橋川文三『昭和維新試論』文庫版の解説

橋川文三の名著『昭和維新試論』がちくま学芸文庫の一冊に加わり、その文庫版の解説を今回、書かせていただきました。タイトルは「平等と幸福を探求した昭和維新」です。
この本は、朝日選書の一冊として読み継がれてきたものですが、なぜかしばらくの間、品切れ・絶版状態になっていました。「こんなに重要な本が流通していないなんて、なんともったいない!」と思っていた矢先、ちくま学芸文庫に入ることとなり、非常にうれしく思いました。筑摩書房はさすがです。
この朝日選書版の解説は鶴見俊輔さんで、本書の急所を端的に突いた名文です。鶴見さんの解説に代わって、私が新たに解説を担当することになり、多大なプレシャーを感じましたが、現代日本社会においてこそ読まれるべき一冊として位置づけ直すべく、書かせていただきました。
この本は下からのナショナリズムがもつ「平等の希求」という側面を、みごとに描いています。特に、序章における「朝日平吾」分析と1章から3章の「渥美勝」分析は、胸に迫る迫力があります。
私の解説はともかく、ナショナリズムや右翼の問題にご関心をお持ちの方は、是非、本書をお読みください。格差社会におけるナショナリズムの問題を論じる際、必読の本です。

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