サートパダー 1

大きなチリカー湖のどこを訪れてみようかとあれこれ考えたが、岸辺に立つとただの湖でしかないことは容易に想像がつく。やはり海と砂州で仕切られた地形を目にしてみたい。

そんなわけで目指すのはサートパダー。今回最初にプリーを訪問した際に向かえば良かったのだが、まあ仕方ない。

プリーのバススタンドでサートパダー行きのバスを待つ。外から見るとバスが丸く膨れ上がっているのではないかと思われるほどの超満員である。それでもこれを逃すと次はいつになるかわからないので、なんとか身体を捻じ込んで乗り込む。

プリーから終点のサートパダーまでの沿道に暮らす住民たちにとって、数少ない公共交通手段であるため、それこそ5分か10分ごと、あるいは一キロごとに停車して人が乗り降りするような具合なので、窮屈なのを我慢して貴重品に気を配りつつ耐えていると、やがて脇の席が空いたので、乗り込んだときと同じく、混雑の中で身体を捻じ込んで着席する。

あまりに頻繁に停止するので、平地でわずか50キロ程度の距離であるにもかかわらず、目的地まで4時間近くかかってしまう。サートパダーの少し手前の比較的大きい集落グプタープルでほとんどの客が降りてしまい、そこから先はガラガラである。

そろそろ終点か?と思われたあたりで、車掌が『ここで降りるんでしょ?』と声をかけてきた。サートパダーで唯一の宿、OTDC(オリッサ州政府観光公社)のホテルの正面であった。

すっかり日が落ちて暗くなってしまったが、部屋に荷物を置いてタバコや水を買うついでに散歩してみると、ホテルの少し先が行き止まりになっており、さきほどのバスも停車していた。明日早朝にプリーへ折り返すようだ。

<続く>

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