
ビハール州でナクサライト(毛沢東主義過激派=マオイスト)が活発な地域では、警察署あるいはパトロール中の警官たちが攻撃を受けたり、命を落としたりといったニュースがしばしば聞こえてくる。同州内の38のディストリクト中、18の地区では彼らの活動が盛んで流血事件がしばしば発生している。
この左翼過激派たちによる奇襲を恐れて、特に日没後には屋外に置いた机などすべての備品を屋内にしまい込み、本来ならば地域の治安維持を担うべき警官たちも「身の安全のため」建物の中にじっと閉じこもるのが常になっている地域もあることも含め、このあたりの新聞等ではよく報道されているところだ。
カテゴリー: security
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犬こそは頼れる友人
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チャンバルの盗賊の死
昨年の今頃であったただろうか。伝説の大盗賊ヴィーラッパンが南インドで警察の治安部隊とのエンカウンターの結果、絶命したのは。
そして今年は、かつてのプーラン・デーウィーと同じく、北インドのチャンバル渓谷を舞台に悪名を馳せたニルバイ・グルジャルが、STF(Special Task Force)との銃撃戦の末、死亡した。おとといの夕方のことである。
しばしばメディアの取材に応じ、写真とともに記事が掲載されていたので、まるで絵に描いたような「悪漢」らしい不敵な面構えが脳裏に浮かぶ人も多いだろう。

200件を超える凶悪事件のお尋ね者。年齢は40代とも50歳を越えているともいわれていたニルバイは、幾度か結婚を繰り返しているが、いずれも妻となった女性たちとの家庭生活は長く続かなかった。その中には部下と駆け落ちした者あり、警察に逮捕されてそのまま生き別れになった者あり・・・。
獲物を求めて野山をさまよう「狩人」には、世俗の家庭生活などもともと似合わなかったのかもしれない。 -
アラビア海から大津波がやってくる?

いよいよ11月だが、ちょっと気になることがある。それは「今年11月にグジャラートとマハーラーシュトラ両州を津波が襲う」という、アーンドラ・プラデーシュ出身のインド系カナダ人「津波専門家」による発言だ。
彼によれば、次の大津波はアラビア海で発生するだろうということだ。亜大陸では地殻変動による津波が60年周期で起きており、ひとたびそれが起きればグジャラートとマハーラーシュトラで大きな被害が出るだろうとのこと。
その根拠とは何かといえば「1945年に起きたアラビア海の津波からちょうど60年目にあたる。昨年の津波との相関があると思われ、今年年末までには津波が起きるだろう」というなんだか説得力のないものであるが。ちなみにアラビア海における前々回の津波は1883年だったそうだ。
そうした指摘におかげ(?)か昨年南インドを襲った津波の教訓か知らないが、行政当局は沿岸部での津波警報システムの構築やマングローヴの植樹といった対策の検討を進めている。なにはともあれ万一の場合に備えて準備をしておくのはいいことだ。
下記リンク記事は今年9月のものだが、「津波の予言」が空振りに終わることを願いたい。
Tunami could hit Gujarat-Mumbai coast in November (Hindustantimes) -
祝祭を前に

10月29日午後5時58分にパハールガンジで装身具店前の路上に駐車してあったスクーターが、午後6時5分にはサロージニーナガルではチャート(スナック)の露店が爆発した。それらに続きオクラーではDTCバス車内に置かれた不審な荷物に気づいた乗客に注意を促された車掌とドライバーが中身をあらためた結果、爆発物と確信して外に放り出した際に炸裂した。今回の一連の事件で非常に強力な爆薬RDXが使用されたとされる。
市内各所のマーケット、そして鉄道駅やバスターミナルなどでは新たな事件の発生および不審者洗い出しの一環として、乗客の厳しい荷物検査などの警戒態勢が敷かれているが、首都デリーのみならず、ムンバイなどインドの他の大都市でも同様の措置が取られているという。
しかしディーワーリーの休暇のため人々が大移動する時期でもあるため「これだけの人ごみを限られた数の警官たちでどうやってチェックできるのか」「人の流れまではコントロールできない」と、その効果を疑問視する声も上がっている。
現在までのところ死者55名、負傷者155名と伝えられているが、事件の詳細が明らかになるにつれて、この数字はさらに拡大するのかもしれない。負傷した人々は市内各地の病院に収容されているが、輸血用血液の不足のためメディアを通じて献血提供者を求めるアピールが続いている。
公務でトリプラー訪問中であったマンモーハンスィン首相は、帰路コルカタに到着した時点で事件が発生し、現地に滞在する予定をキャンセルして急遽デリーに戻り対応に当たることになった。
今年はディーワーリーとイスラーム教徒のラマダーンの断食明けの祭りがほぼ重なることになるが、これらの祝祭を前にしてこうした事件が起きてしまったことはとても残念である。事件関係者の身柄の確保や事件の真相の究明等が急がれるところであるが、この出来事が今後社会のありかたに甚大な影響を及ぼすであろうことからも、事態の推移を注意深く見守っていきたいものである。
Serial blasts rock Delhi; scores killed (Hindistan Times) -
嵐の予感
本日デリー市内各地(パハールガンジ、サロージニーナガル、オークラー)で連続爆破事件があり、死傷者が出ているようだ。チャンドニーチョウクでは未遂に終わり、爆弾処理班により不発化されたと伝えられている。
死傷者が出ているようだが、経緯や事件背景等を含めた詳細がメディアを通じて明らかになるまで、もう少し時間がかかると思われる。7月に起きたロンドンでの連続テロ事件を含めて、もはや「定番」となった「同時多発」型であることも気になるところだ。
これを書いている時点では犯行声明は出ておらず、イスラーム過激派の犯行あるいは90年代初頭以降沈静化しているパンジャーブの分離主義テログループによるものである可能性等々、様々な憶測が飛び交っているようだ。
いずれにしても国内的にはコミュナルな摩擦が一気に噴出する可能性があるだろうし、先の総選挙以来後退気味の右派勢力がここにきて一転攻勢に出る追い風にもなろう。対外的にはここしばらく良好な印パ関係についても大いに懸念されるところである。
この先インドでひどい「嵐」が吹き荒れることがないことを願うが、どうやらタダで済まないような気がしてならない。
DELHI SERIAL BLASTS
Several feared killed as serial blasts rock Delhi’s markets -
備えあれば・・・
10月8日にパキスタン北部およびインドのカシミール地方の一部に大きな被害をおよぼした大地震。当然のことながら建物のありかたについて反省する声もある。
インドの一部マスコミでは、日本の建物の多くが耐震・免震構造になっているかのように書かれているものも見かけたが、やはりインドひいては南アジア全域に共通する家屋や商業ビルその他の建築方法についての疑問が提示されているようで、インディアトゥデイ誌10月26日号にもそうした記事が掲載されており、「家屋が崩れるメカニズム」についてイラスト入りで解説してあった。簡単にいえば地震の大きな揺れのため、壁が外側へと引っ張られて倒れこむとともに、天井が落ち込んで崩壊するということだ。 -
カシミール初の女性自爆テロ
先週土曜日の大地震で大きな被害を受けたカシミールだが、この地域で最初の女性による自爆テロ(軍を標的にしたものとされるが失敗に終わった)が起きたことが伝えられている。
中東では、特にパレスチナ問題がらみの「闘争」の中、女性によるこの類の事件はもはや珍しいものではなくなっている。またインドでも各地で散発する過激派によるテロ活動の中で、女性が何らかの役割を担っているケースは決して少なくない。だが本日夕方放送のZEE NEWSによれば、カシミール地方を巡る一連の出来事の中で、女性によるこのタイプの犯行は初めてなのだという。
従来男の領域と見られていた分野への「進出」の背景にあるものはいくつか考えられるが、だからといってテロ活動が「拡大している」とはいえないと思う。しかし少なくともこうした活動に参画したり、その中で重要な任務を担う人々の層が従来よりも拡大している可能性は見逃すことができない。何しろ世の中の半分は女性である。今後の動きを注意深く見守っていきたい。
Kashmir ‘woman suicide attacker’ (BBC) -
地震 被災地はどうなっているのか
10月8日に大地震が起きてから4日が経った。地震の被害の全体像が次第に明らかになってきている。世界各国からの援助も押し寄せつつあるとはいえ、同時に生活物資の不足も伝えられている。
そしてやはり交通の問題という壁は大きいようだ。被災地は山岳地帯にも広がっているため、地震の被害を受けた地方の二割に及ぶ地域では、今なお救助隊も救援物資もまったく届かず孤立しているのだという。こうした状況下、空からの救援も試みられているようだが、やはり道路輸送可能な地域と比較して、質量ともに大きく不足してしまうのは想像に難くない。 -
パキスタンで強い地震
10月8日インド時間午前9時25分にパキスタン首都イスラーマーバード北北東95キロ地点、ムザッファラーバードあたりを震源とするマグニチュード7.6の強い地震があり、隣国インドやアフガニスタンにも影響が及んでいる。
インドではJ&K州で地滑りや家屋の倒壊などにより、百数十名の死者と数百人規模の負傷者が出ていると本日時点での報道もある。地震の揺れは、デリーはもちろんパンジャーブ、U.P.西部、ウッタラーンチャル、ヒマーチャル・プラデーシュ、ラージャスターン、マディヤ・プラデーシュ、グジャラートといった各州でも感じられるほど規模の大きなものであった。パキスタンの震源地近くでは今も余震が続いている模様。
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マオイストたちの裏インド 2

社会的なテンションがあるところには、それなりの理由があるのだ。マオイストの影響下にある地域の住民にとって、銃器や暴力へ怖れからやむなく従っている、口を閉じているといった日常があったとしても、彼らがさらに力を伸ばしていく背景には、やはり特定層からそれなりの支持を受けている事実があるはずなのだ。
話は飛んで、現在カシミールの治安状況で問題となっているのは極左勢力ではなく原理主義過激派だが、この点については同様だ。どちらにしても自分たちが「生きるために必要だ」と信じているものの、客観的に見れば誤った方法で頑張ってしまっていると言えるだろう。
彼らはふざけているわけでもなく、怠けているわけでもない。きわめて真面目で真摯な姿勢で邁進しているのだから、当局による「悪いから叩く」対症療法だけでは延々とイタチごっこが続くだけだ。こうした勢力が跋扈する土壌を作らないよう、社会の体質を改善する必要があることは誰もがわかっているはず。こういうときこそ頼りになるのが政治の力であるはずだが、実に様々な勢力の微妙なバランスのもとに成り立っているがゆえに難しい。 -
マオイストたちの裏インド 1

先日、ZEE NEWSで、ビハール、ウッタル・プラデーシュ、ウッタラーンチャル、オリッサ、アーンドラ・プラデーシュ、ジャールカンドの六州で活発になりつつあるマオイストたちの活動に関する特集が組まれていた。また西部でもパキスタンと国境を接するラージャスターンでもその気配があり、彼らに対する「外国から」の資金援助の可能性をも示唆していた。 -
ゲリラとポルノ
政府を向こうに回して独立や自治等を求めて活動する反政府武装勢力が、麻薬の生産やその流通、要人等を身代金目的で誘拐、実効支配地域の住民たちの中から強制的に徴兵を行なうといったことはよく耳にする。
質・量ともに圧倒的に有利な政府を相手にまともに渡り合うのは限りなく不可能に近いことだ。何しろ向こうは「国家」という巨大な機構の中に豊富な財源を持ち、警察という治安組織、軍という武力を備えるとともに、「法」という後ろ盾のもとにあらゆる権力を行使できるからだ。さらに必要とあれば「外交力」にものを言わせて周辺国や世界の列強国から様々な形の有形無形の援助を受けることも可能なのである。
そうした中で反政府武装組織が活躍できるスペースといえば、公権力がまともに機能している限りは、政府の腕力が及びにくい辺境ということになるだろう。そこに住む人々はえてして政権を構成するマジョリティとは大きく違う背景を持つ人たちで、特定の地域性、民族性、宗教その他の文化的・思想的要素を共有するとともに、内部での結束が非常に固いグループということにもなろう。見方を変えれば、まさにそうした異質性がマジョリティとの埋めがたい溝、絶えない摩擦と軋轢を生むのかもしれない。
ともあれ田舎の貧しい民間人たちがやむにやまれず武器を取る、いわば百姓一揆に近い性格のものとすれば、資金的にとても苦しいのは無理もない。彼らが闘いを挑む相手の自国政府と対立関係にある隣国から資金、技術等の供与を受けているケースもあるにせよ、基本的にはなんとか知恵をしぼって自給自足でやっていくしかない。
そうした中、インド東北部のトリプラ州では反政府組織が資金調達のためにポルノフィルムを製作してインド国内や周辺国に流しているという記事を目にした。組織に捉えられた女性がゲリラ兵士を相手に出演を強制されるケースが多いとのことだが、ゲリラグループ内の女性兵士が出ることも珍しくないのだそうだ。こうしたものが出てきたのは最近一、二年ほどのことだが、この風潮はここにきて一気に広がってきているとも書かれている。
ゲリラとポルノという奇異な取り合わせはショッキングだが、これは降伏したゲリラ兵を取り調べた警察から出た情報だという。トリプラ州の反政府組織が実効支配する「解放区」、他地域のシンパたちの失望そして人心離反を狙ったプロパガンダという部分もあるのかもしれないが、政府が組織の非道を糾弾してみたところで、この地域で続く叛乱の原因が取り除かれるわけでもない。
インド国内いくつかの地域で今も分離活動が続いている。多民族・多文化が共生するこの国で、まさに人々の叡智が試されていることだけは間違いないだろう。
India rebels ‘making porn films (BBC South Asia)
