MUMBAI BANDH !! 大都会ムンバイがフリーズした日 1

去る7月30日は、『ムンバイ・バンド』の日であった。もちろん結婚式などの際に演奏するブラスバンドのことではなく、市全域に呼びかけられた言わばゼネストのことである。

7月28日に、市内バスが爆破される事件があったことを受けて行なわれたものであり、7月30日の午前零時から夕方6時までの18時間、バンドを決行するという呼びかけがなされた。 極右政党として知られるシヴ・セーナー及びBJPによる今回のバンドは、テロ行為に対する批判の意思表明であるとともに、最近幾度となく市内で起きている爆弾事件に対する政府の無策ぶりについて、現在の州政権への圧力であるとされる。

またシヴ・セーナーの次代を担うウッダヴ・タークレーには、これまで幾度かバンドを決行した彼の父親のバール・タークレー同様の統率力があることを誇示する意味もあるらしいという。
シヴ・セーナーは、マハーラーシュトラの有力政党のひとつであり、1995年の選挙ではBJPと連立で州政権の座についたこともある。インドを訪れて、シヴ・セーナー本拠地のマハーラーシュトラ州はもちろんのこと、他州でもシンボルマークのトラの顔が描かれた事務所や看板などに気がついた方も少なくないだろう。

バンドを行なうこと自体に対する批判も少なくないようであったが、犯行にはイスラーム過激派の関与が有力視されていることから、地元の複数のイスラム団体がシブ・セーナー等によるバンドへのサポートを表明するとともに、ムスリムの支持者が少なくない社会党もまたこのバンドへの積極的な支持を明らかにするとともに、当日にはテロ反対等を叫ぶ集会を開くという発表をしたことは興味深い。もちろん『イスラーム教』『ムスリム』に対する敵対感情が高まるのをなんとしても抑えたいという意思の表れだろう。 実際、今日は彼ら『マイノリティ』への攻撃が非常に心配されているという。

前日に幾度かタクシーを利用したが、車両という密室の中で相手がしかも外国人という気安さもあってか、運転手たちからは翌日のバンドについてはかなり批判的な話をよく聞いた。 もちろんボンベイのタクシー運転手の多くがマハーラーシュトラ州外から、特に北部のU.P.やビハールから来ている他所者が多いということもあり、冷めた見方をしているという部分もあるのかもしれないが。

いずれにしても誰もが『セーナー(シヴ・セーナー)のバンドは徹底しているから怖い』ということを口にしていた。他の街でのそれと違って全ての事務所や店などはもちろん、交通機関や公の施設まで見事に休止してしまうのだという。

デリーなどでもバンドに遭遇したことがあったが、大通りの商店や会社は閉まっていても、路地の商店は営業していることが多かった。バスは動き、タクシーも利用できた。普段渋滞する地区では、バンドでも往来はそれなりに混雑していた。ムンバイはインド最大の商業都市でもある。そんな極端なことはなかろうとタカをくくっていたのだが…。

<続く>

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