを手にして、当初は多いに気に入っていたのだが、これもやはり欲求の増大により、大きなデータの電子書籍を閲覧しようとするとハングアップしてしまったり、動きが非常に遅かったりと、非力なCPUのため、すぐに限界が来てしまった。

    半年ほどで嫌気がさしてしまい、次なるモデルを模索していたのだが、7インチのタブレットで普通に通話ができるモデルとなると、なかなか見つからないのである。

    SIMフリーで、通話もできるタブレットとしては廉価なASUSのFonepad ME371MGは有力な候補とはなりえなかった。スペックが前述のMEDIAS TABと同じくらいなので、ノロノロとしたぎこちなさからは解放されないことは明らかであるからだ。

    その他といえば、クアッドコア搭載でキビキビ動いてくれそうなモデルで画面が大型のものといえば、SAMSUNGのGALAXY NOTE Ⅱをはじめとする、画面サイズ5インチ台のスマートフォン以外は見当たらない。このあたりで妥協してしまうと、確かに普通の携帯電話としてズボンのポケットには入る大きさであっても、書籍リーダーとしては物足りない。

    それがゆえに、やや小型のタブレットも同時に携行している人たちがいるわけだが、スマートフォンのテザリングでWIFI使用というのはちょっと面倒な気がするし、あるいはもうひとつ3G回線を得てというのも不経済である。そもそも同じような目的のモノをふたつも持参するというのが気に入らない。よって「大は小を兼ねる」で、タブレットのほうでスマートフォンとしての用途もまとめてしまいたい。

    すると、やはりタブレットとしては最も小型な7インチというサイズが一番合理的な選択であると私は考えている。ポケットには入らないが、冬の上着ならばなんとか収まるが、常時身に付けているカバンに放り込んでおくというのが適当だろう。また、未確認ながらもMEDIAS TABと異なり、こちらは海外で現地SIMを差してもテザリング可能という情報もある。

    蛇足ながら、ワンセグ放送受信機能が付いている携帯電話は多いが、こちらには「フルセグ」も(ワンセグとフルセグと切り替え可能)受信できるようになっている。私自身はテレビはあまり見ないので関係ないのだが。

    非常に好感の持てるモデルなのだが、やはり値段は張る。白ロムでも4万円台後半、Docomoで契約すると8万円強という価格となる。7インチ画面で高性能なWIFI専用タブレットが2万円台くらいから手に入る昨今の状況を思えば、携帯電話とまとめてしまうことがかなり高くついてしまう感は否めない。

    やはり「バカでかいスマートフォンが欲しい」という層が限られているため、競合機(携帯電話としても使用できる7インチタブレット)がほとんど存在しないことからくる「プレミアム」のようなものだろう。

    最後にもうひとつ、このモデルのバッテリー容量は4200mAhと、他の製品に比べてかなり大きなものとなっているのだが、それ以上に電池の持ちが良いこと。通常のスマートフォンであれば、朝出てから夕方くらいには電池が危うくなってしまうが、同じような使い方をしてもこちらは2日間くらい持つような具合だ。

    そうした点からも日常でも旅行先でも、バッテリーの減りをあまりに気にすることなく過ごすことができるのは助かる。インドその他の国々に持参しても大いに役立つことだろう。Docomoで購入した場合は、SIMロックを解除してから持っていかなくてはならないため、別途3,150円の手数料の支払いが必要となるのが癪ではある。

  • 旅行予約サイト

    旅行予約サイト

    インドを代表する旅行予約サイト、cleartripとMakeMyTripにアクセスしてみると、以前はなかった「バス予約」が可能になっていることに気付かれた方は少なくないことだろう。予約時に画面で座席指定できるものもある。
    バス内の座席指定画面

    予約サイトでブッキングできる路線限られるため、前者の場合は出発地と目的地を入力して検索してみると、中途の乗り継ぎやルートはずいぶん遠回りしたものが表示されたりする。後者については少なくとも現時点では、バス予約部分の造りが良くないので使い勝手は良くない。しかしこうした業界の競争は熾烈で進化も速いので、遠からず改善されることだろう。

    CleartripではWay To Goというメニューを選んで、出発地と目的地を入力すると、所要時間とルートを表示してくれる。その中から『Greenest』『Fastest』『Cheapest』のそれぞれのカテゴリーで選択することができる。試しに西ベンガル州都コールカーターからグジャラート州の中堅都市ラージコートまでの行程を調べてみると以下のようになる。

    「Greenest」なルート
    「Fastest」なルート
    「Cheapest」なルート

    インドから国外へのルートも調べることができるようになっており、出発地をデリー、目的地をウズベキスタンのタシケントで入れてみると、飛行機で向かう以外に陸路でパーキスターン、中国、タジキスターンを経てドライヴでのルートが表示された。

    所要42時間などと出てくるが、途中まったく休止せずに走ることができたとしても、まさかそんな短い時間で到着することはできないだろう。通過する国々のヴィザ取得にかかる手間なども考慮されているはずもない。それでもおおまかな交通機関の乗り継ぎ等の見当はつくのでなかなか便利そうだ。

    デリーからタシケントに飛行機で行く場合
    デリーからタシケントまでクルマで行く場合

    Small Worldというメニューでは、任意の地名を入れると、その土地の歴史、概要、直近の天気、見どころ、アクセスなどの情報を一覧することができる。独自の情報を提供しているわけではなく、Trip Advisor、Google Map, WIKIPEDIAなどのサービスに連動させているだけだが、複数のサイトの情報をひとつの場所で集中的に閲覧できると、ずいぶん使い勝手が良くなる。とても良いアイデアだと思う。

    各地の案内もいろいろ閲覧できる。
    Google Mapと連動して地図が表示される。
    各地の見どころもCleartripで閲覧できる。

    飛行機等の予約に便利なだけではなく、各地の情報を閲覧したりルートを検索しているだけでも楽しそうだし、何か新しい発見があったりもしそうで愉快だ。

    ホテルの予約の扱いも充実しているし、先述のとおりバスの予約も行なうようになっている。あとは鉄道予約の際のOTP(ワンタイムパスワード)が必要になってから、インド国外からのブッキングがずいぶんややこしいことになっていることについて、利用者の視点に立った改善がなされることを期待したい。もっともこれについてはCleartripを始めとする旅行予約サイトが解決できるものではなく、インド国鉄自身が何かいい手段を講じてくれないとどうにもならない。

    ともあれ、こうしたウェブサイトの今後の進化がますます楽しみである。

  • ロイヤルエンフィールドのチベットツーリング

    「新品で購入できるヴィンテージなブリティッシュバイク」のロイヤルエンフィールドによるインドやネパールでのツーリングのツアーは近年多くなっている。

    これには外国人に対してはエキゾチックなロケーションと夢のような古典バイクという取り合わせがアピールすることと思われるし、近年はインドの若者等の間でも手近にあるヴィンテージなバイクに対する関心が高くなっているということ、そして現在も生産中であることから導入やメンテナンスのコストが妥当なものであるということも、こうした企画を容易にしているといえる。

    ネパールからは「さらにエキゾチックな訪問先(?)」としてのチベットへのツーリングも組まれるようになっているが、ここにきてついに「インドで初めて」を謳うチベット行きのツーリングが企画されている。

    10月11日(日)にUP州都ラクナウを出発し、ネパールを経由してチベットを走るというもので行程は半月ほど。どういう人たちが参加するのかはよく判らないが、おそらくスタートとともにインドのメディアが取り上げることだろう。

    こんな企画が可能となることについて、印中間の関係改善ぶりを感じるような気がしないでもないが、今年の春先に中国軍がラダックの一部に侵攻した例もあるなど、今後も紆余曲折が予想される。

    ロイヤルエンフィールドによるチベットへのツアーはともかく、両国間で人々やモノの往来が盛んになることは決して悪いことではないだろう。いつの日か、経済面でお互いに抜き差しならぬ相互依存の関係が築かれたならば、そうそう危険な振る舞いに出るわけにもいかなくなる。安全保障の面でも大変有益であろう。

  • Lonely Planet India第15版発売

    Lonely Planet India第15版発売

    旅行ガイドブックの定番、ロンリープラネットのインドのガイドブックの版が改まる。この近年は2年毎に更新されているが、記憶に間違いがなければ、昔はもっと間隔が開いていたように思う。

    訪問先の歴史・文化・風土・民族等々の詳細については他の書籍等を参照するにしても、実際的な旅行情報のソースとしては、今も昔もこれの右に出るガイドブックはないだろう。やはり世界中の旅行者たちからの意見や情報が集まるだけのことはあるし、旅行案内書としての長年の蓄積もある。

    また日本のガイドブックの類と異なり、情報量の差以外にも非常に好感を抱くことができる部分が大きい。旅行業界から広告を取ることなく、偏向しない旅行ジャーナリズムに徹していることについて畏敬の念さえ感じるほどだ。

    インドを含めた人気の旅行先の巻については、版を重ねるごとにどんどん厚くなる方向にあったが、2年前に発行された第14版から初めて前版よりもページ数が若干減っている。そして今年10月に出る第15版もまた少しページが減るようだ。一般的に旅行時の荷物が多めの西洋人たちにとっても、やはりあまり厚くなると持ち運びに不便ということか。

    最近は電子版も選択できるのはありがたい。第14版は書籍版、PDF版以外にキンドル版も販売されていた。第15版については、今月発行される書籍版に先行して、PDF版がすでに9月に発売されており、私自身はすでに購入した。すぐに使う分だけプリントアウトしておき、あとはタブレットに保存している。同様にSkydriveやDropboxにもパックアップしてあるので、必要があれば旅先でプリントアウトしてもいい。おそらくキンドル版も近々発売されることだろう。

    本業の旅行ガイドブック以外にも、最近は自社サイトでのホテルや航空券のブッキング業務にも力を入れていることが注目される。

  • ナマステ・インディア2013

    今年も東京都渋谷区の代々木公園にて、明日と明後日の9月28日(土)と29日(日)に「ナマステ・インディア」が開催される。

    恒例のイベントのため常連客も多いため、「あ?やっぱり来てましたね」とか「お、久しぶり!」という具合に、出会う人々があるので訪れてみる、という向きもあるのではないかと思う。

    ときにサプライズな著名人が来ていたりすることもある(過去にはスワーミー・ラームデーヴ、カラン・スィンなどがいた)が、今回はそういう人物の来場はあるのだろうか?

    近年、混雑具合がますますひどくなっていているため、このように人出が多いイベントで会場に隣接する空きスペースでゴザを広げて、まるで花見の席のような宴会が繰り広げられていたりするのは、その混雑に更に拍車をかけているようで、ちょっとどうなのかな?という思いがしなくはない。

    ともあれ、屋外のイベントなので天候に左右される部分が大きい。当日、好天に恵まれることを願いたい。

  • ツェチュ祭 2

    ツェチュ祭 2

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    しばらく腰を下ろしていると祭りは始まった。場内は相当な賑わいになっている。おそらくラダックの人々よりも観光客のほうが多いのではないだろうか。

    祭りが始まった。

    本来は冬に行なわれていたこうした祭りが、観光客のシーズンに合わせて夏に開かれるようになったケースが多いとも聞く。なにしろ観光業以外は農業が主体のこの地域である。短い夏の期間、人々は畑仕事で忙しい。そのためか会場に来ているラダックの人々は、子供、女性と年配者が多いように思われた。働き盛りの男性の姿はあまり見かけない。

    プラスチックの椅子で貴賓席のようなものがしつらえてあり、ここは旅行代理店か何かを通じての予約席らしい。そこでは巨大なキヤノンのレンズを構える人たちの姿もある。

    集まる人々も準備する側も、体力的にも物資的にもこの時期のほうがやりやすいかもしれないが、観光業以外は農業が主体のこの地域で、仕事が最も忙しい時期に開催するというのは、地元の人々とりわけ人口の大半を占める農家にとってはなかなか参加しにくいものがあるのではないかと思う。会場に来ているラダック人たちは、女性や子供たちが多かったように思う。

    会場外から祭りの様子を眺める人たちも
    この仮面の人たちがカタをかけて祝福した相手はご祝儀を渡す。

    ・・・とはいうものの、祭り自体は訪れてみてとても良かった。年に一度、二日間のみ開催されるタイミングで訪問することにより、普段拝観できる寺院のたたずまい以外の華やかな光景を目の当たりにすることができるのは大変有難い。だが仮面舞踊の踊りは単調で、しばらく眺めていると飽きてしまう。やはり祭礼における舞踊や衣装の意味を知らないといけないと思う。

    タクトクのゴンパからの眺め

    せっかく来たのでタクトクのゴンパも見学してみた。午後3時に祭りが終わるまではここから出る足がないようだ。沢山の乗用車が駐車してあり、ミニバスの姿もあるのだが、どれも祭りが終了するまでここから出ないので、拝観する時間はたっぷりとある。

    帰りのバスは大混雑で乗り切れなかった人たちは天井へ。

    〈完〉

     

  • ツェチュ祭 1

    ツェチュ祭 1

    タクトクのゴンパで開かれるツェチュ祭を見物。レーからバスは朝8時半に出るとのことだが、かなり早めに到着しておいて良かった。8時前にはもう乗り切れないほどの満員となり、早々に出発してしまったからだ。

    車内に乗っているのは祭りに出かけるらしいラダック人、外国人、そして中途の仕事場に出かけると思われるインド人たちだ。タクトクまでの所要時間は約2時間。レーの町を出て、昨年ホームステイしたストクの村をインダス対岸の遠くに眺めながら東へと走る。

    行きのバスは立っている人たちはかなりいたものの、途中の工事現場等で降りていくインド人たちが多く、やがて幹線道路からタクトク方面に向かう脇道に入るあたりでガラガラになってきた。これはパンゴンツォにへ通じる道でもある。

    隣り合わせたラダック人とおぼしき男性は料金を徴収する車掌とヒンディーで話しているので、どこの人かと思ったらネパール人であった。工事の現場監督で来ているそうだが、タクトクで祭りがあるということを聞き及んで訪れることにしたのだという。

    チェムレ、サクティといった村を通ってやがてタクトクに到着。このバスの終点である。祭りは午前11時からとのことだが、すでに多くのチャーターしたクルマがたくさん駐車してある。昨日と今日が祭りだが、その他はここを訪れる観光客を乗せたクルマがまばらに来る程度なのだろう。

    太陽電池のパネルをよく見かける。陽光がふんだんにある土地なので活用しない手はない。

    寺院の新しいほうの敷地で天幕が張られているところがその会場。すでに観光客をはじめとする人々が到着している。だがまだかなり空いているので、写真撮影に良いと思われる場所に陣取ることができた。

    〈続く〉