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カテゴリー: news & media

  • Namaste Bollywood +42

    Namaste Bollywood +42

    Namaste Bollywoodの第41号について取り上げた際にも触れたみたとおり、同誌は第42号から有料版へと移行した。これにともない、全32ページで総カラーとなり、内容もさらに充実して、より読み応えのある内容となっている。発行回数は年3回とのこと。

    インド国外でもユニバーサルな人気を誇るインドのヒンディー語映画だが、おそらくどこの国の映画においても多かれ少なかれ、その国や民族の文化、伝統、習慣といったものが反映されるものだ。ましてやディープで多層的な文化と豊かな民族的な幅を持つインドにおいては、ことさらそうした背景の知識を持つことが、作品のより深い理解へとつながる。

    これについては、ハリウッドをはじめとする欧米の映画についても同様なのだが、そうした地域の予備知識的なものについては、多かれ少なかれ私たちはすでに馴染んでいるというある種の「インフラ」的なものが、日本の大衆文化の中にあるという点がインドの映画に対するものとは異なる。まさに同誌においては、インドの社会や文化についての考察と合わせた形で、これまでボリウッド映画の紹介がなされてきたわけであり、定期的に「ボリウッド講座」の開催も行なっていることは言うまでもないだろう。

    2006年に創刊し、すでに9年目を迎えるNamaste Bollywood誌だが、ここ2年ほどの間に日本で劇場公開されるインドのヒンディー語映画が着実に増えていること、またそれらに対する日本の観客の評価が高いことなどを見ていると、ようやく今になって1990年代の日本における「インド映画ブーム」により、各メディアから恣意的に刷り込まれた妙な先入観の呪縛から解き放たれて、インドのヒンディー語映画の良作がすぐれた作品として迎えられる地盤が整ってきているという気がする。過去の「インド映画ブーム」でネガティヴな刷り込みが風化しただけではなく、当時を知らない若い世代の人たちが映画の観客のマーケットに大きな比重を占めるようになってきたという面もあるだろう。今後、都市部ではいつもどこかでヒンディー語映画が上映されているということが当たり前という時代が近づいて来ているのかもしれない。

    こうした機運が高まりつつある中、この流れへと導いてきたさまざまな要素があるはずだが、その中においてNamaste Bollywood誌が果たしてきたもの、ボリウッド講座や各種イベントを通じて広く人々にアピールしてきたことなどによる貢献が占める割合も非常に高いものがあるに違いない。

    近年、日本で劇場公開されたインドのこうした映画といえば、すでにインドで大ヒットしたり、評価が高かったりした映画が、かなりの時間差を経て上陸するという形であった。これが本国とほぼ時を同じくして公開されるような機運になってきたとき、インドのヒンディー語映画が日本にしっかりと定着したということになるのだと私は考えている。

    公開する側にとって、本国でのリリース後の評判を見ずして、充分な集客が容易に期待でき、商業的なリスクのないものとなるには、インドのヒンディー語映画が日本の大衆娯楽の中にしっかりと根を下ろしていく必要がある。劇場公開される映画が観客にとって「評判いいらしいから来てみた。誰が監督しているのか、出演者が誰なのかよく知らないけれども、感動的な作品だった」という一過性の娯楽で終わるのではなく、監督をはじめとする製作者や出演する俳優・女優に対する関心も高まってくるかどうかが大きな分かれ目となる。これは、ハリウッド映画において、巨匠による作品や日本でも人気の高い俳優が出演する映画であれば、公開日が決まった時点から大きな話題となることからもよくわかるだろう。

    Namaste Bollywood誌の執筆陣には、発行人のすぎたカズト氏、インド映画評論家の高倉
    嘉男氏、インド宮廷舞踊家の佐藤雅子氏、インド学研究家の高橋明氏と豪華な顔ぶれを揃えており、非常に読み応えがある。また、「マダム・イン・ニューヨーク(ENGLISH VINGLISH)」のガウリー・シンデー監督、ミュージシャンで映画の音楽監督でもあるA.R. ラフマーンへの貴重なインタビュー記事なども見逃せない。こうした形でのインドのヒンディー語映画に関する、またその背景となるインドに関する知識の拡散と定着が、日本における劇場公開の定番化へとつながっていくことと信じている。

    まずはぜひ、このNamaste Bollywood +42を手に取ってじっくりとお読みいただきたい。
    入手方法については、同誌のウェブサイトに書かれているとおりだが、今号からは楽天市場ヤフー!ショッピングでの取扱いも始まったようである。

  • E-VISA運用開始!

    だいぶ前から各メディアで取り上げられていたインドのE-VISA(観光ヴィザのみ)の運用が本日、11月27日に開始された。

    E-visa list for 43 nations to be announced today (Business Standard)

    対象となる国籍は43か国。もちろん日本もその中に含まれる。滞在可能な期間は30日で延長は不可。入国回数はシングルエントリーのみ。また、年に2回までのみ利用できる。

    申請手続きは下記リンク先から行うことができる。
    Tourist Visa On Arrival (Government of India)

    手順としては、まず申請用サイトにアクセスして必要事項を記入し、証明写真(jpeg形式)とパスボート写し(pdf形式)をアップロードする。そしてクレジットカードで料金(US$60)を支払い、ヴィザ発行に関するクリアランス(4日程度かかるらしい)が完了すると、指定したメールアドレスにETA (electronic travel authorization)が送られてくる。これをプリントアウトして、インド入国の空港(次の9つの空港のみ:Bangalore, Chennai, Cochin, Delhi ,Goa, Hyderabad, Kolkata, Mumbai & Trivandrum)に持参すると、イミグレーションの手続時にヴィザが発行されるという具合だ。

    従前から存在していたアライヴァル・ヴィザが、対象国籍と利用できる空港が拡大されたこと、事前にネットで申請するようになったような具合である。

    なにぶん、新しい制度であるがゆえに、最初のうちは申請手続きや到着時などにちょっとしたトラブルなどがあるかもしれないが、観光客誘致のための試みとして期待したいし、訪問者にとってもわざわざインドヴィザセンターに出向く手間(申請と受け取りで計2回!)が省けるというメリットがある。

    ただし、インド訪問中に周辺国にも出かける予定であったり、30日を超えて滞在したりする場合には、これまでと同じくインドヴィザセンターに出かけなくてはならない。

  • 東洋経済ONLENEのインド特集

    日本の経済誌にインド関係の記事が頻繁に掲載されるようになって久しいが、東洋経済のウェブ版にこのような特集記事が組まれている。

    帝羽ニルマラ純子のモディ政権で始まるインドの夜明け (東洋経済ONLINE)

    インドのニュース雑誌を読んでいる人にとっては特に目新しいものではないのだが、普段インドという国との接点があまりない人たちに、こうした現況に解説を加えて伝えることに意味がある。

    また、こうした記事の中にはインド以外の国々でもヒントになる知恵が散見されるものでもある。例えば、インドでよく見かけるデュアルSIMを搭載可能なスマートフォンを含めた携帯電話もそのひとつだろう。

    インド発スマホベンチャーが爆発的な成長 (東洋経済ONLINE)

    いわゆるガラケー時代からインド市場でこのような製品はあったが、スマートフォン端末でデュアルSIMを採用したのはマイクロマックスが初めてであったとのこと。

    1台の携帯電話に2枚のSIMを挿入して2回線で運用可能とするものであり、日本ではこうしたモデルは耳にしたことがないが、仕事用とプライベート用とで2台持ちしている人たちの潜在的な需要は非常に大きなものがあるはずだ。

    単に伸びしろの大きな途上国市場という捉えかただけではなく、世界第2位の人口を抱える大国であるだけに、そこで蓄積された機智やノウハウには、大いに学ぶべきものがあるだろう。

  • エボラの脅威は対岸の火事ではない

    西アフリカでエボラ出血熱がこれまでにない規模で流行している。

    致死率が90%以上と非常に高いこと、発病後の症状が劇的に激しく、治療方法が確立していないことなどから、大変危険な病気であるということは誰もが認識していたものの、これまでは農村部の限られた人口の間で散発的に小規模な感染が伝えられるという具合であったため、この地域における風土病というような認識がなされていたのではないだろうか。

    だが今回、ギニアで発生したエボラ出血熱が隣国のシエラレオネとリベリアにも及び、ギニアでは首都のコナクリにまで広がるという事態を迎えており、空前の規模での流行となっている。以下のリンク先記事によれば、感染者は635名に及んでいるという。

    史上最悪、西アフリカでエボラ感染拡大(毎日新聞)

    今回、これほどまでに感染が拡大したこと、農村の限られた地域での流行と異なる部分などについてはいろいろ指摘されているが、首都での流行については、これが旅客機等により、地続きではない国々にまで飛び火する可能性を秘めていることをも示している。

    コナクリからフランス、ベルギーといった欧州の国々、ダカールやモロッコ等の周辺国へのフライトがあり、それらの到着地から接続便で北米やアジア方面にも接続することができる。

    そんなわけで、地球のどこの国に暮らしていても、とりわけ今回の流行については、対岸の火事と傍観しているわけにはいかないという危惧を抱かせるものがある。

    あまり想像したくないことだが、これが人口稠密で、インドをはじめとする南アジア地域に飛び火するようなことがあったら、あるいは同様に人口密度の高い日本で発生するようなことがあったら、一体どのような大惨事になることだろうか。だがこれは絵空事ではなく、前述のとおり、ごく短時間で世界のどこにでも移動できる現代では、充分にあり得る話である。

    流行地からは、このようなニュースもある。エボラ出血熱を発症したものの、完治して生還した事例だ。

    エボラ完治「奇跡」の妊婦、喜び語る シエラレオネ(時事ドットコム)

    流行の抑え込みとともに、ぜひとも期待したいのは病理学的な解明と治療法の確立である。今はただ、今回の大流行が一刻も早く収束を迎えることを祈るとともに、医療現場で命を賭して患者たちへの対応に当たっている医師たちに敬意と大きな感謝を捧げたい。

  • ひと続きの土地、ふたつの国

    今年もまたラダック地方に中国軍による侵入の試みがあった。

    Chinese troops try to enter Indian waters in Ladakh (The Indian Express)

    ほぼ時を同じくして、中国でラダックの一部とアルナーチャル・プラデーシュ州全域を自国領として描いた地図を出版している。

    Leh residents object to China’s claim over Ladakh in new map (india.com)

    繰り返しこのような行為を繰り返すことにより、これらの地域がインドに帰属するものではなく、中国の一部であると内外に主張することにより、これらの地域が係争地であることを風化させることなく、機が熟して何らかの大きな行動を起こした場合にそれを正当化させるための企みであることは明白だ。

    このような動きがある限り、J&K州に広く展開する軍備を削減することはできず、財政的に大きな負担を抱える現状は変わることはない。観光以外にこれといった産業のないこの地域において、駐屯する軍に依存する構造も変わることはないだろう。

    また、この地域が事実上、地の果ての辺境であるということも変化することはない。もし中国とインドとの間で領土問題が存在せず、国境の両側が経済的に相互依存する関係にあったらならば、地元の人々に対して大いに利することになるはずなのだが。

    両国の間に設けられた国境という壁は、ふたつの世界を分断し、相互不信の関係をさらに醸成させていくことになる。北京とデリーという、どちらもこの国境地帯から遠く離れた政治の中心の意思が、地元に住む人々の間でひと続きの土地に引かれた国境の向こうにいる人々に対する敵意を焚き付けて反目させる。

    不条理ではあるが、これが現実。さりとてこれが現実とはいえ、はなはだしく不条理なことである。

  • ETIM パーキスターンと中国

    ETIM パーキスターンと中国

    このところ中国ではイスラーム主義者によるものであるとされるテロが相次いでいる。中国の新疆ウイグル自治区の分離独立を訴える集団による犯行であるとされるが、中国に対するジハードを唱え、中国から民族自決を要求する運動から、中国をイスラーム教徒の敵であると主張するものに変質してきている。

    この組織、ETIM(East Turkestan Islamic Movement)は現在パーキスターンのFATA (Federally Administered Tribal Areas ※連邦直轄部族地域)に活動拠点を置いており、中国の手が及ばないところで軍事訓練、武器や資金の供与などを受けているとされる。

    この地域はインドが英領であった時代に遡る歴史的な経緯から、パーキスターン領内でありながらも、同国の立法権限が及ぶのは「国道上のみ」という形になっている。同国政府による行政ではなく、ここに暮らす部族による統治がなされる特殊なエリアである。中央政府の権限が及ばない「無法地帯」であることに加えて、部族民たちの尚武の気風もあり、同じイスラーム教徒の反政府組織やテロ組織等に対しては格好の潜伏場所を提供しているとも言える。

    常々、「テロ組織を隠匿している」と名指しでインドから非難されてきたパーキスターンだが、これまで地域の最大の友邦として同国を厚遇してきた中国にとって、自国でテロを展開するETIMの活動がエスカレートしていくにつれて、この集団が潜伏しているパーキスターンに対して、強い態度に出る日も遠くはないものと思われる。パーキスターンの港湾や道路等々のインフラ整備に手を尽くすほかに、地域最大の友好国として厚遇を与えてきた中国も、そろそろ考えを改める必要性を検討しているかもしれない。

    もちろん中国だけではなく、同地域に潜り込んでいるテロ組織に対する強い懸念を抱く国は少なくないため、パーキスターンに対する外圧は相当なものであるため、ときおりこの地域への軍事作戦がなされている。

    ETIM operatives among 50 killed in Pakistan airstrikes (INTER AKSYON)

    しかしながら、このような行動は根本的な解決からほど遠いことは誰の目にも明らかであり、パーキスターン政府にとっての「一応、出来ることはやっている」というアリバイ作りに過ぎない。各国が望みたいのは、このような無法地帯の存在を許す現在のシステムの変更であるが、パーキスターンにとってはそのような「暴挙」は自国北西部の安定と秩序を破壊するものであり、隣国アフガニスタンにもまたがって暮らす部族民たちとの信頼関係を根底から崩すことにより、内戦に突入する危険をも覚悟しなくてはならない一大事となる。

    最も大きな問題は、当のパーキスターンが自国領内のFATA地域のこうした問題を解決する能力も意思も持たないことだ。FATAのありかたは、今まで以上に地域の安定と秩序に及ぼす影響は非常に大きなものとなる可能性があり、今後目を離すわけにはいかない。

    標的にされる中国 「全イスラム教徒の敵」(asahi.com)

    ジハード呼びかける動画、狙いはウイグル族 (THE WALL STREET JOURNAL)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 1 (CCTV)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 2 (CCTV)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 3 (CCTV)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 4(CCTV)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 5 (CCTV)

    Online terrorism East Turkestan Islamic Movement terror audio and video part 6 (CCTV)

  • Namaste Bollywood #38

    Namaste Bollywood #38

    Namaste Bollywood #38

    今号の巻頭の特集はChallo Dilliである。2011年に公開された作品で、昨年の東京で開催されたIFFJ(Indian Film Festival Japan)でも上映されていたが、今年2月15日からはオーディトリウム渋谷を皮切りに順次全国劇場公開される。

    ラーラー・ダッターとヴィナイ・パータクが演じるロードムーヴィー。エリートのビジネスウーマンがムンバイーからデリーへ空路でひとっ飛びしようとしたところが、ひょんなことから陸路で移動することになる。次から次へと降りかかるトラブルの中で、たまたま同じデリーに向かうことから道連れとなった下町のちょっと品がないけれども、機転に富みサバイバル本能にも長けたオジサンと繰り広げるドキドキ、ハラハラの珍道中。

    内容についてあまり云々するとネタバレになってしまうので、このあたりまでにしておくが、商業映画としてはかなり低予算で製作されているようだが、ストーリーと演技、つまり中身で勝負して『結果を出した』秀作で、インド映画好きという括りではなく、世の中すべての映画ファンに鑑賞をお勧めしたい。

    これに先立ち、サイーフ・アリー・カーン主演のエージェント・ヴィノードもシネマート六本木で公開されているが、こちらは2週間限定とのことなので、上映の残り期間はすでに秒読みに入っているので、観たいと思ったらまさに今、足を運ぶべきだろう。

    その他もいろいろ大変興味深い記事が掲載されている。カタックの巨匠ビルジュー・マハーラージ師の来日、マードゥリーのボリウッド復帰作、日本版新発売のDVDその他いろいろ今回も貴重な情報が満載だ。なお、3月には「ボリウッド映画講座」の開講が予定されているとのことで、Namaste Bollywoodのホームページは常時要チェックだ。

    さて、今年は日本在住のボリウッドファンにとって、これからどのような作品を観る機会が待ち受けているのか楽しみである。

  • スィッキム州のパキョン空港 2014年末までに開業予定

    いよいよスィッキム州にも空港がオープンすることになる。空路によるアクセスといえば、州都ガントクから120km以上離れている西ベンガル州のバグドグラ空港まで行き、そこからバスあるいはタクシーでスィッキムへという具合であった。

    2014年末までに開業が予定されているパキョン空港は、ガントク南方30kmほどの場所である。下記リンク先の記事には、「The airport has a 180-metre long airstrip」などと書かれているが、滑走路が180mというのはあまりに短すぎるので、何かの間違いだろう。

    Sikkim’s first airport to be ready by 2014 (ZEE NEWS)

    山地での空港建設はかなり困難で手間がかかる様子は、こちらの資料から窺うことができる。

    パキョン空港とダイレクトで繋がるのはどこの街だろうか。コールカーターとグワーハーティーは必須であるとして、デリー、ムンバイー、その他の大都市からも需要があるだろう。ただし観光シーズンとそれ以外のギャップは大きいはずなので、とりわけ季節性の高いダイヤが組まれることだろう。

  • バーングラーデーシュ市場に販路を目論むユニクロ

    中国一辺倒であった生産拠点を他国への分散を図るユニクロがバーングラーデーシュでの製造に力を入れ始めるとともに、マイクロ・クレジットの成功で知られるグラーミーン銀行との提携で、現地会社グラーミーン・ユニクロを設立したのは2010年のこと。

    ユニクロのソーシャル・ビジネスという位置づけにて、地場産業から調達できる素材による現地請負業者が生産した製品を、現地の委託請負販売者が顧客に対面販売をするという形での取り組みがなされていたことは以前取り上げてみたとおり。

    Grameen UNIQLO (indo.to)

    おそらくこうした試みの中で、このビジネスがモノになるという確信を得たのであろう。ユニクロは同国で今後1年間に30店舗のオープンという目標を掲げるに至った。カジュアル衣料販売で世界第4位の同社が、ZARA、H&Mといったライバルを追い抜いて世界トップに躍り出ることを画策する同社の狙いは、これまで競合する他社が手を付けていない最貧国市場での大きなシェアの獲得である。

    11月17日(日)午後9時からNHKで「成長か、死か ~ユニクロ 40億人市場への賭け~」という番組が放送されていた。

    内容は近年の業界の勢力図とライバル各社の動向、そしてこれまでターゲットとしていなかった最貧国市場への進出と現地でのスタッフたちが格闘する日々、そして現地を代表するアパレル企業トップからユニクロへのアドバイス他といった具合だ。

    その中で、ユニクロが展開するカジュアル衣料は現地の女性たちにあまり受け入れられず、今年7月にオープンした第1号店ではあまりに女性客への売れ行きが芳しくないので、急遽地元のバーザールからシャルワール・カミーズを調達して店舗で販売するといった一幕、女性スタッフが現地の女性たちのお宅を訪問してクローゼットの中を見せてもらったら、誰もがほとんどサーリーやシャルワール・カミーズ以外の服をほとんど持っていないことに驚くなどといった場面があったが、いくら何でもこのあたりの事情については事前のリサーチで判っているはずの基本的な事柄なので、何らかの作為のあるヤラセのストーリーなのではないかと思った。

    いずれにしても、今回の路線転換により、「ソーシャル・ビジネスです」と、トーンを抑えていた同国での市場展開が、「ビジネスそのものが目的です」という本音を剥き出しにした市場獲得へのダッシュとなったことは注目に値する。最貧国市場への浸透といってもこれが意味するところの地域は世界中各地に広がっているが、バーングラーデーシュは、人口は1億6千万人に迫ろうかという巨大な規模であるにもかかわらず、国土の面積は北海道の2倍弱という地理的なコンパクトにまとまっているという魅力があり、今後同業他社や異業種の企業等の進出も期待されている中、ユニクロの進出が呼び水となり、同国のマーケットとしての魅力がこれまでよりも大きく取り沙汰されるようになるのだろう。

    こうした番組について、以前であれば「再放送されることを期待しよう」などとするしかなかったのだが、最近のNHKはウェブでのオンデマンド放送も実施しているので、興味関心のある方は視聴されることをお勧めしたい。本来は有料だが、まだアクセスしたことがなければ無料でお試し視聴もできるようになっているようだ。

    成長か、死か ~ユニクロ 40億人市場への賭け~ (NHKオンデマンド)

  • Namaste Bollywood #37

    Namaste Bollywood #37

    Namaste Bollywood #37

    ナマステ・ボリウッド第37号の特集はIFFJ(Indian Film Festival Japan)。目下開催中のこの映画祭は東京・埼玉・大阪の3会場にて進行中で、会期はそれぞれ10月11日(金)~18日(金)、10月12日(土)~14日(月)、10月19日(土)~25日(金)となっている。見応えのある作品が目白押しで、できることならば会期中ずっと入り浸っていたい。

    チケットは1回券が1500円、3回券が3000円となっているため、会期中に3回単位で鑑賞する、あるいは複数人数で押しかけるとお得となるようになっている。

    今回のIFFJで上映される作品のひとつ、Chalo Dilliでラーラー・ダッターとともに主役を演じるヴィナイ・パータクといえば、もはや名優の域に達している素晴らしい役者だが、この映画祭初日には会場に姿を見せていたようだ。ちなみにこの作品は来年1月14日から日本で正式に公開される予定。ヒーローものでもアクションものでもないが、コミカルな役柄とともに幅広く懐深い彼の演技をひとたび目にしたならば、誰もが魅了されるはず。

    その他、今回のIFFJで上映されるわけではないが、インドのディワーリーのタイミングで公開される大作についても触れられており、Krrish 3やDhoom 3など、いつか日本で公開される日がやってくることをぜひ期待したい。

    その他、特別企画「インド舞踊を語る」、そして「カタックを語る」といった舞踊に関する記事、ボリウッドDVD、ボリウッド映画に関する書籍の情報等々、ファンにとっては欠かすことのできない情報に満ちている。

    ボリウッド映画は、大きな娯楽だが、これを鑑賞していくにつれて、スクリーンの背景にある文化や伝統といったものもチラチラと見え隠れしていることから、語学以外の面からも、インドを学ぶには格好の素材でもある。公開される作品には、製作時のインドの世相も色濃く反映されており、これをフォローしていくには日々発信されるインドのニュース、もちろんインドのメディアが伝える政治経済、映画関係ニュースはもちろんのこと、雑多な三面記事にも日頃からよく目を通しておくと、作品の内容にもよるが製作者の意図やメッセージが鮮明に見えてくることが少なくない。

    楽しい娯楽でありながらも、その背後にあるものの奥行きの深さもまた、このボリウッド世界の豊かな魅力である。

  • ロイヤルエンフィールドのチベットツーリング

    新品で購入できるヴィンテージなブリティッシュバイク」のロイヤルエンフィールドによるインドやネパールでのツーリングのツアーは近年多くなっている。

    これには外国人に対してはエキゾチックなロケーションと夢のような古典バイクという取り合わせがアピールすることと思われるし、近年はインドの若者等の間でも手近にあるヴィンテージなバイクに対する関心が高くなっているということ、そして現在も生産中であることから導入やメンテナンスのコストが妥当なものであるということも、こうした企画を容易にしているといえる。

    ネパールからは「さらにエキゾチックな訪問先(?)」としてのチベットへのツーリングも組まれるようになっているが、ここにきてついに「インドで初めて」を謳うチベット行きのツーリングが企画されている。

    10月11日(日)にUP州都ラクナウを出発し、ネパールを経由してチベットを走るというもので行程は半月ほど。どういう人たちが参加するのかはよく判らないが、おそらくスタートとともにインドのメディアが取り上げることだろう。

    こんな企画が可能となることについて、印中間の関係改善ぶりを感じるような気がしないでもないが、今年の春先に中国軍がラダックの一部に侵攻した例もあるなど、今後も紆余曲折が予想される。

    ロイヤルエンフィールドによるチベットへのツアーはともかく、両国間で人々やモノの往来が盛んになることは決して悪いことではないだろう。いつの日か、経済面でお互いに抜き差しならぬ相互依存の関係が築かれたならば、そうそう危険な振る舞いに出るわけにもいかなくなる。安全保障の面でも大変有益であろう。

  • Lonely Planet India第15版発売

    Lonely Planet India第15版発売

    旅行ガイドブックの定番、ロンリープラネットのインドのガイドブックの版が改まる。この近年は2年毎に更新されているが、記憶に間違いがなければ、昔はもっと間隔が開いていたように思う。

    訪問先の歴史・文化・風土・民族等々の詳細については他の書籍等を参照するにしても、実際的な旅行情報のソースとしては、今も昔もこれの右に出るガイドブックはないだろう。やはり世界中の旅行者たちからの意見や情報が集まるだけのことはあるし、旅行案内書としての長年の蓄積もある。

    また日本のガイドブックの類と異なり、情報量の差以外にも非常に好感を抱くことができる部分が大きい。旅行業界から広告を取ることなく、偏向しない旅行ジャーナリズムに徹していることについて畏敬の念さえ感じるほどだ。

    インドを含めた人気の旅行先の巻については、版を重ねるごとにどんどん厚くなる方向にあったが、2年前に発行された第14版から初めて前版よりもページ数が若干減っている。そして今年10月に出る第15版もまた少しページが減るようだ。一般的に旅行時の荷物が多めの西洋人たちにとっても、やはりあまり厚くなると持ち運びに不便ということか。

    最近は電子版も選択できるのはありがたい。第14版は書籍版、PDF版以外にキンドル版も販売されていた。第15版については、今月発行される書籍版に先行して、PDF版がすでに9月に発売されており、私自身はすでに購入した。すぐに使う分だけプリントアウトしておき、あとはタブレットに保存している。同様にSkydriveやDropboxにもパックアップしてあるので、必要があれば旅先でプリントアウトしてもいい。おそらくキンドル版も近々発売されることだろう。

    本業の旅行ガイドブック以外にも、最近は自社サイトでのホテルや航空券のブッキング業務にも力を入れていることが注目される。