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カテゴリー: news & media

  • パンジャーブ州初のダリット出身のCM

    パンジャーブ州の国民会議派内の政争でもめていた数か月だった。CM(チーフミニスター)だったアムリンダル・スィンが辞任した後を受けて、チャランジート・スィン・チャンニーが新CMに就任。今年6月に国民会議派のパンジャーブ組織のトップに元クリケット選手のナウジョート・スィン・スィドゥーが就いてから、大きく世代交代へと舵を切ることになったようだ。

    それにしても、元パティヤーラー藩王国の現在の当主であり、軍歴とクリケットの名手でもあったことから、軍当時の階級とクリケットでの活躍から敬意を込めて「キャプテン」という呼称が付くアムリンダル・スィンから、ダリット(アウトカースト)のチャランジート・スィン・チャンニーへ交代というのは、ひとつの大きな時代が動いている気がする。もちろん同州でダリットのCMは初めてだ。アムリンダル・スィンについては、来年3月には80歳となることもあり、今後は彼の影響力はフェイドアウトしていくことだろう。

    アムリンダル・スィン、このところ彼と対立する存在となったナウジョート・スィンもともに農民カーストのジャートの出。他のアカーリー・ダルその他の有力政党でも、スィクの指導者といえば、ジャート族が圧倒的な存在感を示してきたが、ここにダリットのスィクという新たな核が生まれるのだろうか。

    パンジャーブ州議会選挙は来年2月あるいは3月に実施予定だが、州人口の約18%を占めるジャートに加えて、32%を占めるダリットの票も取りまとめたいという思惑がにじむ。

    アムリンダル・スィン時代から総体的に若返ったチャランジート・スィン内閣が選挙戦を引っ張ることになるので、今後に注目していきたい。

    Punjab CM Charanjit Singh Channi’s 15 ministers take oath amid shortlist drama (THE TIMES OF INDIA)

  • チャーンドニー・チョウクの美化事業

    あまりの混雑ぶりと騒々しさだったので、こういう風になるのも良いかもしれない。「庶民のマーケット」として知られているが、もともとはあんなワサワサした地域ではなかったのはインド独立前まで。

    ムガル時代には大通りに水路が流れ、ところどころに噴水もある綺麗なエリアだった。ラール・キラーの城下町、王室や貴族御用達の大きな店が建ち並ぶ商業地区と豪壮な屋敷の貴人たちの居住区などから成るエリアだった。1857年のインド大反乱の後、時の皇帝、バハードゥル・シャー・ザファルがラングーンに流刑となりムガル王朝は終焉。北デリーのこのあたりの地域、城塞都市だったシャージャハーナーバードの壁は、現在も残る一部を残して取り壊され、いくつもの門だけが残った。それでもまだこの地域には引き続き富裕層が暮らし、イギリス当局による役所や銀行等の施設、そして駐在する英国人官憲の屋敷などもあった。

    印パ分離の時期に、ここに多く暮らしていたイスラーム教徒の上層部がパキスタンへ脱出していき、空き家となったところに内部を細分化して庶民が入ってきたとされる。おそらく地元のヤクザ連中など腕っぷしの強い連中が占拠してお金と引き換えに部屋を割り当てたり貸し出したり、それを借りた人が需要の高さから「これは儲かりそう」と又貸ししたりしたことなどが始まりだったのだろう。

    そんなわけで、この地域にある建物の多くは荒廃しているが、よく見ると大きな邸宅であったり、元は銀行の大きな支店の建物であったりもするし、街区に残されるゲートなどもたいへん趣のあるものが多い。もともとが庶民の街にはなどではなく、富裕層の地域であったがゆえのことなのだ。

    イスラーム教徒の社会的地位の低下は、こうした上層部の流出と表裏を成すものであり、イスラーム教徒のお金持ち、文化人などといった経済的、社会的に影響力が強い層が数を大きく減らし、貧しい人たちが多く残れば、相対的にインド社会における存在感は低下していく。チャーンドニー・チョウクは、そうした独立後のインド史の転換を象徴する場所でもある。

    Ground Report: Beautification work of Chandni Chowk completed, watch the new look here (ZEE NEWS)

  • 教育の多様化

    東京都江戸川区のインド人学校GIISでは、今や日本人生徒が4割だとか。インドの大学進学前提でインド式のCBSEコースと国際バカロレア取得する欧米式のIBコースがあるとのこと。日本人生徒のほとんどは当然、後者のコースに入っていると考えるのが普通だが、世の中往々にして例外はあるものなので、前者に入っている子もいるかもしれない。

    日本人の両親から生まれながらも、日々の学びの中から、インドへ「母国感」を抱き、インドの親友たちと流暢なインド英語で学習を積み、高等部まで修了して憧れのインドの大学に進学する、これからそんな子が出てくるかもしれないし、すでに何人もいるのかもしれない。教育の多様化はあって良いことだし、いろんな選択肢はあったほうがいい。

    ただし義務教育の段階では、子供たちはそんなことは考えないわけだし、親が決めた「お受験」をするわけではなく、インドの大学に行きたいなどと、そんな幼い頃に思うことはないのだろうけど。

    大学出願に際して、初めてインドに渡航したら、街の様子が想像とずいぶん違って「ガ〜ン、ガガ〜ン」というようなことがないといいのだが。

    (異文化教育に学ぶ:4)ITも理数系も、英語で伸ばす インド式インター校、日本人生徒が4割 (朝日新聞DIGITAL)

  • グジャラート州の新チーフミニスターにブーペンドラ・パテール氏

    来年12月のヴィダーンサバー(州議会)選挙が予定されているグジャラート州。任期満了することなく州のチーフミニスターが降板となるということで、昨日就任した新たなチーフミニスターはブーペンドラ・パテール氏。まず驚いたのは「誰?これ??」ということ。グジャラートの州政界についてよく知っているわけではないのだが、州政府のトップになろうという人であれば、顔と奈名前くらいは覚えがありそうなものだが、聞いたこともない人物だったからだ、

    この人事は当のグジャラート州政界やメディアにとってもサプライズ人事であったようで、「ブーペンドラ・パテール氏とは」というような紹介がなされるとともに、本人の家族にとっても予期すらしない出来事であり、「夕方のテレビニュースで夫がチーフミニスターになると知って驚いた」と彼の夫人による談話も流れていた。

    年齢は59歳と高いが、2017年に同州議会初当選とのことで、モーディー首相とその片腕のアミット・シャーによる強い推薦があってのことなのだとか。州CM候補としては、はなはだ無名の存在であったと言える人物だ。背景には社会活動家から国民会議派に転じた ハルディク・パテール氏の存在があるようだ。この人は、パテールが属する「パーティーダール」というコミュニティ(・・・というカーストと理解してよい)について、OBC(その他後進諸階級)に含めさせて、留保制度の対象にせよ、という運動をグジャラート州で展開し、これがたいへんな広がりを見せて、BJP与党のグジャラート政界をゆるがせた「パテールの乱」があった。

    パテール、ひいてはパーティーダール((農民と地主のカーストだが、商人層も多い)が「後進諸階級」か?ということについては、首を捻らざるを得ないのだが、今の時代、あらゆるカーストの人たちが「後進諸階級」認定を要求するようになっている。インドの留保制度というものはたいへん不公平で、実際の世帯の家計状況ではなく、カースト、少数民族といった生まれで留保の割り当てがなされるものであり、極端に言えば商業的に成功したり、役人と出世したダリット(アウトカーストの子弟が留保で悠々と大学入学、公共部門へ就職するかと思えば、ブラーフマンやラージプートなどのカーストとしては高いとされる人たちの中の貧困層にはこうした手立てはなく、肉体労働や下働きなどをするため田舎から都会に出稼ぎいってドヤ暮らしをしたりすることになる。

    それはともかくとして、パーティーダールの人口規模の大きさ(グジャラート州人口の12%、つまり8人にひとりくらいがパーティーダールのコミュニティの人たちであり、政治意識も高い層であることが明らかになったため、BJP側の「パテールの顔」が欲しいという事情もあったようだ。現在までのところ、BJP支持は都市部等のヒンドゥー市民+ジェインなどビジネスコミュニティ、国民会議派はマイノリティとムスリムという支持層の別が明確であるため、パーティーダールをどちらが取り込むかが、次の選挙の焦点と考えられているのかもしれない。

    実はBJPにはブーペンドラ氏と同じパテールのコミュニティで、前政権では副チーフミニスターの地位にあったニティン・パテール氏という重鎮もいるのだが、彼が選ばれなかった。彼自身の恨み節もニュースで報じられていた。政界に転じる前には勤め人であったニティン氏に対して、ブーペンドラ氏は建設業界でのキャリアが長く、パーティーダールコミュニティに顔が利く実力者であるというようなこともありそうだ。インドの政界にはカーストを基盤とする合従連衡や戦略、政界でのキャリアよりも、場合によっては当該の氏族社会での立場がモノを言うようなシーンもあったりと、たいへん興味深いものがある。

    Engineer, corporator, MLA in 2017 to CM: Swift rise for Patidar leader Bhupendra Patel  (The Indian EXPRESS)

  • 権力闘争

    アフガニスタンで、田舎侍たちが都を落としたものの、大将の座を巡って内輪もめだろうか。パキスタン陸軍が育て、各所に「同陸軍からの出向者たち」もあつたとされ、軍紀に厳しかったと思われるターリバーン1.0のころと異なり、ターリバーン2.0は、指導者も幾度か代わり、反カーブル政権の勢力も合流した部族の人たちの連合体。力と指揮の関係が縦軸で繋がるだけでなく、横軸で張り合い併存する関係もあるはず。

    おそらく地域レベルでもこうした小競り合いがあって、勝ち残ったほうが上層部から暗黙の了解を得る、というような仕組み?のようなものがあるのではないか、と想像される。今後もいろいろなことが起きそうだ。ターリバーン勢力のいろんな層で「薩長連合」的な危なっかしい関係性があるのかもしれない。これはあくまで私の想像に過ぎないのだが。

    タリバンで撃ち合い…ナンバー2のバルダル氏が負傷しパキスタンに移送 (中央日報)

  • パンジシール陥落、獅子は敗走

    アフガニスタンのパンジシール渓谷の戦いは、破竹の勢いのターリバーンを前に、なすすべもなかったようだ。昨夜のインドのニュース番組「Aajtak」によると、故アフマド・シャー・マスード司令官の息子、アフマド・マスードは敗走中で、彼の父方のおじは戦闘中に死亡したとのこと。彼らが所有していたという軍用ヘリコプターもターリバーンに差し押さえられたとのことで映像に写っていた。

    インドメディアによるものなので、バイアスがかかっているかもしれないが、さもありなん・・・という内容の報道もあった。今回のパンジシール攻撃の作戦には、パキスタン軍も関与していたとのことで、ドローンによる上空からの攻撃なども実施されており、マスード派など北部同盟+旧政府軍残党の動きは、空からの偵察によりターリバーン側に筒抜けであったらしい。戦闘開始期限までは、交渉による懐柔を試みたものの、不調に終わったため攻撃に踏み切ったわけだが、逃走している集団には、降伏すれば不利な扱いをしないと呼びかけるなど、対話志向の姿勢を見せているのは幸いだ。

    パンジシール渓谷のマスード派のもとには、旧政権の副大統領も身を寄せているなど、インドとしても新政権の中で、一定のコネを持つ人物が残ることを期待したいところだろう。
    インディア・トゥデイ最新号には、「インドはこれほどアフガニスタンに貢献したのに」と、費やした予算、ダムなどのハコものその他の経済協力の例が挙がっていたが、これまでの親印政権から親パ・親中政権へと180度の転換となる。
    パキスタンにとっての「戦略的深み」の復活に繋がるものでもあり、インドは軍事的にも再考を迫られることになる。

    この戦略的深みとは、簡単に言えば次のようなものだ。
    南北に長いものの、東西には薄く、インド北西部に細長く貼りつく形のパキスタンの国土は、同国にとって地理的に降りなものがある。アフガニスタンの親パ政権のもとで、アフガンの国土を有事の際にインドから攻撃を受けない「安全地帯」として、軍事的拠点として活用できるようにすること。また首都圏を強襲されるなど存亡の危機に陥った場合に指揮系統、行政機能をも移転可能な後背地を国外=アフガニスタンに持つことが可能な関係を構築・維持すること。これがパキスタンにとっての「戦略的深み」となる。

    Ahmad Massoud safe, says NRF; Taliban ask ex-Afghan forces to integrate with govt: 10 points (Hindustan Times)

  • ターリバーン特集

    ターリバーン特集

    配信されたインディア・トゥデイ最新号。特集記事は「ターリバーンにインド政府はどう向き合うべきか」。

    良好な関係にあった前政権とは反対に、パキスタンの軍事統合情報部(ISI)とは「親子関係」にあったターリバーン政権の復活。インドにとってアフガニスタンは「遠いどこかの国」ではなく、歴史的に繋がりが深く、パシュトゥーン起源の歴史上の人物やその血を引く自国民も少なくないだけでなく、安全保障上の大切な地域。インドメディアの注目度は高く、アフガニスタンに関する知識の蓄積、分析の深さもまったく日本の比ではない。

  • 米軍が去ったカーブル空港

    米軍が去ったカーブル空港

    インドの放送局による「米軍撤退直後のカーブル空港」報道クリップがYoutubeでシェアされている。

    きちんとした軍の戦闘服を着用しているのは、ターリバーンの313部隊というコマンドー集団とのこと。伝統的ないでたちでないところが、いかにもちゃんと訓練されたプロ兵士という感じがする。「孫にも衣装」といったところだが、外国メディアに撮影させてオンエアしてもらうことにより「意外と近代的だ」というイメージ構築の意図もあるかもしれない。空港に残された戦闘機やヘリの類は、米軍発表によると「無力化済みである」とのことだ。

    ターリバーン側によると、可能な限り早い時期に近隣国、とりわけイラン、カタル(「カーブル」であって「カブール」ではないように、本来は「カタル」であって「カタール」ではない。こんなこと言っても切りがないが)とのフライトからでも再開したいとのこと。

    アナウンサーは「ターリバーンが占拠した」と言っているが、見出しには「テロリストたちが占拠した(आतंकियों ने किया कब्ज़ा)」と出ていることから、少なくともこの局はターリバーンについて、そのように考えているのだろう。(一般的にインドメディアの大半もインド政府も同様の考えかと思う。)

    米軍が去ったことを祝い、ターリバーンの兵士たちが空に立て続けに撃っている映像もあり、「いくつものマガジンを空にしている」そうだが、空に無数に撃てば、その数の弾丸がいつか落ちてくると思うのだが、それが当たって死んでしまうということはないのだろうか?アフガニスタンではないが、インドのビハールなどでも、結婚式の際に空に向けて祝砲を撃つというようなことはよく聞くが、こういうのは怖い。

    काबुल एयरपोर्ट में घुस गया तालिबान, स्पेशल फोर्स यूनिट बदरी 313 के आतंकियों ने किया कब्जा (INDIA TV)

  • デリー・ワーラーナスィー新幹線

    デリー・ムンバイだけではなく、新たに浮上してきた新幹線路線案。経済的には重要度が高くないワーラーナスィー終点という不思議なもの。アーヨーディヤーも経由するなど、「政治のための路線」という感じがする。

    グジャラート州出身のモーディーだが、現在の選挙区はまさにU.P.州ワーラーナスィーとなっており、我田引水といった感じだ。おそらくさらなるフェーズではコールカーター延伸をチラつかせ、次の西ベンガル州議会選挙でこれで票を釣ろうという思惑か。

    それにしてもデリーからアーヨーディヤーまでわずか2時間、デリーからワーラーナスィーまでたったの4時間とは恐れ入る。

    本当に実現するのか、実現したら本当に完成するのはいつになるのだろうか。

    Bullet train from Delhi fast-tracked as Ayodhya aims spot on world tourism map (INDIA TODAY)

  • インド発DNAコロナワクチン

    インドで世界初の人間用DNAコロナワクチン承認とのことだ。ファイザーやモデルナのmRNAワクチンも遺伝子情報を利用したものだが、このDNAワクチンとどう違うのかは、私自身はよくわかっていない。このワクチンは3回接種となるらしい。
    もともとインドでは綿花やオクラなどの農産物、とりわけ虫害の多い作物に対して遺伝子組換え作物を積極的に導入してきたが、いっぽうで日本その他、遺伝子組換え技術に懐疑的な国々も多い。またインド国内でもこれに警鐘を鳴らしてきた専門家やジャーナリスト、それに賛同する市民も少なくないようだ。
    mRNAワクチンの普及、そして今回のDNAワクチンの承認は、とりわけ体内に「遺伝子組換え物質」を注入するわけで、より心配されてもおかしくないわけだが、新型コロナウイルス感染症の爆発的な広がりが、そうした警戒感を一蹴することとなった。ワクチンの必要性があまりに急を要するもので、まさに「待ったなし」の状況にあるからだ。
    これが「ゲームチェンジャー」となり、ワクチン以外の分野でも遺伝子組換えへの抵抗感が社会で相当薄れていくような気がしなくもない。

    India approves world’s first DNA Covid vaccine (BBC NEWS)

  • 「インドにおけるタリバーン的思考」

    「インドにおけるタリバーン的思考」

    一昨日、国営ドゥールダルシャンで放送されたBharat mein Talibani soch ? (インドにおけるタリバール的思考?」と題した討論番組。

    出演はインドのある識者、BJP幹部、そしてふたりのイスラーム学者たち。学者たちは身なりからしてもムスリムのかなり保守層に属すると思われる。

    こういう番組でしばしばあるのが、開始前から結論ありきの集団リンチ的な展開だ。まずは左のアナウンサーで司会を務めるアショーク・シュリーワスタヴが「カーブルで、タリバーンからの布告で15歳から35歳までの女性を登録するために兵士が家々を回り始めている」「インドの社会党議員のひとりがタリバーンによる首都制圧を『アメリカからの独立』と称え、タリバーンを『自由の戦士』と褒めたたえた」ということから話をひとりひとりにふっていく。

    もちろん出演しているインドのイスラーム学者たちもタリバーンを肯定せず、前のタリバーン政権のときの二の舞いとなることを懸念する発言などをしているのだが、右寄りの識者とBJP幹部が意図的にイスラーム教そのものを挑発するような発言をして、これに対する学者たちの反論、言葉尻をとらえてのヒンドゥー右翼による再反論・・・という形に対話が流れていく。

    こうした不毛な討論番組は民間放送にもよくあるのだが、国営放送でこうしたバイアスがかかるというのは、政権からのそうし誘導があるのではないかとか、世論誘導のためのツールとしているのだろうとか、いろいろ考えてしまう。「国内でのタリバーン的思考について」考察するという目的から、「国内のイスラーム教徒を不審視する」という流れで、大変不健全なものだ。

    また、こういう番組にヒンドゥー保守派とイスラーム教徒保守派というふたつの両極端な人たちを出席されて討論というのもあからさまな意図が感じられるようだ。

  • 大統領宮殿での記者会見

    大統領宮殿での記者会見

    一昨日のタリバーンによる大統領宮殿への入場と記者会見の動画。アルジャズィーラが放映したもの。田舎侍みたいな男たちがきらびやかな宮殿内で、少しオドオドしながら記念写真を撮っていたり、物珍しそうに眺めていたりもするように見えるが、彼らを率いている立派な身なりをした3名(4名?)の偉そうな人物たちはタリバーン幹部なのだろう。彼に随行している兵士たちも組織内ではかなり上の存在のはず。市内ではこれまで警官がやっていた交通整理や検問の実施などもタリバーン兵がやっているという。そんな場ではなく、こんな「勝利宣言」の席の幹部の護衛で来ているのだから、「エリート」兵士たちのはずだ。

    この大統領宮殿。これまでは権力の中枢であった場所で、タリバーンにとって平和裏に実権が移行したことを内外にアピールするにはもってこいの場所だ。そこに「PRESS」と背中に書かれたクルーとインタビュアーを伴ってやってきているわけだ。

    こうした形でメディアとその先にいる世界中の視聴者たちを明らかに意識した姿勢は、かつて政権にあったときのタリバーンとはちょっと違うような気がする。「怒れる若者たち」だった幹部上層部も中高年になって成熟したのか、世の中の変化とともに彼らも多くを学んできたのか。

    これからタリバーンが何をしようとしているのか、どんな統治をしようとしているのかは、まだしばらくわからないかもしれないが、まずはメディアに対してどのように振舞おうとしているのかについても注目していきたいと思う。タリバーンが目指しているのは首長国なので「情報公開」のような意識のかけらすらないかもしれないが、少なくとも国外とどのように付き合っていこうとしているのか、そういうつもりはあるのかについては見えてくるかもしれない。

    Taliban enters presidential palace in Kabul (Al Jazeera)