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カテゴリー: politics

  • ヴェラッパさん再選

    photo by www.globalaging.org
     以前、きまぐれピックアップでもふれた「最高齢のインド現役国会議員」ラーマチャンドラ・ヴェラッパさん。元々は国民会議派だったが、現在ではBJPに所属。総選挙での再選を目指して立候補していた。
     その後どうしたのか気になっていたが、調べてみれば見事当選。国会議員の高齢記録をさらに伸ばすことになった。しかし、厳しい選挙戦で体力を消耗したのか、体調を崩し、現在は病院で療養中とのこと。
     こんな年齢で、議員という責任ある仕事がまっとうできるのか、と心配に思う人も少なくないだろう。彼が続投できるのは選挙区の人びとからの信頼が厚いためだが、彼にかわる魅力ある人材が出てこないという背景もある。
     インディア・トゥデイ誌の懸賞付世論調査の中で、こんな質問を見かけたのを思い出した。
    ●政治家に65歳定年を設けるべきか?
    ●国会または州議会の議員に選出されるのを、
     五期以内に制限するべきか?
    ●大臣(首相を含む)を務めることのできるのを、
     二期までに制限するべきか?
     インドは総人口の54%が25歳以下という若者の国だが、国会議員の平均年齢は55歳以上で、中央政府閣僚ともなると平均61歳を超えるという。
     社会の年齢構成に見合った政治の若返りも必要だが、言うまでもなく高齢者も社会の大切な一部である。一世紀近く生きてなお、社会の第一線で活躍しようというのだから実に頼もしいおじいさんだ。
     政権が中途で解散することがなければ今回の任期は5年。5年後には、ヴェラッパさんは99歳。こんな型破りな人がいるのもまたインドらしい。


    ●ヴェラッパさんの近況
    記事によって年齢が違うのは、「やっぱり」という感じ。
    心配無用!ワシは元気だ (The Hindu)
    Good day? bad day (BBC)

  • インドの新しい顔

    マンモーハン・スィン新首相 / photo by rediff.com
     すったもんだの末、ようやくインドの新しい首相が決まった。インドの新しい顔となったマンモーハン・スィン氏は、1990年代初めに国民会議派=ナラシマ・ラオ政権で財務大臣を担当。91年の経済危機を乗り越えて、その後の成長へと続く改革の道を切り拓いた。当時のラオ首相の最大の功績は、彼をこのポストに起用したことだとまで言われる。
     1932年、現在パキスタン領内にあるパンジャーブ州西部生まれ。パンジャーブ大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ両大学で学んだ後、国内いくつかの大学で教えた経済学者であるとともに、中央銀行総裁をしていたこともある。
     パキスタンのムシャラフ大統領(インドのデリー生まれ)とともに、南アジアの両大国のリーダーの生まれ故郷は、そろって国境の反対側ということになる。このふたつの国の血のつながりの濃さを象徴しているようだ。
     マンモーハン・スィン氏はインドで初めてのスィク教徒(非ヒンドゥー教徒としても最初)の首相でもある。彼によって「名前の綴りにRが含まれる人物は首相になれない」という謎めいたジンクスは破られた。
     過去のインド首相で、自身がこれほど経済に明るい人物がいただろうか。どこから見ても異色な新リーダー。会議派政府を閣外協力する左派との関係の舵取りが難しいと思われるが、今後の手腕に多くの人びとが期待しているに違いない。

  • 最後に笑うのは誰?

     今回の選挙結果が、インド経済に大きな波紋を広げている。大勢判明直後の大幅下落にとどまらず、週明け月曜日には、過去129年間で最大の暴落を記録してしまったインドの株式市場。好景気の波に乗ってきたインド経済に急ブレーキがかかり、新政権は発足前から面目丸つぶれである。
     一連の出来事で、いまをときめく財閥オーナーたちにも大きな被害が及んでいる。昨年度の長者番付トップで、リライアンス・グループを率いるアンバニー兄弟にいたっては、なんと594億Rs(約1490億円)もの損失が推測されている。
     だが、こうした財力ありあまるお大尽たちはともかく、本当にスッカラカンになってしまって頭を抱える市民も少なくないだろう。
     予想外の勝利を収めた国民会議派は、強い逆風を受けてのスタートとなる。アテにしていた諸々の左翼政党の取り込みは不調。第一党の国民会議派、野党に転落したBJPに次ぎ、三番目の議席数を確保したマルクス主義共産党は、政権に直接参加せず閣外協力に留まることを表明している。イデオロギー的なものはもちろん、再来年に控える西ベンガル州選挙(国民会議派が最大のライバルとなる)の都合もあるようだが、会議派に対して自分たちの価値を吊り上げようという意図も見え隠れする。
     同党をはじめとする左翼陣営は、国営企業民営化プログラム(この中には政府が所有する銀行、航空会社のエア・インディア、インディアン・エアラインスも含まれる)に一様に反対しており、今後はこの第三勢力の動きが政局の重要なカギ、…いや政権の存続をも左右するようになるのかもしれない。
     単独で過半数を確保できなかった国民会議派にとっては気が重い問題ばかりだ。ただでさえ軋轢の大きい寄り合い所帯の連立政権。閣外からの「協力」と同時に大きな「圧力」もかかってくることを覚悟しなくてはならない。
     今回の総選挙の結果、最後に笑うのは誰だかはっきりするまで、もうしばらく時間がかかるようである。
    財閥主たちはいくら損した? (Times of India)

  • インド迷走:ソニア首相就任を否定

    Photo by www.indianexpress.com / (C) PTI Photo
     世の中いったい何がおこるかわからない。総選挙で勝利した国民会議派総裁=ソニア・ガーンデイー氏。首相就任が自然な流れであると思われたのだが、昨日、大統領との会談後、本人の口から就任を否定する発言が飛び出した。今日19日には「ガーンディー首相誕生!」と予想されていたのに。
     かねてよりソニア氏の出自については、党の内外から語られることは多かったが、彼女自身も会議派も、そうした障壁は百も承知で腹をくくって、この選挙戦を闘ってきたはずだ。右翼陣営の過激な攻撃を封じるため辞退したとすれば、「彼らの論理に屈して、会議派の指導体制の誤りを認めた」と、受け取られてもおかしくない。
     あるいは「外国人」「王朝の再来」という批判を最小限に抑えようと、一度は固辞しながらも周囲から熱烈に請われて就任したという手続きを踏みたいのだろうか。少なくとも、「首相のポストを明け渡すことで、閣外協力を表明するにとどまっている左翼勢力を取り込もうという奇策」ということはないだろう。
     一部伝えられている「野党の攻撃で嫌気が差した」「首相職に関心がない」というのが本当の理由であるとすればひどい話だ。ソニア氏を頂点とする会議派に期待を寄せて票を託した有権者たちへのあからさまな裏切り行為である。さらなる政治への失望と不信感を人びとの心へ植えつけることだろう。
     周囲の圧力で、断りきれずに政界へ進出することになった彼女に同情を寄せたくなる気持ちもあるが、いまこそ党総裁としての責任はもちろん、これまでソニア氏を祭り上げてきた会議派の責任も問われるべきである。世界最大規模の政党でありながら、強いカリスマ性を備えた指導者が不在であるという不条理。今回の出来事でその醜態を天下にさらすことになった。
     選挙で政治の風向きが大きく変わったものの、新政権発足前にして早くも元の流れに戻ろうとしているかのようだ。次期首相候補として、マンモーハン・スィン氏(1990年代初め、ナラシマ・ラオ政権下の財務大臣)の名前が浮上してきているが、はたしてどんな決着を見ることになるのだろうか。

  • フタを開けてビックリ!

    photo by Hindustantimes.com
     13日に開票されたインド総選挙、当初の予想とは裏腹に国民会議派が第一党という結果になった。BJP(インド人民党)陣営が確保した185議席に対して、会議派陣営は217議席。過半数を得るのに必要なのは272議席。今後はBJPの対抗勢力をどれだけ取り込めるかが焦点となる。
      「反BJP」は、当然のごとく左派勢力が中心。今後、構造改革や、公部門の民営化プログラムが停滞するのではないかという懸念から、本日金曜日のボンベイ株式相場は急落した。これまでBJP政策の恩恵を受けてきた経済界や富裕層に不安を与える政権交代になりそうだ。
     農民や貧困層の支持を得られなかったことがBJP勢の敗因とされるが、ムスリムやダリットをふくめ、社会の底辺を構成する人びと、近年の経済発展の恩恵から取り残された人びとの不満をうまく吸収しようという国民会議派とその周辺勢力の戦略が功を奏したというわけでもないだろう。これは、BJP政権下で冷遇されてきた人びとによるリベンジである。
     マハトマー・ガーンディーが語った「インドの心は村にある」という名言は、現代にも通じる真理なのだろう。やはり選挙は国を挙げての多数決、数こそが力なのであるという単純な理屈がよく見える形になって表れた。
     華やかな歴史とともに、国の隅々にまでおよぶネットワークは国民会議派の大きな財産だ。「世界最大の民主主義政党」という看板もあながちウソではないな、という気がしてきた。
     また、これまで「BJPは苦戦ながらも勝利をおさめる」と予想していた多くのメディアが、社会のどの部分に依拠しているかということも、いまさらながら浮き彫りになった。

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  • 次なる政府は?

     インド各地で4月20日・26日、5月5日・10日と4回に分け行われていた総選挙の投票がすべて終了し、じきに大勢が判明する。現在、与党の立場にあるBJP(インド人民党)、政権復帰を賭ける国民会議派、ともに単独で過半数を得ることは難しい状況。両陣営ともに新たに連立を組む相手を探り、水面下での駆け引きが活発に行われているようだ。
     今回の総選挙は「インド初の電子投票」という記念すべき方法で集票。各地に百万台以上の投票マシーンが設置されたことも大きな話題となった。投票率55%(例年は60%台)とやや低調ではあったが、それでも3億5千万人以上もの人びとが、自らの意思を票に託したわけだから、地上最大規模のイベントとも言える。
     期間中、選挙に関わるトラブルによる死亡者は、この国にあって40名と少なく(!)、過去もっとも平穏な選挙のひとつであった。
     選挙広告もなかなか興味深く、中でも国民会議派の雑誌広告や、ウェブサイトには、ちょっと考えさせられるものがあった。
     独立運動、共和国制と憲法の制定、パンチャーヤト制導入、緑の革命、工業の発展、IT産業推進政策、経済自由化への道筋など…、118年もの長い歴史を持つ政党だけあり、近代インド史がそのまま党の歴史と重なる。しかし、いまでは野党の座に甘んじていることもあり、過去の実績にくらべ、近年は特にアピールできる材料が少ないようだ。
    Photo by www.congress.org.in
     党のウェブサイトにアクセスしてみよう。「home」のすぐ右隣のタブには、元首相で1991年に亡くなったラジーヴ・ガーンディーの言葉が記されており、現在同党を率いるソニア氏は、まるで故人の代理を務めているかのような印象を受ける。
     「history」をクリックすると、いきなり手紡ぎ糸車を前にしたマハトマ・ガーンディーの大きな写真があらわれる。1989年の総選挙(会議派は大敗。人民党のV.P.スィンが首相の座に)の際に、「初代首相ネルー生誕百周年」というコピーを冠したポスターが選挙戦に大量投入されていたことを思い出した。
     すでに天国の住人となっている大昔のリーダーまで、キャンペーンに駆り出されるのだから、「公人」というものは大変だ。それにしても、華々しい過去の業績ばかり書き立てる記事には虚しさを感じる。もちろん、近代インドを形作る中で同党の役割は重大だった。が、インド人なら誰でも知っているようなことを今さら書き立てられたところで…まあ、どんなものだろうか。

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  • いざ決戦!

    election2004/ Photo by Times of India
     本日4月20日からインドで、独立以来13回目となる総選挙が始まる。世界最大の民主主義を標榜する国だけあり、全国政党・地域政党合わせて約40もの政党がしのぎを削る。有権者6億人以上、任期5年で543名の代表が選ばれる巨大な選挙である。
     投票日は地域によって異なるが、4月20日・26日、5月5日・10日に行なわれ、5月13日開票、同25日までには結果が判明することになっている。規模だけではなく、かかる時間もまた長い。
     今回の最大の焦点は、昨年12月に行なわれた州選挙での大勝、そして好調な経済が追い風のBJP政権がやはり続投となるのか、しばらく野党の座に甘んじている国民会議派が巻き返しを図れるのかということ。
     いずれにしても昨今は一党単独で多数を得るのは非常に困難なインド政界。選挙が近づくにつれて進む各党の合従連衡の動きについて報じられていた。地域大国インドの政局の動向が周辺の国々に与える影響は大きく、南アジア各国のメディアもこぞって注目している。
     現在、中央政府与党の座にあるBJPは、国民会議派以外の政党としては初めて任期をまっとうすることになるが、今まさに民意によってその評価が下されようとしているわけだ。
     問題も多いが、発展途上の国々の中にあって、まがりなりにもちゃんと国民の総意を問うシステムが機能しているのはインドのエライところ。
     さて今回の選挙で人々は何を期待しているのだろうか?結果としてどんな政府が目の前に現われるのだろうか?


    ▼[Rediff] Election / India Votes 2004
    http://in.rediff.com/election/poll04.htm
    ▼[Times of India] Young India Votes / Election 2004
    http://timesofindia.indiatimes.com/specials/434650.cms
    ▼[写真] The Mahakumbh Of Politics: Smileys
    http://photogallery.indiatimes.com/articlelist/615842.cms
    ▼インド総選挙投票始まる 有権者6億人、世界最大
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040420-00000041-kyodo-int

  • 若いモンには負けていられん!

    インドの総選挙。各政党のキャンペーンが白熱する中、なんと94歳にして選挙戦に臨むヴェラッパさんはインド最高齢の現役国会議員。独立前、国民会議派の反英運動に加わったことでアンダマン・ニコバール諸島の刑務所に投獄されたことがある筋金入りのフリーダム・ファイターでもある。国民会議派を離れ、BJPに加わり十数年。再選されれば、任期の5年を終えるころには100歳目前!まさに「生涯現役」だ。

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  • 王子様、旅立つ!

    photo by Mantra Online News
     ちょうどいま、インドは総選挙の時期を迎えている。日程は地域によって異なるが4月20日、4月26日、5月5日、5月10日に投票が行なわれる予定。
     国民会議派総裁=ソニア・ガーンディーの息子、ハーヴァード大学卒34歳のラーフル氏がアメーティー選挙区からの出馬を正式決定したことに国民の注目が集まっている。
     今回の選挙には娘のプリヤンカーが出るのではないかという予想もあったが、彼女は兄の選挙キャンペーンの応援に回ることになった。同地はウッタル・プラデーシュ州にあるネルー=ガーンディー家の伝統的な選挙区だ。父親で元インド首相の故ラジヴ・ガーンディー氏もかつてここで戦ったことがある。
     近年ジリ貧状態に追い込まれている国民会議派にとっては、初代首相の曾孫、「女帝」インディラの孫にあたる人物の登場は明るい材料ではあるが、政治経験もない青年にどれほど期待できるものだろうか。
     彼が無事当選し、しばらく経験を積んだ後、ようやく母親のソニア氏は家庭に戻れるのかもしれない。出馬したラーフルの胸のうちは本人にしかわからないが、かつて王朝とまで揶揄された家の嫡男に生まれたことで、結局政治以外の道を選ぶことを許されなかったのではないか。
     余談になるが故ラジヴ・ガーンディーの弟で、1980年に自家用機の事故で亡くなったサンジャイの妻マネカとその息子、つまりラーフルの叔母と従兄弟は国民会議派と相対する陣営にいる。こちらの動向も注目したいところだ。
    ▼’Rahul and I are inseparable’
    http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/602854.cms
    ▼Rahul Gandhi files election papers
    http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/3602091.stm

  • 「世俗」ってなんだろう?

    グル・ナナク

     フランスでのイスラム教徒女子学生ヘジャーブ、スカーフ着用禁止問題については、今までもしばしばマスコミで取り上げられ、日本でもよく知られる。ところが、このたび新法が施行されると、国内すべての公立学校で、イスラムのみならず宗教を象徴するあらゆるものの着用が禁じられてしまうため、同国在住のスィク教徒たちは危機感を抱いているという。

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  • 一寸先は闇…

     インド・パキスタンを結ぶ唯一の列車、サムジョーター・エクスプレスの運行が2年ぶりに再開された。昨年夏から再びデリー・ラホール間を走りはじめたバス、今月初めから復活した空路とあわせ、印パ間の往来はようやく平常に戻ったように見える。
     近頃マスコミが報じる両政府の動きを見るかぎりでは、隣接するふたつの国の関係は、これまでのところ順調に修復へと向かっているようだ。

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