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投稿者: ogata

  • ダライ・ラマ14世訪日 1

    来週、ダライ・ラマ14世の来日が予定されている。1990年代おわりから、ほぼ毎年日本に来るようになっているが、今回もまた各地で法話・講演が行なわれる。
    現在来日中の世界ウイグル会議議長のラビヤ・カーディル氏がダライ・ラマとの会談を希望しているとされる。
    日本政府に対する中国側の圧力もあり、ダライ・ラマ14世の訪日は政治目的ではないことになっているものの、チベットとウイグルという長年北京が手を焼いてきた『反体制派の巨頭』が顔を合わせるかもしれないことから、中国はかなり神経を尖らせていることだろう。
    北京の横槍に屈して日本政府がこうした動きに対して干渉したり、あるいは先のオリンピックの聖火リレーのときのように、在日中国大使館が動員した人々が示威活動のようなことを行なったり、モメごとを起こしたりといったことがないよう望みたい。
    ところで、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトを眺めていると、チベット亡命政府によるインターネットTVを視聴できるようになっていることに気がついた。
    おなじく亡命政府により、中国語で書かれたチベット問題啓蒙サイトもあるが、前者と合わせて中国国内からは、まずアクセスできないことだろう。
    1989年にダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞してから、それまで比較的静かだった彼の居住地にしてチベット亡命政府が置かれているダラムサラが、それ以前と比べて飛躍的に世界の耳目を集めるようになり、世界中から訪れるメディアや人々の数がケタ違いに増えた。
    同時に、インターネットの普及により、ダラムサラその他のチベット亡命社会から、広く世界に発信できるようになったことで、チベット問題に少しでも関心のある人に対して、たとえどこに住んでいる人であろうとアピールできるようにもなっている。
    各国の人々の間で、チベットに関する知識が広がり、問題に関する認識も深まることは、国際社会から中国当局への外圧につながっていることは疑いの余地はないだろう。しかしながら中国には、それを跳ね返す政治力と国際社会における強い発言力がある。
    そのためダライ・ラマのノーベル平和賞受賞時にまで遡っても、当時に比べて現在のチベット情勢が改善されたという認識はどこにもないだろう。時代が下るとともに、物質的には豊かになり、生活水準は向上しているとしても、チベットの置かれた立場、チベット人たちに対する処遇は変わることがない。

  • ペンタックスK-xでティランガー(三色旗)風カメラを

    もともとカメラといえば、精密かつ質実剛健な印象を与える黒色あるいは銀色が当たり前であった。それが近ごろでは、黒あるいはシルバー以外の色をしたカメラが増えてきた。それはオリンパスのE-P1白ボディであったり、パナソニックのGF1の白や赤のモデルであったりするが、これまでになかったカラフルなものが出てきている。
    コンパクトカメラ市場が飽和状態となり、カメラ販売の主戦場が一眼レフへとシフトするとともに、プロカメラマンを含めた仕事で写真を撮る人、写真を趣味とするアマチュアの愛好家以外で、これまでターゲットになっていなかった若い女性やファミリー・ユースといった層も巻き込んでの商戦となっている。
    そのため低価格化を進めるとともに、『デカいカメラ』『扱いが面倒』といった先入観を取り除き、より親しみやすいものとしたエントリーモデルが次々登場している昨今だ。
    結果として、街中でデジタル一眼レフを手にする人の姿がずいぶん増えた。これまでこの手のカメラを首からかけて歩くことのなかったタイプの人々が、あちこちでシャッターを切っている。
    『今まで使っていたデジカメとは写りがずいぶん違うなあ』『携帯電話の写真とは比べものにならないね』などと感じつつ、撮るということが実の楽しいものであることに少しずつ気がついているのではないだろうか。趣味の写真に対する垣根がかなり低いものとなってきたことは間違いない。
    ただしカメラそのものに対する親しみやすさといった部分では、単に小型軽量であるとか、扱いやすいとかのみではなく、持ち歩くアイテムとしてお洒落で常時携行したくなるような外見、他の人があまり持っていないデザインという希少性などが求められることになるのだろう。その現れのひとつが、冒頭のカラフルなボディということになる。
    キヤノン、ニコンという二大巨頭のマーケットと重なるやりかたをしていては勝ち目がないと、その部分に着目しているのがマイクロフォーサーズ機を販売するオリンパスでありとパナソニックだ。今年夏に相次いで発売された前者のE-P1、後者のGF1などはその典型といえる。特に女性層を取り込もうと狙っているのは、ウェブサイトやパンフレット等の広報マテリアルから見て取れるとおりだ。
    特に一眼レフの分野では、他社製品で既存のレンズ資産を持つ人を新規に囲い込むのはとても困難だ。マイクロフォーサーズ規格を共有しているオリンパスとパナソニックを除き、基本的にどこのカメラのボディも他メーカーのレンズとの互換性はない。
    そのため手持ちのカメラとは異なるメーカーのボディを購入するということは、それに加えて今後必要とするすべてのレンズ群をまるごと買い取ることをも意味する。それがゆえに、他社の既存ユーザーを引き寄せるのは至難の業であり、これまで一眼レフユーザーではなかった層からの需要を掘り起こすという路線を目指すしかない。
    だがここにきて、今月16日に発売されたペンタックスのK-xの圧倒的なカラーバリエーションには脱帽である。店頭販売されるモデルは、ボディの色が白・赤・黒の3通り用意されているが、カタログあるいはウェブサイト上で、ボディが20色、グリップは5色準備されている。つまり100通りパターンの中から好みの組み合わせを選択して注文することができるのだ。ストラップも白・赤・黒と3色ある。
    ボディとグリップの配色は以下のとおり、ストラップは白を選んで、インド国旗を思わせる『ティランガー仕様』にしてみてはどうだろう。
    おぉ、これはカッコいい!!
    ストラップが白ならば、ティランガーなカメラ完成!
    もともとペンタックスのデジタル一眼は、他社製品にくらべてボディ、レンズともにコンパクトに出来ている。他社、たとえばキヤノン、ニコンの両社の類似した機能のモデルと比較しても、かなり小ぶりに仕上がっているようだ。
    K-xもAPS-Cサイズのセンサー搭載で有効1000万画素以上のデジタル一眼レフカメラの現行モデルの中では世界最小であることを謳っている。
    近ごろはエントリー機であっても相当高性能だ。もはやどのクラスでも標準装備となったダスト対策機能、最大4段分の効果があるとされる手ブレ補正機能がボディ内に組み込まれている。またこのクラスで1/6000秒の高速シャッター、連続撮影4.7コマ/秒というスペックになっており、スポーツ等の撮影にも充分対応できる。感度もISO6400相当まで上げることができるのは室内で舞踊等を撮影する際に重宝しそうだ。
    もとよりサイクルの早いデジタルの世界だ。1年経つか経たないうちに次モデルが出てくると、上のクラスの機種のひとつ前の世代同等の性能が備わることは珍しくない。それに比べると、光学性能が主体のレンズのほうは、飛躍的な進化はあり得ない。
    本人の感性と表現力が同程度ならば、作品に差がつくのはレンズの良し悪しだ。もし機材にお金をかけるならば、ボディよりもレンズのほうに投資すべきだと私は考えている。
    このところライブビュー撮影対応、加えてHD動画撮影機能搭載のデジタル一眼が増えているが、このK-xもその両方の機能を搭載している。
    加えてバッテリーは市販の単3型電池が利用できることは、とかく電池の消耗が早く、多くの場合、メーカーごとの独自のものしか利用できないデジタルカメラの中では特筆すべき利点だ。出先や旅行先でバッテリー切れや紛失等の際に、カメラが無用の長物と成り果てることはないだろう。
    用意されているデジタルフィルター機能の中で、あまり使うことはないかもしれないが、トイカメラ風の効果、ミニチュア風の効果を与えて撮影できるのも面白い。
    ペンタックスはレンズ群のバリエーション数はキヤノン、ニコンに匹敵するものの、APS-Cセンサーのカメラ使用で、35mm換算で広角域に相当するレンズがあまりないのは少々気になるものの、シグマ、タムロンといったレンズメーカーからペンタックスマウントのレンズがいくつも出ているので、あまり気にしなくてもいいはず。
    価格はどんなものかといえば、参考までに本日、2009年10月17日現在、kakaku.comに出ている最安値は、ボディと18-55mmレンズのセットで62,690円。通常の量販店でも多くの場合7万円を切っていることと思う。もちろん好きなカラーの組み合わせでオーダーすると費用がもっとかかるが、ひところよりもずいぶん求めやすい価格になったものだ。
    私は普段キヤノンおよびパナソニックの一眼を使っており、他社のカメラを購入するとマウントの異なるレンズをいくつも買い揃えなくてはならない。もとよりそんなお金はないので、間違ってもK-xに手を出すことはないだろう。コンパクトさやカラーバリエーションの豊富さといったオリジナリティ等を客観的な視点から眺めて、また個人的にはティランガー仕様(?)が可能なこともあり、『インドでどうだろう、この一台?』として挙げてみることにする。

  • 一糸まとわぬ姿のセキュリティ・チェック

    『搭乗の際には短パンとTシャツだけ着用ということになるんじゃないのか?』
    知人とのそんな会話をふと思い出した。
    2001年9月の同時多発テロ以降、どこの空港もセキュリティ・チェックが非常に厳格になった。その後も靴の中に隠した爆発物による爆破テロ未遂その他が続いたこともあり、液体物の持ち込みは100ミリリットル以内の容器複数個が、容量1リットル以内のジッパー式のビニール袋の中に納まる範囲のみ可能となった。
    フライトによっては、空港の免税店で購入した酒類も持ち込むことができなかったり、目的地に着くまで乗り換えがある場合、そこから先の便へと持参することができなかったり。
    私が利用したわけではないが、手荷物一切が禁止となり、透明なビニールの中に旅券や図書類のみ放り込んで搭乗するフライトもあった。当時、メディアでも大きく取り上げられていたので記憶している方も多いだろう。
    安全第一とはいえ、セキュリティ関係のこうした事柄があまりに厳しくなってくると、乗客自身困ることだってある。
    さりとて身の安全のための代償なので、粛々と従うしかないが、こんな世情を憂うしかないのか、それともほかに何か良い手立てはないのか?と思ったりもする。もちろん面倒に思うのは乗客だけではなく、空港当局関係者をはじめとするセキュリティ担当者たちも同様だろう。これにかかる手間ヒマ、人件費だって相当なものであるはず。
    そうした中、『確実に安全というならば、手ぶらで裸で搭乗させるしかないんじゃないのか?』などと話しているうち、『まあ、最低限の服装ってとこなのかな。下着姿でというわけにもいかないだろうし』ということで、冒頭の話になったわけである。
    ところが世の中はそんな冗談みたいな方向に進みつつあるようだ。イギリスのマンチェスター空港で、X線を使った装置で乗客を裸体に透視してチェックするというシステムがテスト運用されているとのことだ。
    ‘Naked’ scanner in airport trial 1 (BBC NEWS South Asia)
    ‘Naked’ scanner in airport trial 2 (BBC NEWS South Asia)
    『ついに行き着くところまで来たのか・・・』という思いはするが、安全面という点のみにおいては、なかなかいいアイデアではないかとは思う。ただし倫理的にこうしたことが許されるのかという部分で、大きな疑問符が付く。文化的、宗教的に受容できないとする人も少なくないだろう。
    加えて、当然のことながら、こうした映像がどこかに流出しないのかということを危惧する人も少なくないだろう。厳重に管理されているはずの重要な個人データが漏れるということは、どこの国でも決してあり得ないことではない。
    もちろんこれが各地の空港で本格的に導入されたとしても、テロリストたちにとってはまだまだ攻撃を仕掛けるチャンスはいくらでも転がっているようだ。搭乗する飛行機に危険物が持ち込まれることはなくなっても、セキュリティ・チェックの場所までは誰に咎められることもなく、危険物とされるものを手荷物に隠して運ぼうと思えば容易にできてしまうような空港は少なくない。
    航空機内でのテロが困難になったぶん、空港機能を停止させてやろうと、そうしたエリアが爆破テロという凶行の標的となることはないのだろうか。もちろん、こんなことを疑えばキリがないのではあるが。

  • 遺伝子組み換え食用作物 インドで大量消費の日は近い?

    従来の商業作物に対して、遺伝子操作を施すことにより、病虫害や除草剤への耐性、貯蔵性の向上、栄養価の増大、含まれる有害物質の減少等といった形質を与えた遺伝子組み換え作物と呼ばれる。
    また医療方面での効果を上げることも期待されており、例えばスギ花粉症のアレルゲンのエピトープを含む米を意図的に造り出し、これを食用とすれば経口免疫寛容により、花粉症の時期の症状を軽減できるであろうというものだ。
    将来的には、これまで栽培が難しかった環境での育成を容易にしたり、収穫量を拡大させたりといった効果も期待されている。
    しかしながら、こうした作物を食用とすることにより身体に及ぼす作用はないのか、遺伝子組み換え作物が在来種と交雑することによる環境への影響など、その安全性についてはいろいろ議論されているが、今のところまだ結論は出ておらず、中・長期的な観察も不可欠だ。
    こうした技術や作物についての評価は様々だが、グローバルな観点からは、バイオ燃料需要の増大、従来の農業国の工業化等、産業構造の変化による就農人口の減少、新興国を中心とした食料の需要増等に対応するため、農業における一層の効率化は避けられない。
    また日本のように、現状では食糧自給率が極端に低く、耕作地が限られている国においては、食品としての安全性、環境への影響といった部分への不安が払拭できれば、能率的で、収益率も高く安定したな新しい農業のモデルを創造できるきっかけとなるのかもしれない。今後私たちと遺伝子組み換え作物との関わりは、より深くなっていくものと考えられる。
    もちろんネガティヴな側面もある。遺伝子操作という新しい技術が生み出す作物について、まだ知られていない重大な欠陥や問題点が出てくることもあるかもしれないし、グローバル企業が進めるアグリ・ビジネスによるモノカルチャー化(単一品種の栽培)がこれまで以上に進展するのではないかということも容易に想像できる。
    アグリ・ビジネスの中でも、とりわけバイオテクノロジー・ビジネスの分野をほぼ独占しているアメリカの私企業に、私たちの食卓の大部分を委ねるという事態になってしまうとすれば、大きな不安を抱くのは私だけではないだろう。
    インドでは、2002年に綿花栽培において、遺伝子組み換え種の導入を認可した。その背景には、綿花栽培農家の苦境があった。綿の作付け面積は世界最大だが、収穫量では世界3位に甘んじている現状を踏まえたうえで、収穫量を6割向上させることができると主張するアメリカのモンサント社による熱心な売り込みが、当初はこの新技術に懐疑的であったインド政府に門戸を開かせることになった。
    それから7年ほど経った今、ついに食品の分野でも遺伝子組み換え作物が認可されるに至った。先述のアメリカのモンサント社とともに、インドのアグリビジネス企業Mahycoがかかわっている。
    Biotech regulator approves commercial release of Bt brinjal (Hindustan Times)
    भारत उगाएगा बीटी बैंगन (BBC Hindi)
    こうした動きには、国内事情からくる要因が多分に作用しているものと思われる。総人口の6割以上が29歳以下の若年層、25歳以下で区切れば総人口の半数を占める。
    一般的には、若年層が多いほど、労働力が豊富であり、個々の家計支出も例えば結婚、家財道具の準備、出産、子供の養育・教育費、住居の購入・新築といった大型のものが続くため、内需拡大に結びつきやすく、経済発展に貢献する度合いが高いとされる。
    だが必ずしもこれが有利に働くとは限らず、高い人口増加率が経済の足を引っ張ってしまうというところにインドのジレンマがある。とりわけ出生率の高い社会層において、低所得、失業、貧困、教育等々の問題が深刻なのだ。
    総人口の7割が農村に暮らし、しかもその大半が5,000人以下の村に住んでいるとされる。インドの農業は、灌漑が普及に成功した地域を除き、天候頼みの部分が大きいことから、特にモンスーンが不順な年には大きな影響を受けやすい。そうした折には農村人口が大挙して非熟練労働者予備軍として都市部に流出する。
    今をときめくBRICsの一角を占めるインドだが、同時に世界最大の貧困層を抱える国でもある。農村部で人々に安定した収入をもたらすことが、世界第二の人口大国の食糧問題、労働問題等、諸々の難問を解決するための大きなカギとなることは言うまでもない。
    また経済全体の半分を外需が支える中国とは対照的に、インド経済を引っ張るのは旺盛な内需。総体の三分の二が国内需要によるものだ。
    よって都市部の需要に対する周辺部という位置づけであった圧倒的な人口を抱える農村部が富むことにより、国総体としてのの経済規模が飛躍的に拡大することが期待される。
    そうした社会的な要因を背景に、遺伝子組み換え作物については、今後トマト、オクラ、米の解禁も近いとされており、インドの食卓への浸透は進むだろう。
    数年後、あなたがそうとは知らずにバーザールで手に取っているその野菜も、何気なく口にしている料理の中身も、実は遺伝子操作による産物かもしれない。
    ただし、遺伝子組み換え作物というものが、果たして本当に食用に適しているのか、環境に対する影響はないのか、近い将来遺伝子組み換え技術の欠陥や弊害が浮上することにならないのか、その技術が特定の国の私企業にほぼ独占されていることでどんな問題が生じてくるのか、大いに気になるところでもある。

  • 奇襲!

    これはテロというよりも、まぎれもない戦争である・・・と私は思う。先週土曜日にパーキスターンのイスラマーバード郊外にある同国陸軍本部を武装集団が襲撃し、人質を取って立てこもった事件である。
    Brazen attack hits Pakistan army HQ (DAWN.COM)
    Skilled commandos rescue hostages (DAWN.COM)
    反政府勢力のタリバーンが犯行声明を出しており、軍の側の警備の不手際も指摘されているが、テロリストたちによる軍中枢を狙った奇襲作戦の『華々しい戦果』の裏には、天地驚愕させるような大仕掛けや綿密に練り上げた陰謀があったのではなかろうか。今後次第に明らかにされるであろう、この事件の背景に関わる様々な情報に注目していきたい。
    大規模なテロ事件の続発、著名政治家の暗殺、タリバーン勢力によるスワート地方の実効支配と政府軍による奪還等々に加えて、中央政府の不安定な政権運営など、気がかりなことばかりが常態化しているパーキスターンの政情だが、近年の出来事の中でも最大級の衝撃的な事件である。
    いまや印パ関係以上に、パーキスターンという国自体の行方を案じずにはいられない。隣邦がどういう国になっていくのか、インドにとって外交上の問題のみならず、自国内においても相当な影響を及ぼしていくことは必至である。

  • ロンリープラネットのガイドブック電子版

    20091012-cityguides.jpg
    実用的なガイドブックとして評判の高いロンリープラネットのガイドブックが電子版の刊行に意欲的に取り組んでいる。
    iPhone City Guides
    持ち歩いたり、出先でパッと参照するためのものなので、ノートパソコンやキンドルで閲覧するわけではなく、iPhone / iPod touchにインストールするアプリケーションとなっている。
    サンフランシスコのガイドが無料配布されていた時期に試してみたのだが、少なくとも現時点おいて、正直なところ操作感はあまりよくない。こういうデバイス向けにヴィジュアルな構成になっており、テキストで一杯の書籍版とはかなり違った印象を受けたが、それでも画面のサイズからしてちょっと読みづらいのである。
    またiPhone利用の場合に限っては、インターネット経由でGPSと連動するなど、インタラクティヴな機能を利用できる。もちろん居住国外で、海外ローミングで使用すると膨大な通信費がかかってしまうため、まずはSIMロックのかかっていないiPhoneを購入し、現地のキャリアを利用するようにしなくてはならない。
    もちろんiPod touchを使用の場合は、こうした心配とは無縁であるが、iPhone同様にバッテリーの持ちは良くないため、市販の充電用リチウム電池を予備に持つなどの対策は必要かもしれない。
    今のところ、発売されているのは、ロンドン、パリ、ニューヨーク、香港他の都市ガイド、アラビア語、韓国語、ドイツ語、トルコ語などのフレーズブックのみである。今のところ、インドの都市ガイド、エリアガイドは
    すでに訪問国のガイドブックは購入している人も、特に関心のある都市の詳細なガイドブックが、普段持ち歩いているiPhone / iPod touchにインストールできるとなれば、荷物が増えるわけではないので、『それじゃこれも!』と気軽に購入してくれるかもしれない。なかなか良いアイデアかもしれない。観光旅行以外でも、仕事で出張に向かう人の需要もあるのではないだろうか。
    こうしたiPhone / iPod touch版ガイドブックの中には、東京、京都の都市ガイドも含まれている。ガイジンの視点で日本の都市歩きをしてみるのも一興かもしれない。
    シリーズ内のガイドブックごとに著者は違うものの、どれも中立的な記述で偏りや私見といったものはほとんど見られず、非常にフェアな印象を受ける。広告類を一切取らないこともそうした紙面に寄与しているものと思われるが、何よりトラベル・ジャーナリズムに徹するプロフェッショナルな姿勢には好感を覚える。残念ながら、日本において、少なくともシリーズもののガイドブックで、こうした類のものはまだ出てきていない。
    iPhone / iPod touch版について、現時点では国ごとのガイドブックは出ておらず、今後もそうした予定があるのかどうかはわからない。だが、むしろこちらのほうの電子版が出てこないものか?と私は期待したい。各地の名所旧跡の紹介といった部分については、これよりも優れたガイドブックはいくつもあるのだが、収録されているプラクティカルな旅行情報の面では、質・量ともに群を抜いていることは誰も異論はないだろう。
    だが、それがゆえに版を重ねるたびに重厚長大化するのが悩ましいところだ。シリーズ内で、とりわけよく出来ているタイトルは、出先で日中持ち歩くのを躊躇するほど肥大化ぶりだ。つい先月、同社の『India』の新版が出ているのだが、これは1244ページに及ぶ『大物』だ。
    これをiPhone / iPod touchに放り込んで移動することができれば、どんなに助かることか。
    現状では、スクリーンのサイズに由来する見づらさ、使い勝手の悪さは如何ともしがたいが、今後様々なアイデアと手法が加わり、電子版の使い勝手が格段に向上するかもしれないし、ひょっとするとiPhone / iPod touchよりもこの手の電子書籍に向いた軽薄短小デバイスが登場するかしれない。
    最近、ロンリープラネットのサイト内『Shop』を検索してみて気がついたのだが、例えばインドのガイドブックをチャプターごとに
    を購入できるようになっている。
    India – Pick & Mix Chapters
    インドのような大きな国を訪れる人々の誰もがこんな分厚いガイドブックをまるごと持ち歩く必要があるわけではないため、こうした需要は少なくないのだろう。
    各地域等の旅行情報は2ドルから6ドル程度。しかしTable Contents、Getting Started、Indexといった項は無料でダウンロードできるようになっており、地域案内部分のみを購入してもちゃんとガイドブックとして機能する。なかなか良いサービスだと思う。
    ロンリープラネットのガイドブックの電子版、今後の進展に期待したいところである。

  • 嵐と水害

    1959年に大きな被害をもたらした『伊勢湾台風並み』の大型台風が日本に接近しているのだそうだ。
    「伊勢湾」並み台風18号、近畿の一部暴風域に (YOMIURI ONLINE)
    台風18号あすにも近畿上陸 伊勢湾台風並み (産經関西)
    伊勢湾台風並みというのはいささかオーバーな表現かもしれないが、控えめな表現でもここ10年で最大の台風ということになっているようだ。また予想されるコースが50年前の伊勢湾台風のものと重なることからも、とりわけ当時被害が甚大であった名古屋近郊南部に広がる干拓地を含む低地での高潮による被害も懸念されているようだ。
    台風18号、東海あす朝直撃も 風速過去10年で最大 (中日新聞)
    今後、台風の進路となることが予想されている各地で明日、学校を休校する決定が相次いでいる。相当強い風雨となることを懸念してのことである。
    気象予報士の森田正光氏らによる『チーム森田の”天気で斬る”』によれば、最大瞬間風速58.9メートル(観測史上3位)で、最大風速39.1メートル(観測史上5位)とのことである。最低気圧955.9ヘクトパスカル。これは、本日未明に台風18号が約70キロまで接近した南大東島で観測された数値であるそうだ。

    (さらに…)

  • 自宅でティッカー、広場でケバーブ

    ティッカー、シーシュケバーブ、ナーンその他、タンドゥーリー料理は好きでも、たいていの人はそれを自分で調理したことはなく、レストランで注文したものを食べているだけだろう。もちろん私もそうである。オーブンの一種であるとはいえ、明らかに構造が違うため家庭用オーブンでは同じものを作ることはできない。
    ゆえに、当然のごとく、それを売りにする店で食べるものと思っていた。だが意外なところに『ポータブル・タンドゥール』を製造しているメーカーがあった。
    ポータブルタンドール (山文製陶)
    日本国内にあるインド料理屋の多くで日本製のタンドゥールが使われているが、まさか手軽に移動できるタイプのものがあるとは知らなかった。上記リンク先で表示されるものの中で、『20リットルペール缶サイズ』というのがそれである。
    もっとも『ポータブル』といったところで、重量は15キロあるので、そうそう気楽に持ち運びできるわけではない。『両手が抱えてクルマに乗せることができる』といった程度に考えたほうがいいだろう。価格は3万円と手ごろだ。
    他に50リットル、100リットル、120リットル、200リットルと、いろいろなサイズがある。屋外イベントで用いることを想定しているようだ。
    本格的なタンドゥールを製造しており、日本国内のインド料理屋さんが使う和製タンドゥールの中に、同社の製品を見かけることもあるのだろう。
    インド製の小型タンドゥールを日本で輸入販売している業者もある。重量は倍以上になるが、素人の感覚ではあるが、窯としてはこのくらいの重さがあったほうがいいのかもしれない。
    ポータブル・タンドゥール窯(有限会社エイシアン・クロス)
    製造元はGolden Tandoorsという本格的なタンドゥール製造販売メーカーなので、大きなものから小さなものまでいろいろ取り揃えている。
    自宅でタンドゥールを使って料理するかどうかはともかく、仲間たちとキャンプやバーベキューに出かけるときなど、持参すると喜ばれるのではないかと思う。

  • カシミールはどこの国?

    印中関係が好転している近年、両国間でビジネスや観光等の目的での行き来が盛んになるとともに、ふたつの大国の間を結ぶフライトも増えてきている。
    それでも長らく敵対してきた関係もあり、国力・軍事力ともに上回るアジア最大の国を前に、インドにおける中国に対する不信感や猜疑心はまだまだ強い。
    南アジアのインド周辺国への中国の影響力の伸張、インドとの国境地域における軍の動静など、インド側の神経を逆撫でするような動きがしばしば見られる。
    このほど、在デリーの中国大使館で発行される一部のヴィザについて、問題が生じているようだ。
    どういうわけか、カシミールの人々に対してのみ、旅券に対してではなく別紙にてヴィザを発給しているというものだ。
    India protests issue of separate Chinese visa to Kashmiris (indian express.com)
    Row over China Kashmir visa move (BBC NEWS South Asia)
    上記の記事中には、不幸にして、こうした形で出された査証を手にした人たちは、インド出国の際にひどく揉めたり、飛行機に乗れなかったりということが起きているとも書かれている。
    中国行きの飛行機への搭乗を妨げられた人にしてみれば『中国大使館は、カシミール人にだけ、なぜこんな余計なことをするのだ』ということになるし、インド政府にとっては『カシミールをインド固有の領土と認めないというスタンスだ』ということになるのだろう。
    カシミールは、パーキスターンとの間で帰属をめぐり係争している地帯とはいえ、姑息な形で『内政干渉』してくる国に対して信頼感を醸成できるとは思えない。
    ましてやそれが国力・軍事力で自国よりも勝る大国だ。やはり中国という国は、常に警戒心を抱いて用心深く付き合うべき隣人、決して心を許してはいけない危険な相手であることは間違いないようだ。

  • Velo Taxi試乗

    20090930-velo.jpg
    先週末に代々木公園で開催されたナマステ・インディア2009の会場脇で、Velo Taxiの試乗会が行なわれていた。1997年にドイツで運行が開始され、日本に上陸したのは2002年。最初に京都、続いて東京でも営業が始まった。
    このVelo Taxi試乗は、代々木公園のイベント広場から原宿駅まで行き、そこから折り返して再びイベント広場に戻るというルート。
    東京で営業しているVelo Taxiでは、インド政府観光局が広告スポンサーになっており、車体脇に『Incredible India』のロゴを掲げて走っている。そのつながりから、ナマステ・インディアの会場で試乗会をしてみないか?と声がかかることになったのだという。
    東京ではVelo Taxiの車庫は有楽町にあるとのこと。人力による乗り物であることから、無闇に遠くまで行くことはないというが、それでも制度上は23区内ならばどこでも運行するとできるのだそうだ。
    『でも決まった時間には有楽町に戻らなくてはなりませんから』とは運転手の男性の弁。利用者が増えて、都内に新しい営業拠点がいくつも出来れば、もっと利用しやすい交通機関になるのかもしれない。
    電子式のメーターが付いており、初乗りは自動車のタクシーの半額程度。しかし速度では比較にならないため、同じ距離を行くとすればこちらのほうが割高になるようだ。
    生身の人間がペダルを踏んで進む乗り物だけに、坂道だらけの土地ではキツいようだが、それでも電動アシストが付いていることから、肉体的な負担はかなり軽減されているとのこと。女性のドライバーも活躍しているそうだ。
    丸みを帯びた車体からの眺めは開放的で、春・秋の気候の良い時期にはとても快適。もちろんそんな心地よい時期ばかりではなく、寒風吹きすさぶ凍てついた冬もあれば、ジリジリと身を焦がすような暑い夏もあり、ジトジトとうっとうしい梅雨もあるので、いつでもどこでも楽しいVelo Taxiというわけにはいかないところは、やはり『サイクルリクシャー』であるがゆえだろう。
    こうした環境負荷の少ない交通機関がもっと普及するといい。彼らが営業するエリアがもっと拡大し、駅前や商業地など、そこらで客待ちしている姿を見かけるのがごく当たり前のこととなったら便利だろう。
    この車両が広く普及することにより、利用料金がもっと安くなり、すぐそこまで、これまで歩いていた距離でも気軽に利用できるようになるといいなぁ・・・などと思ったりもするが、そうなると運転手の取り分が少なくなり、格差社会を象徴するような乗り物になってしまうのも良くない気がする。
    環境に優しい乗り物という点では諸手を挙げて賛成したいのだが、体力勝負の仕事でお客の入りも季節や天気次第という不安定さもあることから、車両の普及と運転手の待遇が両立するものなのかちょっと気にかかるところである。
    『エコな乗り物』という切り口から出てきた新型タクシーなれども、Velo Taxiのホームページに書かれているとおり、目指しているのは『バスや地下鉄を補完する環境にやさしい公共交通としての定着』であることから、バスストップや駅前で大勢で客待ちしているサイクルリクシャーの姿とダブるものがある。
    運行スピードからしても、クルマと対等のものではなく、かなり近距離の移動のみに用途が限られるであろうことからも、やっぱりこれはサイクルリクシャーである。
    タダで乗せてもらって、こんなことを書くのは気が引ける。だがVelo Taxiが日本で日常の交通機関として定着したならば、環境保全に対する意識の向上のみならず、むしろ私たち市民の経済事情や雇用環境の悪化という歓迎できない要因が、その普及に対してプラスに作用しそうなことに不安を覚えるのは私だけだろうか。
    20090930-velotaxi.jpg

  • ストライキ! Air India

    9月前半、400名余りのパイロットによるストライキにより、5日間で800ものフライトがキャンセルとなったのはジェットエアウェイズだったが、今度はエアインディアの操縦士たちのストは、本日9月29日で4日目に突入。
    争議の原因は前者が解雇された同僚パイロットの復職を求めるものであったのに対し、後者は人件費の大幅な削減を目的とした成果主義の導入によりボーナスが最大5割ほどカットされることに対する反発によるものである。
    エアインディアでストライキを実施しているのは180名のパイロット。過去4日間で150を超えるフライトがキャンセルされているという。こうした事態を受けて、本日から向こう15日間の新規予約を停止している。
    そのためエアインディアのサイトにアクセスしてみると、左側に表示される『Book Online』のメニューからその期間のどのフライトを指定してみても『Not Available』と赤い文字で表示されるようになっている。
    だいぶ前から民営化が揶揄されているものの、累積赤字が巨額であることから、なかなか手を挙げる資本も見つからず、先行き不透明なエアインディアだが、こういう事態になったのは、現場で働く人々の怠慢によるものではなく、国営であるがゆえのコスト意識の低さという会社の体質、ならびに放漫な経営を続けてきたマネジメント側に責任があるのだとすれば、そのツケを飛行機を操縦する我々に肩代わりさせようなどということは断固として許せん!という主張は当然のことかもしれない。
    パイロットといえども会社に雇用される身であり、労働三権を持つ労働者であることから、経営側による不当な圧力をはね返すべく闘う権利を有している。
    しかし、昨年あたりから航空業界は燃油の高騰に続き、世界的な不況、新型インフルエンザの流行などといった逆風の中に喘いでいるとはいえ、各地で沢山の新興航空会社の誕生が続いてきたこともあり、恒常的に人材不足。
    そのため他社による引き抜きを防ぐため、あるいはヨソの会社からパイロットを自社に移籍させるための手段として、給与が高騰していた時期がある。もとより特殊な資格が必要であることから、一般的に普通の勤め人よりも相当高い給与を得ているがゆえに、市井の人々からしてみれば『あんたらもちょっとは我慢したらどうだね!』といったところではないだろうか。
    途上国のキャリアとはいえ、エアインディアの機長クラスともなれば、月給は日本円にして150万円を超える水準のようで『世界標準』と比較しても遜色ないものであるようだ。
    本日までのところで150のフライトが運休。予約も向こう半月は入れることができないとなれば、いったいどれくらいの乗客が迷惑を蒙ることになるのだろうか。1932年にターター・エアラインスとして創業してから77年に及ぶエアインディアの長い歴史の中でも、特筆すべき労働争議のひとつとなるだろう。
    利用客あっての交通機関であり、お客や荷物を目的地まで運び届けることが航空会社の存在意義である。エアインディアの経営陣、国営キャリアを監督する立場にある政府とともに、パイロットたちも含めて、利用者の立場にも充分配慮し、責任ある行動を心がけて欲しいものである。

  • ナマステ・インディア2009


    9月26日(土)ならびに翌27日(日)に代々木公園で、ナマステ・インディア2009が開催された。
    広い屋外イベント会場を借り切ってのこうした催しは近年増えており、中身はどれもかなり似ている。国の名前、ステージの演目と屋台で提供される食事が違うだけという気がする。
    だがこの時期、天気にさえ恵まれれば、会場の隅っこにでもレジャーシートを敷いて陣取って、青空の下のんびり過ごすのは気持ちがいい。
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    2年前のこのイベントでは、スワーミー・ラームデーヴが現れるというサプライズがあった。
    昨年の目玉といえば、チャダだっただろうか。今年も来場してステージで熱唱していた。会場内に自身のブースを構えており、通りかかる人々の求めに応じて気楽に写真を一緒に撮らせてくれたりなどしており、なかなか評判だったようだ。
    さて今年、特に目を引いたのは・・・といえば、開会式にカラン・スィンが挨拶をしていたことではないだろうか。ヘーマント・クリシャン・スィン駐日インド大使による紹介の後、カラン・スィンがスピーチを行なっていた。
    カラン・スィン(左)とヘーマント・スィン駐日大使
    現在のJ&K州が藩王国だった時代の最後の王、ハリ・スィンの跡継ぎであった人物で、地元J&K州ならびに国政の場でも要職を歴任し、インド国内のいくつかの著名大学で総長も務めていた。また著述家としても知られている。
    しかしながら日本では一般の人々の間で広く知られた顔というわけではないので、特に警備関係者が取り巻くわけでもなく、大使、大使館員ならびにイベント主催者の一員らしき人物に伴われてはいたものの、会場内を普通に歩いていた。
    もっとも、彼はこのイベントのためにわざわざ来日したわけではなく、その前日にインド大使館がこのほど完成させた文化施設のオープニングの来賓としての役割など、他の用事と合わせて東京に来たようである。
    それでもカラン・スィンのようなちょっと特別な人物が、こうしたイベントにわざわざ足を伸ばしてくれるのは、なかなか喜ばしいことであろう。
    来年はまた全然違うタイプの著名人がやってこないだろうか?ステージのプログラムの『ボリウッドダンス』の中で、いきなりラーキー・サーワントが登場したりするようなことがあったら、嬉しくてたまらないのだが。