Destination Pakistan 2007

Destination Pakistan 2007
 今年、インドの隣国パーキスターンでは政府の音頭により『Destination Pakistan 2007』と銘打ち観光の推進を図っている。隣国インドに負けず劣らず多彩な文化と豊かな自然に恵まれ、非常にリッチな観光資源を持つ国である。近年何だかネガティヴなイメージが定着してしまっているようだが、これを機会にその魅力を存分にアピールしてもらいたい。
 PTDC (Pakistan Tourism Development Corporation) のウェブサイトにも『Visit Pakistan Year 2007』と謳われている。ホームページ上部を見てわかるとおり、英語以外に8ヵ国語での情報提供がなされている。だが機械的に翻訳されているだけなので、ここの日本語版を見てお判りのとおり、かなり凄いことになっている。
 サイト内で目下準備中のようだが、求人募集もなされるようだ。『Talent Hunt』直下にある『apply for a job』をクリックすると出てくる個人情報や学歴・職歴を記入するフォームの下のほうには、『PTDC is committed to equal opportunity employment regardless of race, color, ancestry, religion, sex, national origin, sexual orientation, age, citizenship, marital status, disability, or any other status』と書かれている。明らかに外国人の雇用についての案内であろう。

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とっても良さそう! ジッツオの旅行用三脚

ジッツオ GT1550T
 高級ブランド『ジッツオ』の三脚なんて私には分不相応と、これまで視野にさえ入っていなかった。だが最近同社から『Traveller』という商品名で発売された自由雲台付きのカーボン製三脚は大いに気になっている。
 朝方や夕方以降、風景や静物を撮影する際等々、旅先で三脚が欲しいと思うシーンはしばしばある。そこで持参した小型ながらも剛健な造りの三脚を何か適当な台になるようなものを見つけて乗せたりしていたのだが、そうしたものが常に見つかるとは限らない。あったとしても厚い塀や建物の一部であったりして任意の場所に移動できるようなものではなかったりする。やっぱりちゃんとした大きな三脚が欲しいなあ、でも大荷物になるから持って来るのは無理だなあと諦めていた。
細くて軽量なモノはそこらでいくらでも売られているのだが、不安定ですぐにブレてしまうような代物をわざわざ持ち運ぶ気はしない。三脚は『可能な限りガッチリと骨太で重いものを・・・』というのが常識である。すると運搬にかかる体力的な負担も大きく敢えて旅先に持っていく気がしないのは当然のことであった。

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NHK スペシャル『インドの衝撃』

 1月28日(日)から三夜連続でインド特集。昨日放送の『わき上がる頭脳パワー』に続き、本日29日は第二部『11億の消費パワー』が、そして最後30日には『台頭する政治大国』といった題目が与えられている。
 躍進するIT産業と優れた頭脳、第三位以下を大きく引き離しての中国に次ぐ世界で二番目の巨大な人口を背景とした圧倒的な市場規模と人々の意識の変化による消費ブーム、国際政治の舞台において大きな存在感を示す大国ぶりと内政面で抱える様々な課題などといった切口から現代インドの姿が紹介される。
 日本で放送される『インド特集』における番組制作者たちのアングルが『ロマン』『歴史』といったものからより現実的なものへとシフトしてきているものの、『近ごろインドは・・・らしい』『今どきのインド人は・・・である』といった具合に巷で言われている紋切型のイメージを追認させる形で作られているものが多いことについてはあまり変化がないように感じる。
 もちろん今の日本にとってインドに対する最大の関心ごとといえば(観光を除けば)経済とその背後にある政治ということになるのだから、まさにその需要に応えたものであるとは言えるだろう。

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『買う水』の価格が変わらない

water 
 初めてインドを訪れたのは1987年だった。歴史的な建物ではなくとも、街中は何もかもが古ぼけくすんで見えて『ずいぶんレトロな国だなあ』と感じた。当時のインドに較べて少なくとも都市部では海外から輸入された電化製品や日用品等が多く店頭に並んでいたパキスタンに足を踏み入れると『消費生活の豊かさ』を思ったりもしたものである。
 もちろんそのころのインドにだってひととおりのモノは揃っていた。だがあまり購買意欲をそそるものではなかった。見た目からして貧弱でひどく型遅れで、事実すぐ壊れるからそのたびに修理することを前提として売られているのだと思った。電化製品、時計、履物類といった様々な『壊れモノ』を修理する職人たちが街中にあふれていることが、これらの製造者と修理人たちがどこか私たちの目の届かないところで固く手を結び合っているのに違いないと疑ったものである。
 もちろん今でもいろんな修理屋さんたちは健在だが、外資や地場資本等が同じ土俵でより良い商品をとしのぎを削るようになってから、街中で見かける品物の質は向上してきたことは間違いない。人々も次第に豊かになり、これまで一台の自転車に妻子を乗せて走っていた人がバイクに乗るようになり、一家総出で一台のバイクに鈴なりになっていた人々がクルマに乗るようになった。そして昔旧式の国産車やスズキ自動車との合弁で生産を始めていたマルチに乗っていた人々はいまや大型のRV車を乗り回すようになったのだろうか。

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開業後一年 宿は『標準化』していたか?

Ashreen Guest House
 1年ほど前開業したばかりの時点で宿泊したASHREEN GUEST HOUSEに行ってみた。
ちょうど昨年の今ごろ『鮮度が命!(1)エコノミーなホテルは新しいほうがいい』として取り上げてみたあの宿のことである。
 あのとき『ここは廊下、客室そして浴室内の床材にちゃんとした大理石が使われているし、室内のデコレーションや装備も、このクラスとしてはちょっと尋常ではない気がする。新しい事業をスタートさせたばかりのオーナーの意気込みがヒシヒシと感じられる』と書いた。事実このランクの宿としてはちょっと他には無いオーラを感じる・・・としてはあまりに大げさすぎるがとても好感の持てる宿であった。ちょうど界隈に宿泊することになり、ここが現在どうなっているのか確かめたいと思ったのだ。
 地域に以前から存在する同格の宿泊施設に比較して、開業したばかりの宿は建物や調度品などすべてが新しくスタッフたちも張り切っている。ピカピカであるといっても設備内容や立地など諸々の条件や周囲の相場もあるので、宿のレベル不相応な料金を提示するわけにはいかない。そんなわけで新規開業した宿は『格安』『お得』であると顧客の目には映るものである。
 開業時には快適だった宿が次第に劣化していく原因は、メンテナンスに対する意識の問題とそこで働いている人たちの慣れが主なものだろう。『このクラスの宿だからこの程度』というあたりに彼らの働きやサービスも落ち着いてしまう。客のほうにしてみてもエコノミーな宿に過大な期待などしないから『他と同じくらい』であれば、それで充分やっていくことができるのだ。
 わずか一年程度で一足飛びポロ宿化するなんてことは考えにくいとはいえ、実際ひどいところでは開業半年くらいでかなり荒れた印象を与えるようになることも決して珍しくない。またそのくらいの期間があればスタッフたちがすっかり職場に慣れてしまいレセプションに踏み入れるだけでグウタラと弛緩した雰囲気が伝わってきたりするものである。
 これが周囲の同格の宿とレベルを同じくする『標準化現象』である。年数を経るに従い不快度が上昇するという単純明快さはエコノミーな宿の特徴のひとつである。上のクラスのホテルでは、経営陣がメンテナンスや従業員教育の大切さを認識しているので、快適度と築年数が直接比例することはなくなってくる。

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