ウランバートル 昼下がりのお寺で 2

観音像
ガンダン寺院の本堂で、高さ25メートルの巨大な観音像に参拝する。これは1930年代終わりに当時の極左当局により破壊されたものを1996年に復元したものだという。この寺院内の他のお堂も拝見したが、堂内の造作や色合い、僧侶たちの衣もさることながら、中に立ち込める匂いまでもがチベットのそれによく似ている。境内には仏具店も併設されている。ちょっと覗いてみると、タンカやタルチョといったチベット圏でおなじみのアイテムが多数陳列されていた。
本堂を出入りする参拝客の老若男女の様子を眺めていると、やはり宗教施設ということもあってか、街中ではさほど見かけない伝統衣装デールを身に着けている人の割合が高いようだ。またここは晴の舞台でもあるらしい。やたらとめかし込んだ洋装の新婚カップルがここを詣でている。大きな業務用のビデオカメラ、スチルカメラ等を担いだ撮影チームに取り囲まれた彼らが本堂での参拝を終えて出てきたところをつかまえて、こちらも一枚撮らせてもらう。
新婚さん


英語がほとんど通じないウランバートルにありながら、実に流暢な英語を話す若い二人であった。周囲には家族親戚や友人たちらしき人々の姿も多数あり、寺の門を出ると彼らを乗せたカラフルなテープで飾られた大型セダンを真ん中に、何台もの黒塗りのクルマがその前後を固め、十数台の隊列を組んで発進していった。有力者か資産家の息子夫婦なのだろうか。
首都とはいえ、人口が100万人ほどでしかないウランバートルは、さほど広い街ではない。クルマが多く運転も荒いので注意しなくてはならないが、道が平坦なため自転車を利用できれば楽しく効率的に回ることができるのではないかと思う。在住者と思われる西洋人がマウンテンバイクにまたがって颯爽と走る姿を幾度か目にした。
ザイサン丘から首都を一望
街のヘソ スフバートル広場
ただし問題は気候だろうか。まだ晩秋のこの時期とはいえ、日中最高気温がせいぜい2、3度。夜はマイナス10度を割ったりする。ガンダン寺を訪れた日の朝には降雪があった。この調子だと、本格的な冬にここを訪れる気には到底なれない。冬が長く厳しいせいか、バイクを見かけない。まさか販売そのものがなされていないとは思えないが、短い夏の時期を除けばあまり現実的な乗り物ではないのかもしれない。
見る見るうちに積もる雪
ごく薄く積もった雪もなかなか融けない
料理については特に期待していなかったのだが、いろいろ試してみると思いのほかおいしかった。味付けがシンプルで基本的に塩くらいしか使わないらしい。素材そのものの味わいが楽しめるのがいい。かつての盟友旧ソヴィエトとのつながりからか、ロシア料理店、ウクライナ料理店といった外国料理店も多い。もっともモンゴル料理自体にもスープ類やピロシキなどロシア系のアイテムがいろいろ定着しているようだ。
モンゴルで肉といえば羊のようだが、これがまた新鮮なためか臭いわけでもなく、非常に美味である。仕事の関係でお世話になった方のご自宅で馬乳酒、ウォッカをはじめとするアルコール類や家庭料理もご馳走いただき、満腹な滞在であった。
ところで街中を歩いているとこんな店があった。プリーティ・ズィンター、アイシュワリヤー・ラーイ、アミーシャー・パテールといったボリウッド女優たちのポスターが窓に貼られている。もしかするとモンゴルでも人気?と店の正体を確かめるべく踏み込んでみると、ただ衣類と装飾品を扱う店であった。インド映画ソフトを販売しているわけではなく、ポスターの意図は不明。コトバはまったく通じないのでそのまま諦めて店を後にする。
ボリウッド関係の店ではなかった・・・
さらにフラフラ歩いていると、モンゴル国立大学のすぐ西のエリアで、インド大使館と中国大使館が仲良く(?)並んで立地。この国でインド人といえば大使館員くらいかもしれないが、彼らは日々どうやって暮らしているのかちょっと興味のあるところだ。
インド大使館
ごく限られた期間の滞在で、モンゴルがどういう国なのかも詳しくないのだが、いつか休暇で訪れてみたいと思う。もちろん夏の時期に。
凍てついた川
郊外には厳しい風景が広がっていた

「ウランバートル 昼下がりのお寺で 2」への2件のフィードバック

  1. この夏のモンゴル旅行を思い出しました。好奇心とタフな胃袋で体験した「モンゴルの食」を今までシリーズで書いていた「インドの食」に「インドの食でなくモンゴルの食」という題で写真と説明を載せました。よろしかったら覗いてみてください。
    http://www.photohighway.co….
    から”インドの食 モンゴル 遊牧”で検索するとアクセスできます。

  2. 夏のモンゴルの素敵な写真を楽しませていただきました。ごく短い期間訪れた私ですが、外を歩くと寒さで縮こまってました。やはり過ごしやすい時期に休暇で訪れてみたいと思います。
    私も羊まるごと一頭解体して・・・というのははいくらなんでも無理にしても、そういう活劇的な食事が進行している場面でご相伴にあずかりたいです。

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