私たち外国人がインド国内でホテルやゲストハウスに宿泊するとき、大きな宿帳とともに「Form-C」が差し出される。氏名や住所、パスポート、ビザ番号、発行年月日等をいちいち記入させられるあの書類だ。
「すべての外国人は、宿泊施設に滞在する際にForm-Cを記入しなくてはならない。これは施設所有者に課せられた義務である」(参照)とされる。1939年制定の法令「Registration of Foreigners Act」なる法令が根拠になっているらしい。
実際に何に役立っているのか分からないが、日々全国各地で作成される「Form-C」は、それぞれの区域を管轄する警察署の担当官に回収される。少なくとも彼らが”仕事をした証”の一部にはなるのだろう。
滅多にあることではないが、地域によってはパスポートとビザのコピーも添付するように要求されたり、宿泊する本人が警察署に出向いて提出しなければならなかったりする。
外国人宿泊者には少々煩わしい「Form-C」。こんなに几帳面な習慣が植民地時代から引き継がれていることに驚く。
時代を経て書面のレイアウトは多少違っているかもしれないが、外国からの長い船旅を終えてボンベイやカルカッタに上陸した人たちもまた、これに記入したのだろう。独立機運の高揚とともにイギリス支配が終焉に近づく異国のホテル、彼らはどんな想いでペンを走らせたのだろうか…。
インドではこんなフトした場面にも「歴史」を感じさせてくれるものがある。

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