完璧なタイトル

本はタイトルが命だと言われる。『バカの壁』や『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などは、このタイトルでなければベストセラーになっていなかっただろう。しかし、いいタイトルと売れるタイトルは違うと思う。『バカ…』も『さおだけ…』も、日本語のリズムとしては、特に美しくない。
私が書いた本はこれまで3冊。『ヒンドゥー・ナショナリズム』、『中村屋のボース』、『ナショナリズムと宗教』。タイトルは、どれも基本的に私の意向で付けさせていただいた。3冊とも特に凝ったものではなく、かなりオーソドックスだ。タイトルからは売れそうな予感もしないし、言葉のリズムとしても平凡である。
しかし、私は3冊とも気に入っている。どうも凝ったタイトルは、自分に似合わない気がする。無理にスーツを着たり、いつもよりボタンを一つ多い目にはずしたりする気恥ずかしさを感じる。かっちょいいタイトルは、何かむずむずするのだ。
そんな私が、完璧なタイトルだと思う一冊がある。
『名刀中条スパパパパン!!!』
中条省平さんの文藝評論集で、春風社から出版されたものだ。
このタイトルをつけたのは、拙著『ナショナリズムと宗教』を担当してくれた編集者・長田年伸さん。素晴らしいセンスだと思う。(友人だから褒めたいのでは決してない。)
とにかく、「パ」の数が完璧である。一つでも多かったり、逆に少なかったりすると、一気にダメなタイトルになる。その緊張感が心地よい。
しかも、凝ったタイトルながら、業界人っぽいやらしさが微塵もない。気恥ずかしさも感じない。完璧だ。
ちなみに、挿画はしりあがり寿さんで、装丁は矢萩多聞さん。こういうことができる春風社は素敵だ。
名刀中条スパパパパン!!!
是非、書店で手にとってほしい一冊である。
http://www.shumpu.com/index.php?itemid=197

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