「ニュース23」の矛盾

今日(8月29日)の「ニュース23」を見ながら、私は暗澹たる気持ちになった。
特集は「世界陸上開催で労働者街が大人気」。
世界陸上の開催によって「釜ヶ崎」に来る外国人が増えていることを紹介しつつ、日雇い労働者やネットカフェ難民の実情を伝える内容だった。そして、その特集のあとには、生中継を含めた「世界陸上」の内容が大々的に報じられ、その盛り上がりが必要以上に強調された。
ここには、根本的な問題と欺瞞が潜んでいる。
今年の2月。
世界陸上の会場となる長居公園で、ホームレスの強制退去が行われた。また、世界陸上開会式の前日には、強制退去に反対していた活動家が「道路運送車両法違反」という微罪で逮捕されている。
これは明らかに世界陸上への抗議を封じるための予防拘禁だ。
私は、左翼ではない。むしろ左翼活動に対しては、かなり批判的な人間だ。
しかし、この逮捕はひどいと心から思う。ホームレス排除の上にたって開催されている世界陸上に、私は一人の人間として「イヤ」なものを感じる。
「ニュース23」は釜ヶ崎の日雇い労働者の問題を取り上げながら、同時に世界陸上を熱狂的にとり上げた。そこに存在する矛盾に、制作者は誠実に向き合っていない。
想像力を失ったメディアは、「正義」を掲げれば掲げるほど、本当の弱者を抑圧する。私はこのようなメディアを、一切信用しない。

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