Lucky

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 アイシャーワリャ・ラーイといえば、世界一の美人女優として今や知らない人のいないトップ女優である。ミス・ワールドのタイトルを取得後、モデルから女優への転身を試み、数年間の下積みの後にトップスター:サルマン・カーンと共演した映画が大ヒットして、一躍スターダムに駆け上がった。以降、国内において絶大な人気を保ち続け、最近は海外でも人気を博している。とはいえ、世界の人々は常に、彼女の「超インド的美しさ」を褒め称えており、必ずしも女優としての資質を評価しているわけではない。
 「アイシャーワリャ」はヒンディー語で「栄光・有名」を意味する。「ラーイ」は、17世紀に栄えた西北インドの王宮のハーレムに仕えた踊り子(高級遊女)達が使用していた苗字と同じであることから、このカーストの末裔ではないかとも言われているが、真為の程は定かではない。注1
 彼女のモットーは「清廉潔白」、「高貴」、そして「純潔」である。過去の作品を見ると、足を出すことはもっての他(腹部は出しても良い)、過激なラブシーンや露出度の高いコスチュームは極力抑え、踊りの振り付けも、性を意識させるようなものは殆ど無い。聞くところによると、映画の試作版ができあがると、母親と一緒に、「見せても良いシーン」をチェックしているのだという。彼女達の美意識に合わないシーンは全て、新作封切り前にカットされているのだ。
 さて、人気は続いているものの、彼女もすでに30歳。女優としてはこれからのっていく時期であるが、若手人気俳優との共演は難しくなってきている。
 昔トップ女優で、現在は映画製作のマネージメント方面で活躍するジュヒ・チャウラは言う。「恋愛映画にはいつも、若くて個性的なニュー・フェースが欲しいわ」
 とはいうものの、新人を主役級に抜擢することは、国内で興業収入を上げる上でたいへん難しい。何故ならば、観客動員数は、社会問題をとりあげることや、脚本に人気作家を迎えることで上がるわけではなく、出演するスターの個性やオーラに左右されるからである。
 そこで期待されているのが、スネーハ・ウッラル。先々週封切られたLuckyで鮮烈なデビューを飾った現在18歳の、アイシャーワリャ・ライによく似たインド美人である。世界に認められる美しさを持ち、しかも若いとなれば、話題性もあり、「ドル箱スター」になれる可能性を十分持っている。
 ことの起こりは、アイシャーワリャにふられた後も、彼女をいまだに想い続ける究極の色男、サルマン・カンの妹が、アイシャーワリャによく似ているスネーハを大学で偶然見たことから始まった。彼女は兄のサルマンに報告、期待に胸を膨らますサルマンの話を受けた映画ディレクターが、スネーハにラブ・コールした。最初は疑っていたスネーハも、サルマン自身から電話をもらい、すったもんだの上、最終的にサルマンとの共演を承諾したという。
 現在大学生で、溌剌としたスネーハは、開けっぴろげな屈託のない笑顔を見せる天真爛漫な女性である。謎めいたアイシャーワリャとは対極的だ。牡羊座だろうか。
 「アイシャーワリャ・ライと似ていると言われるのはもちろん嬉しいわ、でも比較しないで欲しいの。だって彼女は素晴らしいキャリアを持っていて、私はまだ始めたばかり。私は私、誰の真似もしないわ」
 若くして意志を強く持つスネーハの好みの男性は、クリケット選手のザヒール・カン。
 サルマン・カンの淡い恋心の炎は、スネーハにはなかなか届かないようだ。
注1)中世から近世にかけて、王族に仕える高級遊女達はたいへん地位が高く、スター的な存在であった。

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